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知らぬ間に「MINI」ではなく「MINI COOPER」になっていた件

11/9(土)のクルマ関連の投稿で、
「ここ最近のニュースから気になったトピックスを3回に分けて(中略)書いておきたいと思います」
などと表明しておきながら、前回はたこ焼きについて語り、前々回は石破首相のネクタイをこきおろしてましたもので、クルマネタに戻します。

と言いつつ、クルマ、とりわけ輸入車ファンの方ならとっくに気付いていらっしゃるお話し。え?今さら?という誹りは承知の上での新事実です。

1959年にイギリスで生まれた名車「MINI」。
製造メーカーは「BMC (British Motor Corporation)」で、当初は「オースチンミニ」と「モーリスミニ」という2種類の名称(オースチンとモーリスは、●●トヨタとトヨペット●●のように販売ディーラーの名前)でスタートし、1982年には製造メーカーが BMCから「オースチンローバー」に変更。1989年に「オースチンローバー」が「ローバー」に変更された為、「ローバーミニ」という呼称になりました。

1994年にドイツBMW社がローバーを買収し、MINIブランドの建て直しに着手。
2001年に全く新しい車種として、現在の MINIが登場しています。
もう23年も前のことになるんですねぇ…

市場では新旧両者を区別する為に、BMC製を「クラシックミニ」や「ローバーミニ」、BMW製を「ニューミニ」や「BMWミニ」等と呼ぶこともありますが、今やクラシックミニは文字通りクラシックカーの範疇に入りつつあり、一般に MINIといえば BMW製を指すようになりました。
ボディサイズやデザイン以外に両者の違いといえば、イギリス車である「クラシックミニ」はポンド・ヤードモジュール、ドイツ車である「BMWミニ」はメートルモジュールで設計されていることもポイントかと思います(工具やパーツが共用できない…)。

さて、ここまでが前置きとして、私が驚いたニュースはここからです。

クルマオタクの「あるあるネタ」ですが、奥さんが
「お隣りさん、車を買い替えて『ミニクーパー』を買ったみたいよ」
「『ミニクーパー』じゃなくて、『ミニ』でしょ!『ミニクーパー』は『ミニ』の中の上級グレードの名前で、全部が全部、『クーパー』じゃないから!」
というやり取りがよくネタに上がります。

クルマ自体にさほど詳しくない女性陣が、
「『ミニクーパー』って可愛いよね~」
などと言おうものなら、
「だからぁ、たしかに『ミニ』は可愛いけど、それが『クーパー』かどうかなんて知らないんでしょ!」
と、どうでもいい指摘をしたくてうずうずしていた日々…

それが、どうやら今は、間違えているのは私の方だったらしいのです。

少なくとも2023年モデルに於いては、BMW社がリリースする『MINI』は、最廉価版が「MINI ONE」でその上級版が「MINI COOPER」、高性能モデルが「MINI COOPER S」、さらにスペシャルなエンジンを積んだ「JOHN COOPER WORKS」といったラインナップで、確かに「COOPER」は上級グレードを示す “符牒” のようなものでした。
それが…
2024年3月のモデルチェンジから、ブランドそのものが『MINI』から『MINI COOPER』に変更されていたのです!

もうかれこれ半年以上も前から、
「オレ、ミニが欲しいねん!」ではなく、
「オレ、ミニクーパー欲しいねん!」になっている…
今年からは「ミニ」と呼ぶ方が間違いで、「ミニクーパー」が正解!ということに。

その名称変更の意図は、BMW社から明確に発信されていません。
単に、「なんか、みんなが『ミニクーパー』って呼んでるから、もう全部それでいんじゃね?」的な発想で変えてしまった…、というのもあながち冗談でもなさそうなのです。

尤も、「MINI」は固有名詞である前に「小さい」という一般的な形容詞ですし、2001年に登場した BMW MINIはもはやけっしてミニサイズでもありませんので、世間で通りのよい「MINI COOPER」をブランド名として確定したのでは?という察しはつきそうです。

(参考)クラシックミニ最終版と、BMWミニのボディサイズ
・クラシックミニ(2000年) 全長308cm×全幅153cm×全高133cm
・BMW MIN I初代(2001-2006年) 全長363cm×全幅169cm×全高143cm
・BMW MINI 最新(2023年-) 全長382cm×全幅173cm×全高142cm
(2007年には全幅が170cmを超えたので、「5ナンバー枠」から「3ナンバー」となっている)
・BMW MINI COOPER CLUBMAN 全長428cm×全幅180cm×全高147cm
・BMW MINI COOPER CROSSOVER 全長432cm×全幅182cm×全高160cm

※ネット情報で多く見られる数値からcm単位に丸めている
※この写真は現行5ドアと旧3ドアの比較なので適切ではないとは思いますが…

さて、そのブランド名称にも昇格した「COOPER」ですが、元を正せば1950年代のF1を席捲した英国人エンジニアであるジョン・クーパー(John Newton Cooper)氏のお名前です。
クーパー氏は元祖ミニの設計者アレック・イシゴニスの友人で、市販車のノーマルミニをチューンナップしてはスポーティモデルとして販売していました。
今で言うと、メルセデスベンツに対する AMG、BMWにとっての ALPINA、日産にとっての NISIMO、トヨタにとっての TRDや GR Garageみたいな感じでしょうか…

それが約70年後の現代、自身の名前がついたブランドとして世界中の自動車ファンに愛されている。エンジン屋冥利に尽きるのではと、想いを巡らせております。

因みに…
もし宝くじで5億円が当たったら…という野暮な妄想で申しますと、現実的に欲しいのが、こちらの「MINI CONVERTIBLE」であります。
上代たったの464万円、当選金の1%で買えちゃいます!

※2025春発売予定・第4世代 MINI COOPER CONVERTIBLE

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