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『クラクション』が商標名で、あの頃『フェラーリホーン』が流行った件
木曜日はクルマ好きオヤジのクルマ談義の日。
減ることのない煽り運転といえば、車間詰め+ハイビーム+クラクション…。その『クラクション』って、一般名詞ではなくメーカー名だってご存知でした?
ふだんの生活でも、温水洗浄便座を『ウォッシュレット』(TOTOの商標名)と呼んだり、宅配便を『宅急便』(ヤマト運輸のサービス名)と呼んだりしてますが。
文房具の『ホッチキス』の一般名称は、実は『ステープラー』と言います。今では『ホッチキス』の方が当たり前ですが、実は『ホッチキス』はアメリカにあるメーカー名です。
それと同様に『クラクション』も、フランス『クラクソン社』の名称がそのまま日本に定着しています。海外、英語圏では『クラクション』では通じず、単に『ホーン』です。
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筆者は30年以上に亘り、プライベートでは外国車に乗る一方で、営業の仕事では社有のバンに乗ったり最近では毎回違うレンタカーで担当エリアを廻っています。
今ではリッタークラスのコンパクトカーでもそれなりの音が鳴りますが、ベーシックグレードのリースカーだと『プッ』という軽くて薄い音のクルマもあります。
幼児語で自動車のことを指して『ほら、プップゥが走ってるねぇ』とか言いますが、例えば友人を迎えに来た時にクラクションを2回鳴らす『プップーッ』から来た擬音かと思います。
少し高級なクルマになると、クラクションの音が立体的になります。2種類の音階を同時に鳴らすことで、ハーモニーを聴かせている状態。
具体的な音階でいえば、例えばボーカルで『3度ハモリ』とか『5度ハモリ』があるように、クラクションの音階も商品によっていろいろです。ネットで拾う限りでは、『ドとソ』や『ラとド#』がありました。
単音だけの時の『プッ』という音から、『プァッ』という拡がりのある音になります。(文字では表せませんね…)
クラクションの形状としては、大きく分けて『平型』と『渦巻型』の2種類がありまして。
『平型』は金属の円盤を重ねた形で、電磁石に電流を通して内部でパーツを衝突させ、機械的な音を発生させるもの。安価で音質も安定している為、国産車の多くの車種に採用されています。
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一方の『渦巻き型』は、樹脂製でカタツムリのような形状。電磁石により振動板を振るわせて、空気振動によって音を発します。この『渦巻き型』をもっと長く大型化してラッパ形状にしたものが、有名な『フェラーリホーン』ですね。
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少し昔にクルマのカスタマイズが流行した頃には、『フェラーリホーン』を後付けすることが大流行り。『フェラーリの純正ホーン』という意味ではなく、単にフェラーリが採用していたラッパ型で残響の長いホーンをそう呼んでいました。
高価なものからチープなものまで、わざわざ本体を真っ赤に塗装して、いかにもフェラーリの雰囲気を醸していたものです。
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『フェラーリホーン』と呼ばれているうちはまだドレスアップの範囲内でしたが、さらに音程がカン高くなったり、残響が長くなったりすると、『ヤンキーホーン』と呼ばれました。
またメロディを奏でられるように複数を装着したのが『ミュージックホーン』。曲はもちろん、『ゴッドファーザーのテーマ』ですね。都会ではすっかり絶滅危惧種(危惧はされていない)ですが、地方に行けば『珍走団』という名称でまだ見ることができます。
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クラクションのメーカーとしては、筆者の世代では BOSCH や PIAA、HELLA が思い浮かびますが、昨今のレクサスやクラウン・アルファードには MARUKO HORN(丸子警報器)という長野県のメーカーが採用されています。
最近の自動車はコンピューター制御でホーンの交換さえ難しいものもありますが、換えられる機会があれば国産のマルコを試してみたいものです。
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