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【横断 #19】障害者採用市場を切り拓く起業家


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菅野 智文さん


 菅野さんは、約4年前に株式会社ここだなを起業し、就職活動支援、キャリア教育、そして障害のある学生の就職に関する情報発信などを行う活動『GATE-C』を手掛けている。


 菅野さんは、「働く」を中心に様々な事業領域を手掛けるグローバルカンパニーである株式会社リクルートで一貫して人材領域を歩み、就職ジャーナルの編集長まで務めた「働く」「キャリア」「就活」のプロだ。

 そんなリクルートの入社面接で菅野さんが訴えたことが、「(人の)目が変わる瞬間に立ち会いたい」。大学時代にボランティアとして知的障害者の作業所に出向き、共にレクリエーションに出かけたり、「自分に敵わないスピード」の作業を見たりする中で、意思疎通がうまくできない知的障害のある方でも「やりたいと思った瞬間に目が変わる」シーンを見てきたことが頭にあった。


 入社した後、高い事業性を求められる会社故に、必ずしも自分が障害者採用の領域に携われたわけではないし、社内でもその領域が多くの事業の中から大きな柱になることはなかった。

 「もともとやりたいと思っていた」障害者採用に携わることができたのは、独立・起業した後。大手化粧品メーカーの担当者から声がかかり、複数の企業と複数の大学を結びつけて「障害のある学生のキャリア支援」を考えるところからスタートした。そこから、冒頭でもご紹介した、障害のある学生の就職に関する情報発信などを行う活動『GATE-C』に育った。

 一方で、企業の多くには、障害者雇用は「お金を払ってまで取り組むことか」という感覚が拭えないことも事実だった。「お金をかけて採る構えは見えても、本気で採ろうとは思っていない」会社も見てきた。障害者採用市場は、菅野さんがプロとして長く関わってきた人材市場のように、まだまだ成熟していないのが現状だ。



 しかし、それでも菅野さんに「本腰を入れる」ことを決めさせたのは、障害のある学生当事者たちだった。「もっと『GATE-C』の企画を増やしてほしい」と声が上がり、利用する学生当事者は1年で2倍のペースで増えていった。

 そんな中には、海外経験があってTOEICでほぼ満点を取っている学生や、理系の研究論文を提出するほど優秀なのに就活で失敗して周囲と比べてしまい半年引きこもった子もいた。「障害があってもハイスペックな子がいることはあまり知られていない」と菅野さんが教えてくれた。

 菅野さんには、「(そんな学生を)知れば(企業も)変わる」確信があった。では、どうすれば、企業や社会が障害のある学生たちの個別性に「慣れる」ことができるのか。菅野さんは、障害のある学生「だけ」を支援するのではなく「支援者コミュニティ」を始めることを思い立ち、先月ローンチにこぎつけたばかりだ。


 まだまだ障害者採用のマーケットは小さい。学生の中には、障害があってもそれを表に出さずに就活し『GATE-C』にだけ悩みを打ち明ける子も多い。故に業界として大きなプレーヤーが参入せず、小さいプレーヤーだけで全体として成熟しないままになっている面もある。

 しかし、障害の理解が徐々に広まっていることで、菅野さんのもとには親御さんからの相談も増えているし、今の中学生は小学校の頃から自身の障害を自覚させるような教育環境で育っている。今から5から10年後にその子たちが大学生になれば、もっと障害がオープンになり、企業も本気で配慮せざるを得なくなる。そしたら市場は広がり、大きなプレーヤーも参入する。

 菅野さんはその時代を先取りして先頭に立っている起業家とも言えるだろう。儲ける以前にまず、障害のある学生当事者と日々対話し、その声を受けて粘り強く取り組む起業家にこそ、将来のマーケットを大きく獲ってほしい。





ここまで読んでくださった皆さまに‥


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