ＭＴ免許が絶滅危惧種になりつつある件
ここ最近、自身の還暦祝のバイクを買うことでワクワクソワソワして、四輪車ネタが疎かになっております。と言いつつも自動車関係のネットニュースはチェックしていますので、最近、気になった話題から。
この４月から自動車教習所に於いてＡＴ（オートマチック・トランスミッション車）教習がデフォルトとなり、ＭＴ（マニュアル・トランスミッション車）教習がオプション扱いになるそうです。
はぁ？(苦笑)
現状では、
● ＭＴ免許教習は、教習所構内も路上教習/検定もＭＴ車両。途中、ＡＴ車両の体験教習がある。
● ＡＴ免許教習は、教習所構内も路上教習/検定もＡＴ車両。途中、ＭＴ車両は一切触らない。
だったわけですが、前者のＭＴ免許が４月から以下のように変わるのだとか。
●ＭＴ免許教習は、教習所構内も路上教習/検定もＡＴ車両で実施し、ＡＴ教習を修了後に、追加で４単位のＭＴ教習を受ける。
今や一般の自家用車に於いては新規登録の 98％がＡＴ車であり、ＭＴ車を探そうにも、新車だと見つからない。ＭＴはごく一部のスポーツタイプや低年式の中古車など、趣味性の高い車種にしか設定がありません。今やフェラーリやポルシェといった「スーパーカー」ですら、ＡＴ（正確には DCT＝Dual Clutch Transmission）が標準になっています。
それでも、いざという時の為に？「上位互換」としてＭＴ免許を取得する人は一定数存在しますが、その比率は全体で約３割。地方では４割弱ですが、都心部に於いては２割程度にまで減少しているようです。
現在のＡＴ免許は1991年（当時筆者26歳）に創設されたもので、それまでは運転免許といえば当たり前にＭＴ免許でした。いわゆる「マニュアル車（関西の一部では「ミッション車」と呼ぶ）」が主流であり、オートマ車は大抵が３速しかなくて変速ショックも大きく、なんとなく「運転が得意でない女性向け」といったイメージ。
世の中に「ジェンダー差別」とか「アンコンシャス・バイアス」といった観念もなく、「男のくせにオートマ乗ってて恥ずかしくないのか？」とか「女やのにマニュアル乗れるの！」みたいな風潮もありました。
私自身がそんな常識の中で免許を取得した世代ですので、８年前に長女が運転免許を取る時には「ＡＴ免許でええやん！」と言い、３年前に長男が免許を取る時には「絶対、ＭＴにしておけ！何かの時に使うから！」と言い聞かせて、ＭＴ免許を取得させました。
今や時代は完全にＡＴ車デフォルトとなり、６段とか７段変速でギクシャク感もなく、STOP & GO の多い日本の道路事情にはＡＴ車の方が適しています。長男には、ＭＴ免許を薦めておいて感謝されるどころか、「何かの時っていつよ！」と言われる始末で…
かく言う私自身も最初のクルマこそＭＴ車でしたが、その後はＡＴ車しか乗っていません。
ちょうど 2000年頃でしたか自家用車で休日出勤したら、先輩の NISSAN SKYLINE が駐めてあって。少し詰めたら２台置けるので先輩に「動かしてもらえませんか？」と頼んだわけです。そしたら「動かしといて！」とキーを投げ渡されたのですが、乗り込んでビックリ、久々に見るＭＴ車のシフトレバーでした。
しかも、かなりの旧車でクラッチが重く（パワステもない！）、恥ずかしながら５回、エンストです。左脚のフクラハギが攣りそうになりながら、ナントカ移動させました。
この経験があるので長男にはＭＴ免許を薦めたわけですが、今どきはそんな先輩も居ないかと…
ただ不安を感じるのは、前述のとおりＭＴ教習はＡＴ教習の履修後に４時間ほど練習するのですが、ＭＴの鬼門とも言える「半クラ（クラッチミート）」が４時間で習得できるのか？
あと、クルマを制御するのに不可欠な知識や技術として「エンジンブレーキ」、そして雪道や砂利道やぬかるみで有効な「セカンド発進」。こういったテクニックは、ＭＴ教習でその仕組みを頭と身体で体感してこそ理解できるものです。
「エンスト」という言葉が死語になる時期も近そうですね…
それと、頻発している高齢者の「踏み間違いによる誤発進」。
ＭＴ車なら間違いなくエンストしますので、高齢者こそＭＴ車を義務づけるべきだと思ったりもしています。
最後に…
私が取得した頃の教習料金は「年齢×１万円」が相場、20歳だったら約20万円でした。さらに私は山陰エリアの温泉旅館での合宿でしたので、総額で約16万円だったかと記憶しています。
今回、近所の自動車教習所を調べてみたら、だいたい 30～35万円なんですね…
これじゃ、学生のバイト代では通えない。クルマ離れが加速するわけです…
兎に角、ドライバー全体の技量と安全マインドが高まるような免許制度を切望しております
※タイトルのサムネ画像は、Porsche BOXTERのシフトノブ。H-SPORT BROG 2022/2/7より借用。
※年初より文字数削減に取り組んでおりますが、今回も1,750文字と目標値に収まりました。
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