ガーメントバッグ選びは悩み抜いて欲しい件
先々週のこのブログで、「オヤジならブリーフケースとダレスバッグは持っておきたい件」と題して、①ブリーフバッグ(ブリーフケース)、②アタッシェケース(アタッシュケース)、③ダレスバッグの3種と、おまけで⑦メッセンジャーバッグについて紹介してみました。
実は、先週に私が書きたかったのはその4つではなくて、本当は今回の「ガーメントバッグ」について書きたかったのですが、そもそも「ガーメントバッグ」という名称があまり知られていない。
「ガーメントバッグ」は通勤用というよりは出張用で、ビジネスバッグの延長線上ではあるけれども、もう少し丁寧に説明すべきもの…、といろいろ考えているうちに、「そうだ、まずは通勤用ビジネスバッグのお話しからしておかなきゃ!」との想いで書いたのが先々週の記事でした。
その翌週、すぐに「ガーメントバッグ」について書こうとしていたのですが、石破茂さんが首相に決まって「だらし内閣」の写真が気になったものですから、先週は緊急で「だらし内閣」についてこき下ろしてみました。
というわけで、今回は晴れて、「ガーメントバッグ」のお話しです。
「ガーメントバッグ」ってどんなカバン?という方に、最初にその定義を説明しようとして Wikipediaを見たら、それがあまりにも分かりやすかったので、そのまま引用しておきます(笑)
はい、これでもイメージしにくい方の為に、一般的なガーメントバッグの画像を貼っておきますね。
まず、上記のガーメントバッグの定義に従えば、デパートやセレクトショップや、いやそんな見栄を張らなくても AOYAMAや AOKIといった紳士服量販店でも、スーツを購入した時に持ち帰り用に入れてくれる、ビニル製ないしは不織布製のスーツカバーを想像してもらえれば、それも立派なガーメントバッグではあります。
そう、簡易なハンガー(フックが折畳みか回転式)が付いていて二つ折りにして持って帰るやつ。
スーツを新調してからしばらくはその袋に入れたままの人も居れば、すぐに捨ててしまう人もいらっしゃるようで。残しておいても数年でボロボロ・ビリビリになりがちですし…(苦笑)
で、その簡易なスーツ収納袋をもう少ししっかりした造りにして、持ち運びに適した機能性と耐久性を持たせたものが、今回お話しします「ガーメントバッグ」です。
その前に、「ガーメントバッグ」の「ガーメント」とは?
ということですが、ガーメント(garment)=衣服・衣類の意味で服飾業界の用語ですね。因みに、これもよく使われる「ワードローブ」は、衣装ダンスや衣裳部屋の意味です。
ではその「ガーメントバッグ」をいつ使うか?
というと、主に国内出張時になりますね。
ただ、そもそもスーツ姿での通勤機会が減り、出張に「着替えの上着」を持参する機会が少なくなったこと、加えてコロナ禍で加速したリモート会議の普及により宿泊を伴う出張は激減しており、「ガーメントバッグ」の必要性を感じない昨今ですので、それを知らないビジネスマンが増えているのも致し方ありません…
それでも、例えば就業時間中に得意先の告別式に行く為に略礼服を持っていくとか、親戚の披露宴に向かうのに自宅から会場までは普段着で、会場に着いてから礼服に着替えたいとか、そういうシチュエーションはまだあり得ると思いますので、イケオジたる者、ちゃんとした「ガーメントバッグ」の1つくらいは持っておいても無駄ではないとお薦めしておきます。
ただしその「ガーメントバッグ」、そうそう登場頻度が高くないだけに一度購入すると買い替える機会も少ないので、ちょっとこだわって選んでみたいものですね。
そこで気を付けたいのが、ガーメントバッグ選びに於ける様々な「トレードオフ」をどう割り切っていくか?であります。
私が考えるに、その「トレードオフ」が4つほどあると思っております。
① 軽さと丈夫さ
手荷物は軽量至上主義の方にとって、最も軽いガーメントバッグは、イメージとして挙げた「スーツを買った時に入れてくれる薄手のビニルか不織布の二つ折り袋」ということになります。ただし、これではあまりにも耐久性がない。スーツの出し入れの都度、或いは何処かに引っ掛けただけでビリッと敗れてしまい、補修が利きません。
