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ピンチをアドリブで乗り越える技 63/100(SWOT)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


「ピンチに強い精神力」の第四弾です。

今日は少し趣向を変えて、『SWOT Exercise』というものをご紹介しようと思います。

もしかしたら、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、役者としてどのように捉えて、活用しているかということも踏まえて、お話ししようと思います。

ピンチをピンチと捉えない、もしくはピンチに陥った時の耐性の強さには、今どれだけ自分のことを俯瞰して見ることができていて、ちゃんと地に足がついているかが影響されると思います。

私も、精神状態が不安定だったり、根無し草的な状態の時は、ピンチを感じやすかったり、それを乗り越える余裕がなかったりします。

イギリスの演劇学校で教えてもらった、精神安定ツールの一つが
『SWOT Exercise』です。

まず、大きめの紙と、ペンを用意します。

その紙にS、W、O、Tと4つの項目を書きます。

SはStrength

自分の長所だと思うことをできるだけ多く箇条書きにしてください。

誰に見せるわけでもないので、自画自賛、恥ずかしがらずに、できるだけ客観的な視点から、自分はこう見えているだろう、と想像しながら
得意だと思う事柄
持っている技術
恵まれている環境
など、もうこれ以上出てこないというぐらい、たくさん書き出してみます。

WはWeaknesses

今度は逆に、自分の短所を、やはり客観的な目線で書き出してみてください。

苦手だと思う事柄
不足している技術
恵まれていない環境
などです。

これらの中には、状況を変えたり、改善に取り組むことで、長所となる部分もあるでしょう。

「これは変えられるかな?」
などと考えながら書き出してみてください。

OはOpportunitiesです。

つまり、良い機会、好機、チャンスなどを書き出します。

これまでがあなたの内面的なことであったのに対し、この項目は、あなたの置かれている環境に、どのようなチャンスが転がっているかを考えてみます。

具体的に、何をどうすることで、状況を好転させることが出来るかに目を向けます。

今、何が出来るか、ですね。

TはThreats

社会があなたに与えている逆境についてです。

あなたが出来ることは殆どなくて、どうしようもない事柄たちです。
でも、これを書き出しておくと、見切りをつけることが出来ます。

真っ白な紙が、埋め尽くされるぐらいに書き出せましたか?

ここから、この4つの項目の関連性などをみていくと、色々と発見することもあるのですが、それはまた後日ご案内します。

基本的にはこうやって書き出すことに意味があります。

ちょっとしたピンチに陥った時から、人生最大のピンチに陥った時まで、さまざまな状況に活用することが可能です。

役者としては、一つの役があったときに、そのキャラクターにこのエキササイズを行うことによって、新たな気づきがあったり、置かれている状況が整理できたりします。
そして、そこから『Objective』が生まれるわけです。
(53/100参照)

いま自分は何を持っていて、
何がなくて、
どんなチャンスと逆境の前に立たされているのか?

自らを客観視して、冷静に俯瞰し、理論的に状況を捉える役に立つはずです!

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