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社会人の着こなしルールは新人のうちに身につけて欲しい件 ~その1『バッテン族』~

さて先週、『生兵法はケガの元』と言いつつも、『新入社員の着こなしについて言いたい事を書きたい!』と宣言してしまいました。
そう、言いたい事が、ヤマほどあります(笑)
前回書いたとおり、ほんの数週間もすれば先輩社員に注意されてすぐに修正されるだろうものから、肝心の先輩や上司も分かっていないが故に延々と誤ったまま継続されるものまで、気にしたらキリがないくらいに突っ込んでいきたいと思います。
これは取りも直さず、新入社員に向けてと優しく言いながらも、ええ加減にキャリアを積んだ中堅や年配の方にも注意指導したいことばかりです。

私が書きたい、そうした過ちって、ざっとどんなものがあるのだろう?
思い付くままに挙げてみます。

1.バッテン族を撲滅したい
2.一番下のボタンは絶対に留めないで
3.黒いスーツは就活と冠婚葬祭のみで
4.2着目・3着目のスーツは何を買うか
5.じゃ、シャツは何を買うか
6.ネクタイはエクボ作ってしっかり上まで
7.皮革アイテムは色合わせ・素材合わせが命
8.スラックスのシワはあり得ない
9.ノータイならスーツよりもジャケパンで
10.小物・アクセ・光りモノの〇と×
11.バッグと靴
12.時計と眼鏡
13.…

1週間に1つずつ採り上げるとして、3ヶ月はもちますね(笑)
ただ途中で旬な話題やどうしても他に書きたいことも出てくるんだろうなぁ。
どうなるか分かりませんが、取り敢えず上から順にいきますか。
では早速さらっと第1回、
バッテン族を撲滅したい!』の巻です。

『バッテン族』は毎年11月頃、これから本格的に寒くなろうかという時期に、買ったばかりのおニューのコートを着始める時によく見る光景です。
購入したばかりのコートでは、裾の切れ込み部分(ベントと呼びます)に、布が捲れてヘンな癖が付かないよう✕形状の躾糸しつけいとが縫い付けてあることがよくあります。あくまで、展示や配送に際してのクセ防止の為の糸ですので、それを除去してから着用するのですが、糸を切り忘れて(或いは除去すべきという事さえ知らずに)そのまま着用している人が一定数居ます。
躾糸は、その存在を目立ちやすくするように敢えて生地とは違う色の糸を用いて✕に縫ってあるのですが、それを逆にアクセントカラー(差し色)と勘違いしてそのままにしている人さえ居るようです。

少し前に『タグ付け禁止で~す!(笑)』というコラムを書きましたが、結局、考え方は同じですね。買っていた衣類についているフダや糸を、捨ててもいいのかどうかが分からない。折角だからそのまま付けておこう!という考え方…。

それと同様の『切り忘れ』を、春にスーツやジャケットを新調した時にやってしまうのが、『春のバッテン族』です。
学生時代に就活用として黒いスーツは買ったものの、先輩に訊けば『あれは就活専用であって、入社式には紺色のを買わなきゃ』と言われた新人クン達。初出勤用に新しいスーツを買ったものの、やはりコートと同様に後方の切れ込みにある躾糸を除去することを知らず、そのまま出勤してくる新人クンが必ず数名は現れるわけです。
最近はダブルブレストのスーツは流行りではありませんし、新人でダブルを着てくる人も少ないとは思いますが、ダブルの場合は切れ込みが左右にある為(この場合、センターベントではなくサイドベンツと複数形で呼びます)、✕を2つ残しての出勤姿となってしまいます。

躾糸は、ベントだけとは限りません。
モノによっては、サイドポケット胸ポケットがしっかり縫い付けてあるものもあって、果たして切ってしまってよいものか悩む場合さえあります。ポケットの躾糸は敢えて同色系の糸で目立たないようにしてあることが多いようで、なおさらです。
結果的には、スーツやジャケットのポケットに入れてよいものはポケットチーフだけですので、胸ポケットの躾糸は切ってしまうべきとしても、サイドポケットの躾糸はそのままにしておく方が、ジャケットの型崩れ防止の為にも良いのかもしれません。
ポケットと見れば、ハンカチやポケットティッシュ、レシートや小銭まで何でも放り込んでしまいたくなる人にとっては、いっそのこと躾糸で閉じられている方が都合良いのかもしれませんね。

因みに、芸能人、特に演歌系歌手のディナーショウ等に行くと、歌いながら客席を練り歩く歌手に歩み寄って、お捻り(万札が多い?)をポケットに捻じ込もうとするご婦人がいらっしゃいます。歌手の着ているスーツ、得てしてラメやスパンコールの入った派手なスーツは、あくまで衣装であって実用的・機能的なものではないので、ポケットは見た目だけのダミーになっていることが多々あります。そうとは知らずに一生懸命に万札を押し込むわけですが、入れるところがないので歌手が困惑しながら受け取っています(苦笑)

さて、教訓です。
買ったばかりのスーツ・コートは、躾糸が仕込まれていないかをよく確認し、生地を傷めないように丁寧に慎重に切って取り除いてから、デビューさせるべし。
意外と中堅どころでもやらかしてますよ。

※画像は、はてなブログ'18/03/02 bearpondさんのブログからお借りしました。

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