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私の英国物語 Broadhurst Gardens NW6 (58) Financial Institutions, The City

金融機関が集中する the City。Moorgate Campus は、そのシティの中心に位置している。
"Afternoon lecture programme" に参加して、英国の経済、世界の金融経済を担う "the Bank of England" と "the London International Financial Futures and Options Exchange (LIFFE)" を見学した。
  
Moorgate Campus から Moorgate を歩いて15分ほど下ると、地下鉄とDocklands Light Railway (DLR) の駅 Bank の “roundel” (円形パネル)が見えてくる。 “Bank”という駅名は、もちろん、the Bank of England に由来する。

The Bank of England (公式名 the Governor and Company of the Bank of England) は、1694年、the Bank of England Charter により創設された。
当時、the War of the Grand Alliance (大同盟戦争)のもと、軍事力増強のための資金調達が急務となっていた。
The Bank of England は the City of London の Walbrook に創設された後、1734年、Threadneedle Street に移転され、その後、敷地を拡張していく。
  
 The Bank of England は、the Bank of England Act で制定された諸機能 (イングランドとウェールズにおける通貨発行、「政府の銀行」であり「銀行の銀行」であること、国債の登録、外国為替と金準備の管理等)をもって、通貨と金融の安定と維持、政府の経済政策支援を遂行する。

※英国の通貨は Scotland と Northern Ireland でも通用するが、それぞれ独自に紙幣が発行されている。
  Bank of Scotland
  Royal Bank of Scotland
  Clydesdale Bank
 
  Bank of Ireland
  Ulster Bank
 
The Bank of England は、“the Old Lady of Threadneedle Street” または “the Old Lady” と呼ばれている。
Threadneedle Street には、その昔、多くのお針子たちが住んでいたという。
  
古代ギリシャ建築様式の一つ "the Corinthian order" の見事な柱廊のファサードの奥には、銀行と博物館がある。 博物館では the Bank of England の歴史と成り立ち、通貨の見本などを見ることができる。 
ショップでは the Bank of England のロゴ入りペンなどが売られており、見学記念に絵葉書を数枚購入。
  
Threadneedle Street を挟んで向かいにある the Royal Exchange の中に the London International Financial Futures and Options Exchange (LIFFE)はある。
The Royal Exchange は、1571年1月23日、Queen Elizabeth I によって創設され、王室金融代理人として Sir Thomas Gresham は、その金融操作の手腕を大いに発揮した。
 
Gresham がデザインしたオリジナルの建物は、1666年9月の the Great Fire of London で焼失した。
その後再建された建物も1838年1月に焼失、現在に残る見事な柱廊の建物は、1844年10月28日、Queen Victoria の出席のもとオープニング・セレモニーが行なわれた。
Lombard Street 側には金色の "the Gresham Grasshopper" のエンブレムを見ることができる。

グレシャム家の紋章は、なぜ "Grasshopper" なのか。
古英語で "grass" (草) は "gres" と綴られた。それで、Gresham という姓にかけて、バッタをシンボルにしたのだろうといわれる。

The London International Financial Futures and Options Exchange (LIFFE) (ロンドン国際金融先物取引所) は、先物取引を行なう金融機関。 
1979年の通貨規制撤廃に乗じ、the Chicago Board of Trade と the Chicago Mercantile Exchange を参考に、1982年9月30日に創設された。
1993年、the London Traded Options Market (LTOM)と合併し、名称が "the London International Financial Futures and Options Exchange" となる。
1996年、the London Commodity Exchange (LCE)と合併し、金利先物、通貨先物、株価指数先物、国債先物、商品先物など幅広く取り扱っている。   
売買は “the Pit” とよばれる the trading floor (立会場)で、トレーダーによって声や hand signals を使って open outcry (公開セリ売買方式)で行なわれている。 トレーダーは、識別されるように色鮮やかなジャケットを着ており、見学室から白熱した取引の現場の様子を観ることができる。
見学記念の LIFFE 特製の卓上カレンダーを手に、世界経済を牽引するロンドンの金融市場はこうして動かされているのだと思いながら the City を後にした。   

2000年、トレーダーによって行なわれていた open outcry は、コスト削減、取引の拡大とグローバル化に伴う電子株式市場に対応するため、Automated Pit Trading (APT) LIFFE CONNECT へ移行された。白熱した取引は、コンピューターのスクリーンを通して行われることとなる。
2002年、LIFFE はフランスの Euronext によって買収され、Euronext.liffe とななった。その後、2007年4月、New York Stock Exchange と合併し、NYSE Euronext の傘下となった。現在、NYSE Euronext は、テムズ川沿い Cousin Lane にある。

LIFFE が移転した後の the Royal Exchange は、高級ブランド・ショップやレストランの入る複合施設となった。建物は、Grade I listed building (第1種指定建造物)に指定されている。   

The Bank of England の裏手には、1801年に創設された the London Stock Exchange があったが、1990年7月20日、IRA暫定派の仕掛けた爆弾によって建物が損傷された。事件の影響は大きく、見学者も減少し、1992年から一時、見学室は閉鎖された。 
2004年7月、新ロンドン証券取引所は、Threadneedle Street から St. Paul’s Cathedral 近くの三菱地所所有のアーバン開発地域 Paternoster Square に移転。Queen Elizabeth II と Duke of Edinburgh を迎えてオープニング・セレモニーが行なわれた。

複合施設となった the Royal Exchange には、"Fortnum & Mason" が支店を出しており、Piccadilly の本店と同じようにバーやレストランでドリンクや食事、ティータイムのお茶を楽しむことができる。
レストランを利用し、レシートを提示すれば、紅茶や雑貨が10%割引で購入できるサーヴィスも嬉しい。
"The Royal Exchange" に因んだ紅茶は、Malty Assam と Ceylon に Yunnan Golden Buds (雲南紅茶 黄金新芽) を加えた特別なブレンド・ティー。
2度の火災に見舞われたことに因んで、少しスモーキーなフレーバー。
缶にはグレシャム家の紋章がデザインされており、左上にバッタもいる。

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