見出し画像

【こころ #99】ひきこもりから踏み出すプログラミング講座


⭐ ファン登録のお願い ⭐

 Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。

 このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。

🔽 ファン登録はこちら 🔽



岡田秀一さん、太田敦さん


 ひきこもり当事者に対するプログラミング教育や、ホームページ・スマートフォンアプリの開発・制作を手掛ける株式会社ウチらめっちゃ細かいんで、通称『めちゃコマ』。
 この会社は、別でIT教育事業を手掛けていた社長の従兄弟二人がひきこもりだったものの、人は良いしパソコンが得意だったことに着想して始まったそう。
 それにしても、名前が面白すぎる。しかし、ふざけているわけではない。社名の由来は、ひきこもりの良さだ。



 「ひきこもりの人って、コミュニケーションが苦手な人が多い。なので、自分から案内を出すとか、なるべく相手から質問が返ってこないように工夫するんです。同じように、プログラミング講座のマニュアルを作ったら、良い意味ですごく細かいマニュアルを作ってくれたと聞いています」


 そう話す岡田さんは元ひきこもり、太田さんは元フリーター。お二人とも現在は『めちゃコマ』の正社員で、プログラミング講座の講師などを務める。


 岡田さんも「人間関係に気疲れする」タイプだった。しかし、それでも無理して合わせてきた疲れがたまり、大学を中退。その後、アルバイトなど就労はするが、「普通の生き方が自分に合わないことに気付かずに続けた」ことで、働くのと休むのを繰り返すようになり、「明確な原因はなく」30歳前半からひきこもっていった。
 40代を前にして、両親は就職しろ就職しろと繰り返す。「親の言うことは当たり前だとわかっていても、そこから動くエネルギーが起こらない。30代後半まで正社員経験がない自分が就職できるとは思えなかった」
 それでも両親に心情を打ち明け、厚生労働省の就労支援機関『サポステ(地域若者サポートステーション)』に通い、それでも就職することがまだ怖い中で「ひきこもり 
会社」と検索して出てきたのが、『めちゃコマ』だった。生徒としてプログラミング講座に通い、その後、講師になった。


 一方、太田さんは、ひきこもりだったわけではない。「イメージ的に自由な時間がない」正社員ではなく、フリーターを続けてきた。そんな中、リモートワークとITを掲げる『めちゃコマ』を見つける。
 通勤もなく自由な時間も取れそうだったし、プログラミング講座の値段も安かった。フリーター時代に塾講師の経験もあったため、講座を受講し終えると、プログラミング講師として正社員になった。


 岡田さんは、ひきこもりだった頃を振り返って、「当時なりたかった自分に、今なれている」と話す。なりたかった自分とは「40歳から経験0からでも安定して働けている自分」。
 でも、当時、そんな事例は見当たらなかった。「ひきこもり 40代」と検索すれば、「就職諦めろとか、ろくな情報が出てこなかった」。欲しかったのは、どういった経緯で働けるようになれたかという、前向きで「生きた情報」だった。今の岡田さんのような事例が、昔の岡田さんは欲しかった。


 そして、それ以上に、なりたい自分があっても、踏み出せない理由は自分自身だった。
 「どうでもいいことで悩んだり、不要なことばかり考えたり。自分のことをダメだと思いながらも、なんとかなるという感情もあった。そんな、いらないプライドがあると、人のアドバイスを素直に聞けない」
 ダメな自分の考えを一切捨てて、とりあえずやってみようと『サポステ』に踏み出したとき、「マイナス地点から0地点に場所が変わった。それが今の自分をつくっている」と話してくれた。


 ひきこもりではなかったが、『めちゃコマ』で多くのひきこもりの方と接点をもつようになった太田さんも「ひきこもりの方は、どうしても深刻に考えてしまう人が多い」と話す。 「(自分の場合)今までの人生で深刻になったことがなく、フリーターの時と変わらず、今も気楽に生きているだけ。だから、プライドとか嫉妬心もないかも」と話す太田さんは、ひきこもりの方に向けて、そんな周りを気にして深刻にならず、少し気楽になってもいいのでは?と投げかけているように聞こえた。
 だから、太田さんは、長くフリーターだったことも特に気にせず周囲に打ち明ける。


 そして今、「40歳から経験0からでも安定して働けている自分」になった岡田さんも、初対面の人に「10年ひきこもってたんで」と言うようになった。
 そして、岡田さんは、そう言える人が増えると、かつての自分のような人に必要な「生きた情報」が増え、一歩踏み出せる人も増えると考える。今では、仕事外でも、当事者の居場所や地域の家族会にも積極的に顔を出すなど、かつてのひきこもりの面影はもうない。


 今回お話をお聞きした岡田さんと太田さんの過去や考え方は、どちらかと言えば、反対に近いかもしれない。でも、かつての岡田さんのように悩む方は多く、そこから抜け出すには、岡田さんのような事例と、太田さんのようなスタンスの両方が必要だ。
 こんな風にひきこもりの人を受け止める会社。めっちゃ細かいどころか、めっちゃ
イイ。一度門を叩いてみてはどうだろうか。





ここまで読んでくださった皆さまに‥


⭐ ファン登録のお願い ⭐

 Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。

 このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。

🔽 ファン登録はこちら 🔽


⭐ Inclusive Hub とは ⭐


いいなと思ったら応援しよう!