いしかわみゆき@The Funtail

釣り、イギリスのカントリーライフが好きで、1995〜2013年に東京四谷にフライフィッシングショップ「ザ・ファンテイル 」をオープン。 当時の釣りエッセイ、釣行記などをまとめていきます。

いしかわみゆき@The Funtail

釣り、イギリスのカントリーライフが好きで、1995〜2013年に東京四谷にフライフィッシングショップ「ザ・ファンテイル 」をオープン。 当時の釣りエッセイ、釣行記などをまとめていきます。

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New Zealand がくれた宝もの 1 Hydoro Pool ハイドロプール

 インターネットがまだ普及していない時代、スマホはもちろん、デジカメもまだない頃、フライフィッシングを通してニュージーランドの人や暮らし、文化にふれ、本当の暮らしの豊さを知った旅。 北島の真ん中にあるレイクタウポとトンガリロリバー、そこには美しいトラウトと素敵な釣り師たちとの出会いが待っていた。 はじめに 1994年、私たち夫婦は勤めていた会社を辞め、念願だったニュージーランドへの旅に出た。 フライフィッシングで虹鱒を釣るためだ。1ヶ月足らずの期間だが、英語には自信のない私

    • New Zealand北島 2009フライフィッシング旅

      2009.8.9.sun.~22.sat.  Lake Taupo, Tongariro River   お盆休みを利用して、真冬のニュージーランド北島へ、湖から川へと産卵のために遡上する、弾丸レインボウトラウトを狙いに出かけた。 夕方、成田を出発して9時間、翌朝オークランド空港に到着。東京は気温30度で湿度が80%という、不快指数100%だったのが、オークランド空港を出ると冷んやりとした空気に包まれた。す、涼しい、、、っていうか寒い。ああ、嬉しい。 オークランドからは

      • New Zealandがくれた宝もの 18 Fantail ファンテイル

        18 Fantail ファンテイル 朝、荷造りをしているとロッジの部屋の前に車が止った。 グラハムだった。 彼はたしか昨日、ウェリントンから戻って来ていたはずである。 「昨日も来てみたんだが、いなかったので。」グラハムは言った。 「申し分けない、ワイタハヌイへ行ってたんですよー。」私は答えた。 「ほう、で釣れたのか?」 「それが、5ポンドの銀ピカのレインボウが釣れて、、、、。」 「そりゃあ、たいしたもんだ。」グラハムの顔がほころんだ。 「それから、シンイチがウィティカウプール

        • New Zealandがくれた宝もの 17 Rock Pool 2nd day ロックプール2日目

           コーゾーはフィッシングガイドのトムと連れだって、朝からロトルアに出かける用事があり、今日は私たちに付き合うことができない。が、 「ワイタハヌイで魚をランディングするためには、ネットが必ず必要になりますから、私のを使ってください。」と、コーゾーが前日言っていたので、私たちはウィンザーロッジに寄って、ランディングネットを借りていくことにした。  河原の広いトンガリロとは違い、ワイタハヌイはブッシュが多い。 魚に走られてブッシュに入り込まれる前に、すばやく寄せてランディングしなけ

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        New Zealand がくれた宝もの 1 Hydoro Pool ハイドロプール

          New Zealandがくれた宝もの 16 Rock Pool 1th day ロックプール1日目

           コーゾーのおすすめポイント、ワイタハヌイリバーのミルプール、通称ロックプールへ。 川幅はほんの3mほどだが水深は2~3mと深いので、水は澄んでいるが底の様子はまったくわからない。 両岸には木が生い茂り、森の中をゆったりと流れている感じだ。  プールのちょうど真ん中あたりに一箇所だけ、流れの上に覆いかぶさるように岩が平たく突き出ていた。 そこに立って上のプールでも、下のプールでも、ウェーディングせずに狙えるという、コーゾーいわく「お立ち台プール」なのであった。  流れは一見ゆ

