骨董商の町医者 [日記]
近所の整形外科に行った。確か口コミサイトで評判が良かったはず……と、うろ覚えでかかったのだが診察内容としては病院としては自分には難しいところだった。
しかし、診察室や待合室は面白いもので溢れていた。
ガラスケースに陳列された昔の薬袋や壺。重厚な木製の細かな抽斗が付いた箪笥。籐の籠、たくさんの振子時計、お能の面、色紙に描かれた夢二の絵(もったいないことに日焼けしていた)。ノリタケの花瓶はパーティションで区切られた隅の方で、窓に降ろされたシェードから漏れるささやかな光に煌めい