【しんけい #19】障害の課題解決こそ起業とイノベーション
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽
小野 克樹さん
小野さんは、原因不明の先天性の神経疾患で、ご自身の現在の状態は「電動車いすの操作不可、座位維持困難、筆記不可、呼吸不可、発話不可」になる。
今回お話をお聞きするにあたり、事前の質問にドキュメントで回答いただくとともに、直接お話しする際は、小野さんは頭で押すスイッチ操作のみでiPadを使いこなし、チャット形式で会話をした。
小野さんの疾患は進行性で、これまでの人生で、徐々に体の自由がきかなくなっていった。そして、その過程で「障害分野で解決されない不条理な課題」に直面してきた。
中学時代は電動車いすで過ごしながら、勉強の末に早稲田大学の付属高校に合格することができた。「その頃はまだ字を書くことができ、障害の程度が比較的軽かったので、そのようなチャンスを掴むことができた」
高校時代には、次第に筆記ができなくなり、18歳の頃には、呼吸すら困難になった。付属校から大学に進学できたが、もし「その時点で大学への入学を目指していたら、どの大学にも入れなかっただろう」と振り返る。
さらに大学院に進学した後は、「自力での呼吸が困難になり、進学した翌年には気管切開の手術を受けた」。そこから、就職をする頃には寝たきりの状態だったため、「従来の就職活動は困難を極めた」
こうした小野さんの就学や就労の過程から、何が読み解けるだろうか。
能力があることは間違いない。それでも、「試験や面接といった一律の評価基準が適用される場面では、ある程度以上重い障害がある場合、どうしても学校や会社に入ることが難しくなってしまう」。
さらに、仮に小野さんの進行が早かったらどうなっていたか。「発症する年齢によってチャンスの掴みやすさが大きく変わってしまう」
従来の就職が難しかった小野さんは、フリーランスとしてキャリアを積み上げることを選択し、さらに起業もした。小野さんはそれを「従来の雇用システムでは対応しきれない障害者の就労の一つの形態と言えると思います」と表現した。
さらに、起業に留まらず、メタバース空間などにおける障害者の新たな就労の形を提案したことで、総務省がICT分野において既存の枠にとらわれない破壊的なイノベーションを起こす人を支援する『異能vation』プログラムにも採択される。その後も、次世代イノベーター育成プログラム『始動Next Innovator』への採択や、日本全国から起業家を発掘する『UPDATE EARTH』への出展など、活躍の場を広げている。
「障害分野で解決されない不条理な課題の解決には、起業やイノベーションが最適」と話す小野さんの言葉には説得力がある。
小野さんは現在、企業から受託した案件をポテンシャルのある障害者に提供する事業を展開し、障害者に就労機会やスキル習得機会を創出している。「障害者のこれまでの経歴や障害の重さ」を見ることなく、その人が「特定の業務をクオリティを保ち期日を守り実行できているかだけ」を見ている。
さらに、小野さんが追い風に感じているのが、生成AIだ。その圧倒的な生産性を背景に、健常者と障害者の間に横たわる生産性の優劣ではなく、「生成AIを使いこなせるかどうかが問題で、障害者かどうかはあまり問題ではなくなりつつある」と感じている。将来的に「生成AIを使える障害者を増やしていくことで、障害者への常識を変えていける」と小野さんは期待を込める。
冒頭で、小野さんには事前の回答にドキュメントで回答いただいた旨を述べたが、そこでも、小野さんは対話型生成AI『Claude』を活用されていたと後で知った。回答は的確で、直接お話しする前に余裕をもってご提供いただいていたのだ。
よく考えると、小野さんが仰った「特定の業務をクオリティを保ち期日を守り実行できているか」そのものを実感したし、そこに「障害者のこれまでの経歴や障害の重さ」を考える余地はなかった。
単純に、一緒に仕事をしたいと思うやり取りだった。
小野さんは、当事者起点から障害分野での起業や新しいプロダクト・サービスに挑戦する人を増やすInclusive Hubにとって、学びの多い方だ。
「障害分野で解決されない不条理な課題の解決には、起業やイノベーションが最適」と話す小野さんのような挑戦者を全力で応援していきたい。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