弔事の黒ネクタイに、お洒落なディンプルは入れてはいけない件

水曜日はオヤジのファッションについてあれこれ語る日…
新入社員に言いたいことシリーズの途中ですが、臨時に割り込みネタです。

7/8(金)に、日本の元首相が群衆の面前で銃弾に倒れるという凶行がありました。これについて、軽々しく語るつもりはありません。

7/9(土)には、不謹慎かとも悩みましたが、選挙・投票に関連した雑学ネタを書いています。
今回も、安倍元首相の一件に関連してファッション観点から言いたいことがありますので、書いておきます。

一連の報道で、TV各局は競って特番を組み、同じ映像を何度も流しながらMC・キャスターと評論家が神妙な顔でいろいろ話していました。
その服装は、17時台の番組ではまだ紺スーツに暗い色のネクタイだったものが、ご逝去が確認されて19時、21時と時間が経つにつれ、喪服に近い黒ネクタイで出演される方が増えていきました。

私は常々、
●ネクタイにはディンプル（えくぼ・くぼみ）を作るように！
●ノータイの時でもジャケットの胸にはポケットチーフを！
と主張してきました。

ただ、この２点はあくまで『ドレスアップ』の一環でのお薦めです。
なのに、この国民的弔事ともいえる日に、黒ネクタイにディンプルを作っているキャスターが何人も居たのです。
ご丁寧に、ポケットチーフまで…
先般の記事で、お洒落だ、参考にすべきだと持ち上げたばかりの、公共放送局の名キャスターまでもが…

テレビ局には、そういう点に気が回る担当者というか、専門のコーディネーター、アドバイザーは居ないのでしょうか？
局のアナウンサーかタレントキャスターかを問わず、テレビに映る人が黒いネクタイを締めている時に、『あ、今日はディンプルはやめておいた方がいいですよ！』と言ってくれる人は居ないもんでしょうかねえ。

ときに、私は『冠婚葬祭用の略礼服』という文化にあまり賛同はしておらず、特に披露宴等の場で白無地ネクタイ集団を見るのが大嫌いです。
めでたい席なんだから、もっとカラフルなネクタイやチーフで華やかにしようよ！といつも思っているのですが、一方で、こと弔事に際しては『略礼服＋黒無地ネクタイ』でよいと考えています。
ご不幸の席で、目立っちゃいけない。
レギュラーカラーの白無地のシャツ、黒無地の略礼服上下に黒ネクタイ、ベルトはプレーンな黒、靴もプレーンな黒、バッグも黒に決まってます。
（アメリカ映画でよく見る、墓地で黒いレイバンのサングラス姿。日本の墓地でやると場違い感、甚だしいです…）
黒い靴ならいいだろうと、ローファーだとかタッセルだとかウイングチップとか、間違っても履いていかないように。本来はプレーントゥの一択、譲歩してもストレートチップまでです。
そして、黒無地ネクタイの結び方はなんでも構わないけど、ディンプルは入れません。

通販を見ていると、よほど無精な人向けなのか、フックで留めるだけの『ワンタッチネクタイ３本セット』を見つけました。
凝ったことに、美しい結び目に加えて、あらかじめ綺麗なディンプルも作られています。ところが白とシルバーは良しとして、黒いのにもディンプルが施されている。
まさに、過ぎたるは及ばざるがごとし…

苦言ばかり書いても精神衛生上よろしくないので、１つくらいはよかった話しを。
7/10(日)の参議院選挙で、夜の番組で各事務所からの中継がありましたが、自民党議員を中心に腕に黒い『喪章』を付けていらっしゃる方がいらっしゃいました。

また９(土)の選挙運動中も、ポロシャツの袖に黒い喪章を付けて演説される候補者も見掛けました。
弔事だから、全員が黒装束でいなければならない訳ではない。選挙運動のスタイルを保ちながら、また選挙事務所の雰囲気を保ちながら、こうしたスタイルでしっかり弔意を表明されていることはよかったのではと思います。

まとめ…
ネクタイにディンプル、ジャケットにポケットチーフはお薦め！
でも、弔事には絶対やらかさないこと！

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