ピンチをアドリブで乗り越える技 35/100(即興術03) -思考回転速度
自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。
思考回転速度を上げる
今日は、即興力を養うに必須の、ワードアソシエーションをご紹介します。
ルールは非常に簡単です。
まず何か最初の単語を決めます。
例えば、『バナナ』
そしたらそこから連想される単語を、考えていく。
それだけです。
バナナ
黄色
きりん
ビール
泡
石鹸
シャンプー
リンス
艶
肌
nothing
nothing
nothing
ほくろ
あと
nothing
火事
暖炉
毛布
って感じです。
しりとりではないので、何でもいいです。
でも重要なのは、テンポよくどんどん単語を羅列すること、何も出てこない時は「nothing」と言います。
面白い単語を言う必要もありません。「シャンプー → リンス」でも全く構わないのです。重要なのはそのスピードです。
動物としての「きりん」から、「麒麟」のビールを連想しても構いません。
頭に浮かんだ単語を、すぐに言葉にする。
その訓練です。
私たちは何か発言する時、脳内フィルターを通しがちです。
社会的に、世間的に、それを言っても良いか、場の空気を読んで、フィルターにかけてから発言してませんか?
一般的にはそれで構わないのですが、即興ではあまりよくありません。何故なら、そのフィルターは、自分の羞恥心や怯えから来ている場合が多いからです。
しっかりと状況を読み取るスキルがあれば、一番初めに脳内に浮かんだことが、正解なことが多いです。第六感のようなものでしょうか。
フィルターを取り除き、傾聴をし、勘を信じて、掴みにいく(22/100参照)ことが大事です。
ピンチに陥った時は、必ずしもこれが正しくはないかもしれませんね。ちゃんと熟考して発言した方が良い場合が多いでしょう。
でも、このエキササイズには、もうひとつ重要な効能があります。
思考回転速度アップ
テンポよく、次々と関連した単語を出す。
これだけで、思考速度は上がります。
即興では、観客よりも思考速度が速い必要があります。そうでなくては、観客に先を読まれてしまい、エンターテイメントとして不十分です。
観客よりも、先を走っていなくてはいけません!
同様の理由で、私たちは公演前の飲酒を禁止してました。
お酒が入ると、どうしても思考回路は鈍くなります。演者としては、お酒が入ることによって、フィルターが外れ、面白いことが言えていると思いがちですが、これは錯覚です。
飲みの席で、親父ギャグを連発して、上機嫌な人とかいるじゃないですか?でもシラフの人からみると興醒め。あの感じと同じです。
宴会でピンチを迎えることもあるでしょう、そんな時でも、他の誰よりも早い思考回路を維持できてたら有利かもしれません。
朝からどうしても、なんか思考がスローな日ってありますよね?なんとなく、ぼやぁ、っとしてる。(二日酔いで、といわけではなく!)
そんな時は、このワードアソシエーションをお試しください。
nothing
が、いくつ続いても構いません