生地に丈夫さを求めるならば、ビニル製ではなく合皮(PVCレザー)製とか綿布製とか、或る程度はしっかりした厚手の生地が必要となり、自ずと重量が増します。
加えて、丈夫な生地にしたところで上部のハンガー部以外に骨組みがないと、バッグ自体が折れ曲がったりして、中のスーツもシワになったり変なクセがついたりしてしまいます。それを防ぐには、樹脂製ないしはアルミ製の堅牢なフレームが必要となり、その分、バッグの重量が嵩んできます。
つまり、軽いものはシワくちゃ、フレーム付きは重い!というトレードオフです。
② 大きさと機能性
手荷物はコンパクトであるべき!という考えの方にも、悩ましい問題があります。
ガーメントバッグは、「スーツやジャケットを持ち運ぶ」というミッションゆえハンガーを搭載しているものが多いのですが、バッグの横幅を抑える為に、ジャケットをタテ三つ折りにして収納するものがあります。シャツやセーターやカーデガンならばタテ三つ折りでも支障はないのですが、ビジネスジャケットには少なからず肩パッドや肩芯地が入っていて、それを三つ折りにするということはジャケットのシルエットを酷く痛めることになります。
(尤も、昨今流行りのセットアップスタイルでは、「アンコンジャケット」と称して芯地のない柔らかいジャケットも多いわけですが、その場合はそれほど気にしなくて良いかもしれません…)
いずれにせよ、サイズを抑えることを優先してジャケットの三つ折りを強いるタイプのバッグを選ぶか、ジャケットの型崩れを防ぐ為にたっぷりとした幅のあるものを選ぶか、これもトレードオフになります。
③ マチと重さ
ガーメントバッグに限らずバッグ全般に、大きなバッグにはたくさんのモノを入れがちで重くなり、小さなバッグにはあまりモノが入らないので軽く済むという、当たり前の原則があります。
市販の多くのガーメントバッグは1泊から2泊程度の宿泊出張を想定していますが、着替えたいのはスーツだけじゃなくて、いやスーツよりもむしろワイシャツや下着類の方が着替えを収納する必要があるわけです。
なので、ガーメントバッグにそうした収納力を持たせるほど、マチ(バッグの厚み=バッグをヨコ二つ折りにした時に中に入れられる空間)が大きくなってしまいます。
スーツ1着に加えて、欲張ってワイシャツ2枚、下着2セット、ネクタイ1本、化粧品*一式など入れていくと、もうガーメントバッグはパンパンに膨れてしまうわけです。そのパンパンを防ぐ為には、最初からある程度のマチ=収納力があるものを選ぶ。そうすると、そこそこ入ってしまうのでついついアレもコレもと入れたくなる。そうするとまたパンパンになって、片手で提げるには辛いくらいに重くなる…
無限ループですね(笑)
それを防ぐには、ある程度のマチは確保しながらも、余計なモノは入れずに最小限で済ませる割り切りが大事になってきます。
*因みにさきほどさらっと「化粧品」と書きましたが…
ビジネスホテルのアメニティに、自分に合うものが全て揃っているとは限りません。
イケオジを目指すなら、自前の整髪料に加えてシェイビング関連、洗顔後の化粧水等、最低限のグルーミングケミカルは自前で持参しましょう!
(私の場合は、上記に加えて綿棒と毛抜きは常備しております)
④ デザインと価格
さて、上記のトレードオフ条件を満たした上で、あとはデザインと価格の問題が残りますね。
ここはもう、ご自身の感性と予算枠で選んでください。
5千円以内に抑えたいのか、1万円以上出せるのか?
いかにも安っぽいもので充分か、大人としてシックなデザインを探したいか?
Amazonのお薦めに出てくるノーブランド品か、ハイブランドのロゴ入りか?
一生に何度も買い替えるものではありませんが、ここぞ!という時に自分の気分がアガルものを選んでおけば、面倒な出張も少しは楽しく感じられるかもしかもしれませんね!
かくいう私の、生涯3つめのガーメントバッグはこちらです。
Amazon.comで意外と安く買えました。ご参考まで…