          New Zealandがくれた宝もの 16 Rock Pool 1th day ロックプール1日目

          New Zealandがくれた宝もの 15 Christal Broock クリスタルブロック

           翌日は朝からポカポカと暖かく、よいお天気だった。風もおだやかだ。 コーゾーを迎えに行き、釣りの前にランチを仕入れていくことにした。  タウランガタウポの近くにある、国道1号線沿いのドライブインに立ちよった。 店の半分はカフェ、半分はショップになっている。 今朝この店で作ったばかりのサンドイッチが、ケースの中に並んでいた。 スモークペッパーハムサンド、野菜サンド、ミートパイ、ラズベリーパイ、スコーンもある 。ウーン、どれにしようか。 その他スナックやジュースはもちろん、さすが

          New Zealandがくれた宝もの 15 Christal Broock クリスタルブロック

          New Zealandがくれた宝もの 14 Witahanui ワイタハヌイ

           ウィンザーロッジからワイタハヌイリバーまでは徒歩5分。 コーゾーは毎日、歩いてワイタハヌイに釣りに行っていた。 半年ほど通いつめたこの川は、彼のフェイバリットリバーだ。 河口に近い下流部は、釣り人が多いので中間のポイントから入った。 コーゾーにつづいて、川沿いの小道を歩いていく。 小道はいくつにも分かれていた。 ボーッと歩いていると迷ってしまいそうだ。  川というのは、自然にクネクネと流れのスジを変えていく。 まず、一筋の流れがあるとどこかの部分がカーブを描くようになる。

          New Zealandがくれた宝もの 14 Witahanui ワイタハヌイ

          New Zealandがくれた宝もの 13 Winzer Lodge ウィンザーロッジ

           ニュージーランドに来て間もない頃、フィッシングガイドのカンジ宅で出会った、コーゾーという青年がいた。 彼は、3年間勤めた繊維貿易会社を辞め、1年前にニュージーランドにやって来た。 そして、こちらで初めてフライフィッシングを覚えたという経歴の持ち主だ。  今ではすっかり、ニュージーランドとフライフィッシングが気にいってしまい、将来はこちらでフィッシングガイドをして暮らしたいという。 うらやましい話だ。  彼はツランギよりもずっとタウポ寄りの、ワイタハヌイリバーの河口にある街、

          New Zealandがくれた宝もの 13 Winzer Lodge ウィンザーロッジ

          New Zealandがくれた宝もの 12 Hitchhike ヒッチハイク

           シンイチもなんとか私に一匹釣らせようと、少し焦り始めていた。 このまま川で一匹も釣れずに、日本に帰るようなことにでもなれば、どれほど私が機嫌が悪くなるか想像がついたからだ。  今日も朝から曇り空、時降り小雨がチラつく中、ブレイカウェイプールでまず、シンイチが私をガイドした。 「あの辺の流れのたるみがよさそうだ。」 何投かキャストして、見事にストライク。魚は2回ほどジャンプを繰り返したが、私はロッドをホールドしたまま、ゆっくりと河原に後退りし魚を寄せた、、、、。 ところが、足

          New Zealandがくれた宝もの 12 Hitchhike ヒッチハイク

          New Zealandがくれた宝もの 11 Otamangakau オタマンガカウ

           私だけが、なかなか川で魚の姿が見れないので、ここはひとつ、友人が去年9ポンド80cmもの巨大レインボウを釣り上げたという実績のある、レイクオタマンガカウへ行ってみることにした。 ガイドブックにも、大物が釣れる穴場として紹介されている。 「これだ!これだ!」 私たちは、半分もう釣った気になって、コーフンしながら車を走らせた。  レイクオタマンガカウはツランギよりウェリントン側、つまり西側に位置する山上湖である。 周囲はなだらかな山に囲まれている。 ツランギから道は、すぐ山道

          New Zealandがくれた宝もの 11 Otamangakau オタマンガカウ

          New Zealandがくれた宝もの 10 Omori Stream オモリストリーム

           久しぶりに朝からよい天気。 先日のディナーのお礼と、明日からしばらくの間ウェリントンに行ってしまう、グラハムにあいさつに行った。  お昼前だったがグラハムは、これから朝食だったようで、キッチンに解凍中の食パンが立てかけてあった。 パンに先日の残りのローストビーフをはさんで食べるのだそうだ。 ローストビーフサンド。 グラハムはなにやらぶ厚いミステリー小説を、昨晩おそくまで読んでしまったので、遅い朝食となったようだ。  ツランギからウェリントンまでは、約500kmの道乗りだ。

