天気を表す文の主語はit? there?
Q: There will be a storm tonight.(今夜は嵐が来るだろう) という文章で、なぜ主語がitではなくthereになるのでしょうか?天気の時はitが主語と覚えたのに、thereの時もあるのですか?
ご質問ありがとうございます。たしかに文法書などでは、「天気はitで表す」という説明がされるかもしれません。でも、実はその限りではないのです。
ここではitとthereという二つの単語の意味を少し深堀して、ご質問にお答えしてみます。
itの意味と使い方
Itは、具体的なものを言い換えて「それ」という意味で使うことももちろんありますが、”漠然と全体の空気”を代名詞として受ける場合があります。天気の話をするときなどはまさにこれが当て当てはまり、itで指す全体の空気がどんな様子かを表す形で天気に言及します。例文を見てみましょう。
「全体の空気がどんな感じか?」を表す文として考えると天気以外にも、漠然と「楽しいね」という話題にも使えますね。
天気について話すときにitを使う場合、このitの「全体の空気」という意味を使って、sunny、rainyなどの形容詞、またit rains/ it snowsなどの動詞を用いて天気を表すという形で使います。
thereの意味と使い方
続いてthereの意味を確認しましょう。thereはずばり、「ものやイベントの存在を表す」ための代名詞です。
Thereは、存在を表すので、「どこかに何かがある」という意味が前提になります。天気に関する名詞を使って、「〇〇が起きる」という表現でイベント的に天気を表すときは、thereを使います(嵐が来る、雨が来る、など)。
台風や嵐などを、全体の空気の状態というよりも一つのイベントとして捉えていると考えると違いが見えてくるのではないでしょうか?こちらにitを使ってしまうと、「全体的な空気=嵐というもの」という構造になり、意味が通らなくなってしまうのです。
というわけで、冒頭のThere will be a storm tonightは、やはりthereの方が自然な言い方になります。Itを主語にしたい場合は、「全体的な空気が、嵐っぽくなる」という言い方にする必要があるので、It will be stormy tonight.にすれば通じます。日本語だと「今夜は嵐だ」で通じてしまうのですが、英語の前置詞もそれぞれ意味と使い方があって、細かい表現が可能になるということですね。
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