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【みみ #33】ろう者の仕事・生活・教育面での天井や壁


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中野 聡子さん(後編)


前編から続く)


 障害当事者としての中野さんからも、「どこでも手話通訳が使えるようになったらいいのに」という声がもれる。「障害者差別解消法ができて以来、聞こえない人の情報のアクセスやコミュニケーション環境は本当に良くなった」と喜びつつも、課題はまだある。


 例えば、企業の障害者雇用は広がっているが、「障害者の管理職が増えているかというと、まだまだ」だ。たとえ障害者が健常者と同じ、またはそれ以上の能力を持っていたとしても「健常者の方が昇進できる」では、かつて男女雇用機会均等法施行後に言われてきた「見えない天井」と同じ議論になってしまう。中野さんご自身も博士号の取得後、多くの大学の教員ポストに応募する中で、「ろう者には他の人と同じように仕事を頼めない、逆に聴者の仕事が増えてしまう」といった採用への「見えない壁」を感じたことが一度や二度ではない。

 例えば、仕事で突然「明日会議します」と言われても、聴者は「ああ、わかりました」だが、ろう者は手話通訳者を探さないといけない、間に合わない、参加できない、となってしまう。さらに、専門的な内容を手話通訳できる手話通訳者が必要となれば、前述の通り、なおさら難しい。そして、手話通訳の費用は誰が負担するのかという問題がいつもつきまとう。


 生活面では、ろう者と聴者の電話によるやりとりをオペレーターが手話通訳でつなぐ『電話リレーサービス』が広がっているが、そこからさらに、「会議や窓口でのやりとりをタブレットから手話通訳を提供してくれるような遠隔手話通訳サービスも、もっと広がっていってほしい」と期待する。


 次世代の子供達への「インクルーシブ教育」でも、日本政府が国連から勧告されたように、日本の遅れは目立っている。聴覚障害児がインクルーシブ環境で学ぶ際には、手話通訳や要約筆記ができる支援員の配置を増やすなどの工夫も求められている。


 最近では、コンピュータによる深層学習を活用した手話翻訳や、AIによる手話認識を活用した手話単語学習など、テクノロジー面から手話環境をつくっていく取組みも国内外で始まっている。しかし、日本手話には顔の表情や体の向き、手指の空間位置の違いで文法を伝える要素があるなど、文単位の手話認識はまだまだ難しい面があるのが現状だ。

 中野さんは「今後期待したい」と力を込めるが、そこまでの間、手話通訳者不足の問題も待ったなしだ。社会課題を解決するのは、必ずしもテクノロジーだけではない。人手不足の時代に、課題解決の担い手の育成をどう広げていくか。中野さんの挑戦を聞き、そんな課題に挑戦する人が増えてほしい。





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