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髪は男の命だからヘアブラシにはこだわりたい件

メンズファッション、というかミドルシニアのオヤジのファッションを語る際になかなか触れにくい話題が『薄毛』の問題で、とりわけ筆者のように若い頃から毛量が多くて毛質が硬くて髪全体がブイブイ唸っていた人種にとっては、『薄毛』の方の心持ちなど理解できないし、少なくとも安易におちょくったり気楽に語ったりしてはいけないものだと考えてきた。

唯一の例外は、中学高校の同級生で今も深い親交がある『クロちゃん』で、クロちゃんとは高校を卒業してからしばらく殆ど会う機会がなかったのだが、卒業から約20年ほど経過した2002年のある日、『アリスの活動再開』のニュースを契機に親父バンドをやってみたくなって久かた振りに連絡を取って待合せをした時に、私の前に現れた同級生クロちゃんの姿は『磯野波平』に変わり果てていたのだった。
当時、私は37歳だったから、恐らく同級生の彼も同じ37歳だったはずなので、運命の悪戯に無情を感じたものである。

ただ、そのクロちゃんが中高時代にも増して明るい性格で、自身の髪型を自分でイジっては周囲を楽しい雰囲気にしてくれたので、私の中で『ハゲた人は皆さん悲壮感にさいなまれているのではなく、ハゲなりにそれを自身の武器キャラとして人生を楽しんでいる』という新しい価値観が生じた瞬間であった。
(ついでに言うと、同じく中高同級生の『カテちゃん』も成人してから永らくカツラ生活だったが、アラフィーのある時に丸坊主にカミングアウトしてから性格が吹っ切れた感じ…)

それ以来、親父バンドのライブではクロちゃんに帽子を被らせて、メンバー紹介をする時にそれを取らせてドヨメキを起こさせ、さらには『ピアノ、クロちゃん!こう見えて同級生です!』と紹介しては笑いを取るという、失礼極まりないリーダーぶりを発揮してきた。

真ん中のキャップ姿がクロちゃん

果たして当のクロちゃんが、ニコニコと笑顔を振りまきながらもどんな心情で客席にお辞儀をし愛想を振り撒いていたのかは知る由もないが、分からないままに今も時々会ったりしている…。

そんな筆者が、一転して弱気になったのが先月初旬の福岡出張での出来事である。
その日は業務出張にかこつけて、くだんの親父バンドのもう一人のメンバーである『北九州のダブやん』と10数年振りの再会を果たしてきたのだが、そのダブやんと向かい合わせに座って、博多名物の『鉄鍋餃子』をつついている時に彼が言うことには、
『最近、生え際がめっきり後退してきてさぁ。前はこんな心配したことなかったのに、なんかヤバいと思うようになってきたよ…』

ダブやんもオデコは健在(笑)

そして言葉を続けるには…
『あれ? さすがにそっちも髪のボリューム減ってきたね。前はもっとグワァっと量があったように思ったけど…。なんか安心したよ(笑)』

これにはさすがにショックを受けて、というのも、毎朝歯磨きの後、鏡に向かってブラシで髪を整えるルーチンの中で、ブラシの抵抗が明らかに軽くなってきたり、或いはブラシの毛の先端が頭皮に当たる感覚が明らかに強くなってきたりと、思い当たるフシが多々あって悩み始めたこの頃だったのだ。

もっと言えば、先月のライブ活動で自分も久し振りにキャップを被ってみたのだが、明らかに数年前にそのキャップを購入した時よりもキャップのサイズ感が緩くなっている。
いや、違う、キャップが緩くなったのではなく、アタマがひと回り小さくなっているのだ。とはいえ頭蓋骨がそう簡単に縮小しないことを考えれば、毛髪のボリュームが半減している!
これは長かった髪を短く切ったからとかいう問題ではなく、明らかに髪のコシがなくなり、細くなって、髪全体がペシャンコになってきているのだ…