          New Zealandがくれた宝もの 10 Omori Stream オモリストリーム

          New Zealandがくれた宝もの 9 Ray & Marry レイ&マリー

           今日は天気がよければランチを持って、徒歩でしかアクセスできないプールへグラハムと出かける約束だった。 が、朝から強い雨と風。しかたがないので、お昼頃タイイングセットを持って、グラハムの家に遊びに行った。  リビングに入ると、グラハムよりかなり年配の老人が、ソファーに腰掛けていた。 「He is Ray.」と、グラハムは紹介してくれた。 ナショナルバンク時代の同僚で、近所に住んでいるらしい。 「じゃ、また。」と、言ってレイはすぐに帰って行った。 せっかくのお客様のところ、おじ

          New Zealandがくれた宝もの 9 Ray & Marry レイ&マリー

          New Zealandがくれた宝もの 8 Fishing Guide Graham フィッシングガイド グラハム

           朝からすっきりしない灰色の空。 さっぱり魚がつれない、私の心の色のようだ。 季節の変わり目のせいだろうか、このところ天候が安定しない日が続く。 が、懲りずに今日もブレイカウェイプールへ。  パーキングには数台の車と、昨日のモーターホームが止っていた。 中にはまた奥さんがいて、書きものをしている。 仕事をしているのだろうか? 釣り支度をする私たちに気付いて、ニッコリ微笑んだ。  もう一台、4WD車がパーキングにとまった。 中からはいかにもブリティッシュないでたち、オイルドジ

          New Zealandがくれた宝もの 8 Fishing Guide Graham フィッシングガイド グラハム

          New Zealandがくれた宝もの 7 Friend フレンド

           ロッジに戻ると早速、ウェイテッドニンフを巻いた。 とりあえず、今日一日足りる分だけを巻き終えると、いざブレイカウェイプールへ。 15分で到着。 途中、断崖の上からブレイカウェイプールが一望できる。 今日は2人、先客がいた。  パーキングには、モーターホームとワゴン車がそれぞれ一台止っていた。 この辺りではキャンピングカーや、モーターホームを見るのは珍しくない。 週末には、皆これをガラガラと引っぱって、山へ、川へと遊びに行くのだ。 モーターホームの中には、女の人がテーブルの上

          New Zealandがくれた宝もの 7 Friend フレンド

          New Zealandがくれた宝もの 6 Heavy Weighted Nymph ヘビイウェイテッド ニンフ

           夕方、シンイチと2人でブレイカウェイプールに出かけた。 チェックのシャツにオイルドジャケットをはおった30才前後の釣り人が、すでに上流を流していた。 仕事を終えてからやってきた、地元の人だろうか? ニュージーランドでは、夕方5時にはピタリと仕事を終える。 釣り具屋もスーパーマーケットも5時きっかりには閉まってしまうのだ。  ツランギに住む釣り好きにとっては、たまらなく良いシステムだ。 5時きっかりには仕事が終わるということは、遅くとも5時半にはポイントに入ることが可能なのだ

          New Zealandがくれた宝もの 6 Heavy Weighted Nymph ヘビイウェイテッド ニンフ

          New Zealandがくれた宝もの 5 Witikaw Pool ウイティカウプール

           翌朝も小雨が降り続いていた。 7時にグラハムが車で、私たちのロッジまで迎えに来てくれた。 今日は、魚を釣るには、朝マズメがチャンスが大きいという、ウィティカウプールに連れて行ってくれることになった。 ブレイカウェイプールを通りすぎ、更に進むとブループールに出た。 そこには車が10台程駐車できるスペースがあり、そこから先へは歩きとなる。  川沿いの小道を15分ほど歩いて行くと、サンドプールがあり、その先に私たちの目指すウィティカウプールがあった。 このプールは全体にフラット

          New Zealandがくれた宝もの 5 Witikaw Pool ウイティカウプール