【こころ #78】障害児のケアと生活と仕事をまわすために
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三良 貴代美さん(後編)
(前編から続く)
障害のあるお子さんのケアと、生活、そして仕事のバランスをとることは容易ではない。
三良さんにとって、娘さんが小学校3年生で精神疾患を発症した当時、二人目の娘さんが生まれたばかりだった。生活面では、日々自宅で長女をケアする中で、まだ赤ん坊の次女は、両親に預けざるを得ず、愛情を注げない。仕事面でも、長女の面倒を見ながら”決められた時間に決められた場所に行く”類の仕事につけるのか。両親も次女の世話のために仕事を調整してくれている一方で、今後保育園に入れるには自分が働いている必要もある。
「この先どうなるのか不安しかなく、長女の発症を機に不幸のらせん階段を下に降りていっている感じでした」
「らせん階段を逆向きに上がる」ために三良さんが出した一つの答えは、精神障害者向けのグループホームを自ら開所・運営することだった。
グループホームであれば、自分の経験が活かせるのではないか。自分で仕事と生活の両立をコントロールし、ご両親も一緒に働くことも考えられる。「いつか娘が入れるホームになったらいい」という想いもあった。不安もあったが、自分と同じように困っている人が頼って来てくれるのだから迷惑はかけられないという思いで邁進し、現在定員は満員状態だ。
ケアで娘から離れられないときは一緒にグループホームに行くこともある。それでも「仕事ができたことで割り切れて、娘に過干渉にならない面もある。娘にとってもリハビリになっている」
ある時、おんぶを要求してくる娘さんをおんぶした際、娘さんが三良さんの耳元で「ママごめんな、わがまま言いたくないのに言ってしまうねん」とつぶやいたことがある。「ママに迷惑をかけているのはわかっている、でも自分ではどうにもならない」とでも伝えたそうなメッセージに、「奥の奥の方に本当の娘がいることを感じた」
三良さんは今、そんな娘さんを感じながら「一緒に頑張っています」
娘さんは現在、中学2年生になった。調子の良し悪しはもちろんある。でも、学校が大好きな娘さんのペースや状況に応じて、体育祭なども可能な形で極力参加している。
三良さんも現在、グループホームだけではなく、『精神科訪問看護師』として地域の家庭をまわっている。そこには「(精神疾患を患う)小中学生のお子さんも少なくない」が、家庭側でこうした訪問看護を利用できることを知らないケースも多い。
実際、前編でご紹介した、三良さんの娘さんと同じ学年で発症したお子さんをもつお母さんは、三良さんと違って精神疾患の知識がないままに、お子さんが警察に保護されて初めて疾患に気付いた。「初期に気付くことがすごく大事だし、それ以前に小さいお子さんでも精神疾患になり得ることを知ってほしい」
三良さんは、娘さんの体験やこうした活動も踏まえて、色々な場所で自身の経験を共有しながら「とにかくつながってくれたら、どうにか何とかできる」と呼びかける講演活動等もしている。
三良さんの一連の経験は、医療による診断の難しさ、当事者会の良い面悪い面、障害のある子をケアしながら生活や仕事のバランスをとるためのアクションや社会的リソースの活用など、どれも、「知らない」ことが事態を悪化させてしまう可能性を示唆している。
そんな「知らない」を防ぐ第一歩として、できるだけ多くの方に三良さんの経験を知ってほしい。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
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