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今こそ、スーツをちゃんと着たいなと思う件

水曜日はオヤジのファッションに関する考察を
50代オヤジの服飾蘊蓄を語ります(笑)

テレワークがすっかり定着して、スーツを着る機会が減りました
いや、コロナ禍は関係ないな。
その前からオフィスカジュアルは一般化しているし、2005年の『COOL BIZ』運動から始まった『ノーネクタイ』も完全に定着しました。

私はと言えば、15年ほど前からすっかり『ジャケパン』スタイルで、夏も冬も『紺ブレ+スラックス』での通勤が定番になっています。
紺ブレは、金ボタンの時もあればシンプルな藍無地ジャケットや、秋冬には茶系のツイードジャケットの場合も。
スラックスは(パンツとかボトムスと呼びたいところですが敢えてスラックス(笑))、明るめと暗めのグレンチェック、細かいヘリンボーン、冬にはブラックウォッチのタータンチェックだったり、春夏はチノーズだったりします。チノパンと紺ブレの相性は鉄板ではありますが、仕事で着る時には折り目がキッチリしていて裾をダブルにした綺麗めのチノを選びます。
上に述べたスラックスは得意の UNIQLOで全て揃いますので(しかもHeatTech!!)、本当に頼もしい存在です(笑)

GINZA Global Style より秋冬ジャケパンスタイル

スラックスのシルエットは、全てストレートスリム。トラッド用語では『パイプドステム』と呼ばれたりします。カジュアルパンツはスキニーでも余裕あるくらいに脚が細いので、ストレートスリムでも曲げ伸ばしに不便ありません。

ファッションは時代を巡りますので、昨今はやや太め、プリーツ入り(昔でいうワンタック)のタイプも増えてきましたね。

GINZA Global Style より春夏ジャケパンスタイル


ネクタイを締める機会も、残念ながら随分と減りました。
特にジャケパンスタイルの日は、シャツをチェック柄色物のBD(ボタンダウン)にすれば、ノータイでも爽やかにキマリます。

GINZA Global Style

ただ、個人的に馴染めないのが、『スーツのノータイ姿』です。
上下揃いのネイビースーツを着て、ましてやレギュラーカラー(普通襟)の白シャツを着用しておきながら、ネクタイを締めずに第1ないしは第2ボタンまで開けて普通に得意先訪問しているサラリーマンの如何に多いことか…
いえ、それが主流である実態は理解しているのですが、やっぱり『スーツでノータイ』はいただけない!というのが、個人の見解です。

ま、オヤジ向けのいろんなファッション指南サイトで『今、ジャケパンが熱い!』なんて特集を読んだところで、どうしてもゴルフスラックスにポロシャツしかイメージできない中高年男性が多いわけですから。『平日は取り敢えずスーツ着てノータイでいいじゃん!』と思う方が多いのは否めませんね。


さて、スーツに関して1つだけ書いておきたい蘊蓄があります(笑)
日本語で『背広』と呼ぶようになった経緯とか、トラッドファッションの『3つボタン段返り中1つ掛け』という呪文の事とか、その辺はまた機会を改めるとして、もっとマイナーなお話しを。

スーツの左襟に1ヶ所、ボタン穴みたいな部分があります。
15ミリほど、本当に穴が開いている場合もあるし飾り糸で刺繍してあるだけの場合もあります。ビジネスマンですと、大抵は『社章』を留めたり、今だと『SDGs』バッジを付けている方もいらっしゃいます。
この穴というか刺繍部分は『ラペルホール』、もっと正式には『フラワーホール』と呼ばれています。文字通り、元を糺せば『花一輪』を挿す為のホールでした。

GINZA Global Style

現在のスーツの原型は、『詰め襟』というか『マオカラー』のような形状だったものが、第1ボタンを外して胸をはだけて着用するようになり、右襟のボタンは消失したのに左襟のボタン穴だけが残って、パーティー等で洒落人がそこに花を挿したことが始まりと言われています。
今となっては生の花を挿す習慣はなくなりましたが、バッジとかピンとかいろいろ挿すのに便利なもので、ホールだけが生き残ったという次第ですね。

というわけで折角の『フラワーホール』、
普段の通勤時は社章の定位置ではありますが、オフには社章を外して、可愛い『ピンバッジ』やお洒落な『ラペルピン』を挿してみませんか?
休日に羽織るブレザーやジャケット、部下や親戚の披露宴でダークスーツを着る時、襟元にちょっと光りモノがあるだけで、ぐっとお洒落度が上がります!
できれば、ポケットチーフと併用されるともっといいですね。
お薦めしておきます!

ラペルピン・ラペルアクセサリーいろいろ、全て筆者私物です(笑)


追記、
フラワーホールに花一輪!』で思い出しました。
クルマのデザイナーにもお洒落な人は居るもので、あの質実剛健なイメージのある Volkswagenの名車 “The Beetle” の運転席周りには、『フラワーベース』という一輪挿しが標準装備されています(ビートル自体は残念ながら2019年に生産終了しました…)。

ニュービートルに運転席にあるフラワーベース


あと、松山千春がデビュー以来、ステージに必ず『深紅の薔薇の一輪挿し』を置いているのも有名なエピソード!
その辺はまたいずれお話ししたいものです。

松山千春 デビュー40周年 日本武道館ライブ 2016

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