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オヤジならブリーフケースとダレスバッグは持っておきたい件

メンズトラッドの視点で語るならば、オヤジが持っておくべきビジネスバッグの種類として次の3種類を挙げておきます。

①     ブリーフバッグ(ブリーフケース)
②     アタッシェケース(アタッシュケース)
③     ダレスバッグ

この3種は元々、通勤にもごく一般的だったバッグですが、昨今ではカジュアルバッグの範疇から次の3種類もビジネスバッグとしてすっかり市民権を得ています。

④     トートバッグ
⑤     3wayナイロンビジネスバッグ
⑥     リュック型ビジネスバッグ(リュックサックではない)

あともう一つ、個人的に追加したいバッグがありまして、それについては後ほどお話しします。
⑦    (のちほど)

実際のところ、①のブリーフケースは就職活動等でも健在ではあるものの、②のアタッシェケースと③のダレスバッグは最近ではとんど見掛けず、④⑤⑥の3者が当たり前になってきましたね。
今までのブログでも④~⑥については再三述べてきましたので、今回は基本に返って①②③についてつらつら書いてみたいと思います。

冒頭の「ブリーフバッグ」は元々、「弁護士が裁判所に提示する訴訟事件摘要所(brief)を持ち運ぶ為の薄型のバッグ」という意味で(所説あり)、A4サイズの書類ファイルが収納できる薄手のレザーバッグです。ノートPCやタブレット、その他のガシェットを格納することは考えておらず、まさに(元々は)エグゼクティブの為のビジネスバッグです。
私が新入社員の頃に読んでいたファッション雑誌では、「ビジネスバッグは役員や部長など上級の役職者ほど薄くなる(=下位ほど大量の持ち物が必要でカバンも分厚くなる)」と書かれていて、「そっか、部長にもなれば日経新聞と数枚の書類が入れば充分なので、薄いカバンでいいんだな」と妙に納得し、憧れておりました。

「ブリーフ」というと「男性下着パンツ」のイメージが付き纏いますが、下着の場合も「(股下が)短い」という意味ですので、あながち無関係ではないような気もしますね。
新幹線が停車駅に近づいた時にも、"We will soon make a brief stop at Nagoya."とかアナウンスが流れますが、その briefも一緒でしょう。

厚み(マチ)が数センチしかありませんので、自立しないものが多いですが、辛うじて自立するものもあります。
ショルダーストラップが附属する場合が多く、ショルダー式にすると改札等で手が空くメリットはありますが、やはり手持ちにした方がサマになります。

私のファッションブログはミドル&シニアのオヤジ対象には考えているものの、そう言えば、先述のとおり就職活動中の学生さんが最初に買うのも、ブリーフケースですね。
就活には、ちょっとした書類や冊子が入ればさほどの収納力も求められず、シンプルなデザインの方が好まれるでしょうから…

筆者個人所有のブリーフバッグのうち現役の2つ。奥は kitamuraさん(黒レザーに緑糸ステッチ)、手前はCOACHのダークネイビー。

2番目は「アタッシェケース」です。
1950-60年代のアメリカ映画で、マフィアが闇金の取引きに使っていたイメージくらいしか思い付かないかもしれませんね。
バブル期にいっとき、Zero Halliburtonゼロ ハリバートンのアタッシェが流行ったことがありますが、今でも根強いファンが少なくありません(現在は10数万円~)。
1969年のアポロ計画で、月の石を採集して格納するケース(月面採取標本格納器)を手掛けたことで、その堅牢性とデザイン性が一躍世界規模で有名になりました。その色目からジュラルミン製と書かれた記事もありますが、実際には「ダブルリブ」デザインが施されたアルミ製です。
「アタッシュケース」と表記されることも多いようですが、元々はフランス語で、“attaché”=大使館で働く駐在員や書記官などを表す言葉から来ています。ただ、古くからアメリカでは「アタッシュ」と発音する人が多いので、どちらも間違いではないというのが結論です。

言わずと知れたゼロハリ!

話しがどんどん逸れますが、アルフィーの高見沢俊彦タカミィさんがエレキギター用のハードケースをゼロハリバートン社に誂え発注したものの、持ち運ぶにはその重量に耐えられず保管用になってしまったとい逸話を聞いたことがあります…

筆者個人所有の茶色レザーアタッシェ。昭和期の古いものだがメーカー不詳。

③のダレスバッグ、
名称は聞いたことないかもしれませんが、「ドクターズバッグ」という別称のとおり、医者が往診の時に使うイメージの大容量バッグです。或いは、洋画の中では弁護士や銀行員等も使用しているシーンが見られます。
上部が半円状のガマ口になっているのが特徴で、充分なマチがあって自立性もあります。

ココマイスターさんのブライドルレザー・ダレス

ダレスバッグと似た形状で、「パイロットバッグ」というスクエアなものもあります。
文字通りパイロットが愛用しているほか、身近なところでは鉄道の運転手もよくこのバッグを提げて電車の運転席に乗り込んでいます(鉄道会社による)。

さて、私はこれまで上述の①②③の3タイプとも複数ずつ所有してきて、通勤に愛用してきました。
個人的には③のダレスバッグが大好きで、自身の就職祝いに買ったBurberryの黒のダレスを35年以上も愛用しているほか、北海道の馬具専門メーカーSOMES社のナチュラルカラーのダレスも所有しています。
満員電車や長期出張では使いにくいものの、ダレスを提げて闊歩している自分が大好きなもので…(苦笑)

筆者個人所有のダレスバッグ2つ。奥は北海道ソメスサドル社のナチュラルレザー。手前は新入社員の時に自分へのプレゼントに購入したバーバリーの黒シボレザー。

さて、今回は④⑤⑥は省略させていただき、⑦の「もう一つ」について紹介しておきます。
何故に「もう一つ」なのかと言うと、ネットで「メンズの通勤バッグ」を調べた折にこれを紹介している記事がなかなかなく、昨今は忘れ去られつつある存在なので、個人的に拾っておきたいわけです。

その「もう一つ」は、「メッセンジャーバッグ」です。
元々は、メッセンジャー=アメリカ等で郵便局に頼むよりも速く自転車で顧客に書類を届けてくれる配達人が、肩から提げていたフラップ式のショルダー斜め掛けバッグです。
メッセンジャーという仕事自体は、日本でも「バイク即配」等のサービスがありますが、自転車でとなるとこの手の斜め掛けショルダータイプが重宝されたわけですね。
尤も、リュック全盛の昨今では、斜め掛けバッグは安定性が悪く廃れていったのでしょう。
このメッセンジャーバッグ、私は約20年前の広島勤務時代によく使っておりました。勤め先まで自転車通勤だったこともあり、また広島の路面電車の中で立っている時も、バッグから本を取り出して読むのに非常に使い勝手のよいバッグでした。
最近はレザータイプのシックなメッセンジャーバッグが減ってしまいましたが、リュックに飽きた層からまた人気復活しないかなと個人的に妄想しております。

さて、「トラッドファンの通勤鞄」というテーマで、ベーシックなビジネスバッグ4種をご紹介してみました。リュックや TUMIに飽きた、或いはそれしか持っていない諸兄、この秋はダレスバッグなんかに挑戦してみては如何でしょうか?

※トップ画像は、黒川鞄工房さんのコードバン製ダレスバッグ(価格未定)です。憧れますねぇ…

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