チンペイさんキャップがブカブカに…

今の住まいに転居してきてからもう10年の付き合いになる美容師のナガノさんが、最近、妙に『扱いやすくなった』だの『大人しくなった』だのと言っていたのはこのことだったのか!と、改めて落胆した次第。

さて、ここで一つの問題を想い出した。
15年ほど前の広島在勤時に天満屋だったか福屋だったかの催事場で衝動買いして、ずぅっと愛用しているヘアブラシがあるのだが、ブラシの毛の部分が半分の長さになってきて、どう見ても買い替えの時期を迎えていて、次も同じモデルを買うかどうかが大きな問題なのである。

そのブラシは、『ブラシの平野』というメーカーのB-2というモデルなのだが、『ブラシの平野』は1942年創業で、ヘアブラシのみならず洋服ブラシやボディブラシ、メイク用ブラシから歯ブラシまでを製造・販売する老舗メーカー。そしてB-2というのは、そのラインナップの中でも女性人気ナンバー1の、『縞黒檀ボディ』+『猪純毛』という『クシ通り強め』タイプのベストセラー商品。

ヘアブラシなんて100均のプラスティック製しか知らんわ!という男性諸氏は関心すらもないだろうが、実はヘアブラシには『猪毛』と『豚毛』の2種類があって、どちらも髪の手入れとして最適な素材(因みに『平野』さんでは歯ブラシも豚毛と馬毛を用意している…)。
両者の違いは髪や頭皮に対する当たりの強さで、毛量が多く髪質が硬く頭皮が強いタイプの方には『猪毛』が、逆に毛量が多くなく髪質が柔らかく頭皮が弱いタイプの方には『豚毛』が適しているとされているのだが、実は私がその天満屋だか福屋の催事場で何種類かを手に取って較べていた時に店主が、
『ご主人の髪なら、間違いなくこっち! 普通の人には薦めない、ご主人の髪だから猪毛で大型ハンドルのこれを是非!』
とエライ勢いでお薦めしてきたものだから、その自信に満ち溢れた言い方に圧倒されて衝動買いしてしまったという逸品。

で、確かにその後10年以上、クシ通りは良好だわ、頭皮のマッサージとしても心地良いわと、満足し毎朝愛用してきたそのブラシなのだが、ここへ来て猪毛が半分の長さになってきたのと、頭皮への刺激が強過ぎるように感じ始めたものだから、やっぱりそろそろ買い替えなのかなぁと悩んでいる次第である。

さて、あらためて同社のサイトを見ると、『猪毛』と『豚毛』の分類に加えてそのクシ通りランクが数種類あって、【最強】から【強め】・【やや強】・【弱め】と4段階に分かれている。
私が15年前にうまくおだてられて購入したこのB-2が【最強】かと思いきや、実はB-2は【強め】であってその上にはE-1E-3という【最強】モデルも存在している(最上級猪毛使用・手植え)。


いや、次回購入すべきは【最強】ではなくて、【強め】どころか【やや強】でいいのではないか?
それとも、やはり強さのランクを落とすのは自身の老化を認めるようで悔しいから、ここは見栄を張ってでも【強め】を維持するか?

素直に我が身の実情に合わせるか、つまらない虚栄を取るか、ここが思案のしどころ。
そうだ、あと1年でちょうど還暦を迎える。
その時の自分へのプレゼントとして、その時の髪や頭皮の実態に合ったタイプを選ぼう。
幸い、『ブラシの平野』さんは一年中、全国何処かのデパートやショッピングモールで推奨販売を開催されている。作り手の方に、客観的に選んでもらえば後悔はない。
ということで向こう1年、同社公式サイトで京都・大阪エリアの推奨販売のスケジュールをチェキラ!

※タイトル画像は某同人誌から拝借
※催事写真もイメージとして勝手に借用していますので不都合あればお知らせくださいませ。
※クロちゃん・ダブやんの写真はバンドリーダー権限でいつも勝手に貼ってます。

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