コワモテのクルマの顔つきは、心理学に基づいて理に叶っている件
木曜日はクルマ談義の日。
ネットに『最近の新車は怒った顔つきが多い』といった記事がありました
正面から見た時に、両目が釣り上がってちょっと怒っているような表情のクルマがありますね。
愛嬌のあるクルマが真ん丸の愛らしいライトであるのに比べて、スポーティなクルマはちょっとコワモテが多いような気がします。
クルマの正面を人間の顔と認識し、ヘッドライトを両目、ナンバープレート辺りを口と見做すという暗黙の了解があります。
心理学の用語で説明するならば、『シミュラクラ現象』といいます。
人は3つの点が逆三角形に配置されていると人間(或いは動物)の顔に見えてしまう、という錯覚や本能のこと。
例えば家屋の窓が2つあってその中央下に玄関があるとか、電源コンセントにアースの穴があるとか、日常の中で結構出逢う機会もあります。
話しをクルマに戻すと、初期のクルマのヘッドライトは照明メーカー(PIAAとかHELLA等)が用意した既製品から、必要な照度のものを選んで組み込んでいました。
どのクルマにも正円形のライトが左右に鎮座している感じ。
その後、ハロゲン電球が発明されると、正円形だけでなく四角形や楕円形など車体に合わせた造形となり、クルマの顔としての表現力がアップしてきます。
ハロゲン球の時代から、1991年に BMWが HIDランプを採用!
ガラス玉みたいな電球で、青白いビームを発するやつです。これによりヘッドライトの上下幅が狭くなり、顔に例えて言えば切れ長の目になりました(HIDはディスチャージ、キセノンライトとも表記されますが、3者は全く同じもの)。
2007年にはいよいよ LEXUSが LEDヘッドライトを実装。
これにより光源はさらに極小化し、省電力化だけでなくヘッドライト廻りのデザインの自由度が増します。
そして現代のトレンドは、左右に細くボディと一体化してちょっと両端が切れあがった目つき。
さて、話しを『怒った顔』に戻しましょう。
人間の脳は、友好的な笑顔よりも、攻撃的な顔をより早く認知すると言われています。
いち早く敵を発見して、戦闘か逃避かを瞬時に判断する為の防衛本能です。
従って交通安全の観点から述べれば、クルマの顔が攻撃的であるということは、それだけ発見が早く、衝突回避に役立つということなのかもしれません。
いや、そういう効果を狙っているに違いない!
知らんけど(苦笑)