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『シャンペン』は高いのでXmasは『Cava(カヴァ)』で乾杯したい件

金曜日はグルメとお酒のお話しを。

いよいよ明日はクリスマス・イブですか。
今年は諸々の物価高の影響で、クリスマスケーキの平均単価が@200円ほどアップして、@4,000円を超えたとか…
子供さんが居るご家族ではなかなかサイズを落とすわけにはいかないのでしょうね。
単身赴任のオヤジは毎年、売れ残りの廃棄処分を減らす為に夕方にショートケーキを1個買って、ささやかな聖夜を楽しんでいますが、ショートケーキも@700円とか高くなりました…

先週は一応クリスマスモードで低アルコール飲料について書きましたが、今回はよりクリスマスらしく、スパークリングワインについて少し書いておきます。
こうやって時々復習の機会を設けないと、自身がソムリエであることを忘れがちですので…

まず、お祝い事には『シャンパン!』とイメージされる方が多いわけですが、この名称に関する蘊蓄から。

平成から令和の現代、多くの日本人にとっての多数派が『シャンパン』で、たまに『シャンパーニュ』と言うと『なに気取ってるねん!』となり、さらに『シャンペン』となると『昭和か!』というツッコミが入りそうです。

ところが…
驚くべき正解は、(発音は兎も角として)フランス語に忠実な呼び方が『シャンパーニュ』で、その英語読みが『シャンペン(より近いのはシャンペィン)』、そして『シャンパン』は『シャンペン』が『シャンパーニュ』に引っ張られた和製英語でした!

そう、結婚披露宴で『乾杯はやっぱりシャンペンだな!』と言っているオヤジを、『昭和かよ!』と蔑むことなく、英語圏での発音なんだと認識いただければ幸いかと存じます(笑)

Champagneシャンパーニュはフランス・シャンパーニュ地方特産のスパークリングワインの特定呼称で、そのブランドを守る為にA.O.C法で定められた厳しい条件をクリアしなければなりません。
詳細は割愛しますが、原料葡萄の品種、産地、製法のそれぞれに厳格な規定があり、シャンパーニュ委員会によって管理されていて、規定を満たさないスパークリングワインは『シャンパーニュ』を名乗れません。

話しが昭和の日本に戻りますが、私が幼少の頃は近所の酒屋さんで売っているスパークリングワインは全て『シャンペン』と呼ばれ、クリスマスに子供用に買ってもらう甘味炭酸飲料も『シャンペンサイダー』や『ソフトシャンペン』と呼ばれていました。
ところが、1966(昭和41)年に上記シャンパーニュ委員会から『シャンペン呼称使用禁止』についての申し入れが入ります。
清涼飲料業界としては、炭酸飲料のオフシーズンの重要な商材ですのでなんとか使用承諾願いたいと陳情しますが、1973(昭和48)年についに正式に却下されてしまいました。
これにより、子供用の炭酸飲料はもちろん、一般に販売されていた『シャンパーニュではないシャンペン』もその呼称使用が禁止されました。

かくして現代、子供用は『シャンメリー』等となり、一般のスパークリングワインもそれぞれのブランドを名乗るようになっています。

逆に言えば、そうしたシャンパーニュ委員会の厳しい管理によって、1980年代のバブル期以降、『高級シャンパン』というジャンルが確立し、その名声と品質が保たれているということになります。

さて、『高級シャンパン』と申しましたが、実際に『シャンパーニュ』規格を遵守するワインは自ずと高額になります。加えて、この円安局面で今後の更なる大幅値上げも見込まれています。

そこで、我々庶民のデイリーユースにお薦めするのが、CAVAカヴァ
Cavaはスペイン産のスパークリングワインですが、シャンパーニュと同じ伝統的製法で造られており、独自の細かい規定によって守られています。
フランスのシャンパーニュ、イタリアのプロセッコに次ぐ販売本数を誇り、『世界3大スパークリングワイン』の1つです。

Cavaはカタルーニャ語で、ワインを熟成させる洞窟(Cave)・セラーを意味しています。
カヴァとシャンパンの違いとしては、国・地域が違う他に、原料ブドウ品種の違いがあります。

スペイン・カタルーニャ地方ではもともと赤ワイン用の黒葡萄が栽培されていましたが、1880年代のフィロキセラ禍(害虫)によって壊滅。その後、カヴァ用の白葡萄品種を植え直して、1959年に『カヴァ』の定義を法制化、さらに1970年、シャンパーニュと同じ伝統的製法のみに厳格化されました。
これにより、言い方は非常に陳腐ですが『カヴァはスペイン産のシャンパン』という嬉しい認識が世界中に定着しています。

そしてカヴァの人気の理由は、何と言ってもその価格帯。
1,000円台を中心に、3,000円台で充分に美味しいカヴァが楽しめるので、シャンパーニュに較べて圧倒的なコストパフォーマンスと言えます。

もちろん、同じ製法とはいえ葡萄も違うし気候も違うし熟成年数も違う。
シャンパーニュとは似て非なるものではありますが、TPOに応じて使い分けるのが賢い飲み方かと思います。

明日のクリスマスイブは、是非ともCavaで乾杯を!

ChampagneとCavaの違いあれこれ…
●葡萄品種;(Champagne) シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ
(Cava) マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ
●熟成期間;(Champagne)15ヶ月以上・(Cava)9ヶ月以上
●口当たり・酸味;(Champagne)上質でクリーミー、酵母感、火を通した果実、しっかりしたボディ
(Cava)フレッシュでフルーティな柑橘系、柔らかで優しい酸味
●飲用シーン;(Champagne)非日常的な気分
(Cava)普段のカジュアルな食事とともに
●価格差の理由;土地代、労働力コスト、製造コスト+ブランド価値

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