『天下一品』の『こってりMAX』から各地の『濃厚系』ラーメンに想いを巡らせる件
ラーメンネタは、久し振りのような気がします。
あ、そうでもないか。
今年に入ってグルメネタ4本のうち、3本がラーメンだった…
2023年6月17日放送のTBS系列『ジョブチューン』というバラエティ番組で京都発祥(今や全国区)の『天下一品』が採り上げられ、自慢の10品をエントリーするも5品が不合格。天下一品といえばラーメン店ですのでラーメンメニューだけに限ってみても4品中2品が不合格という、同チェーンにとってはなかなかほろ苦い結果となりました。
番組最後の木村会長への報告会も、皆さん険しい表情でした。
因みにラーメンでの不合格は『味噌ラーメン』と『あっさりラーメン』。
私は個人的に、ラーメンの中では醤油でもなく豚骨でもなく味噌ラーメンが一番好きなのですが、同店の『味噌ラーメン』は1回だけでリピなし。
『あっさり』については一度も食べたことがなく(家人が注文した時にスープを一口啜ったくらい)、『彼氏に強引に連れてこられた女性がどうしても「こってり」に抵抗があって仕方なく注文するメニュー』との位置づけだったのですが、同チェーンはなんと『従業員お薦め第2位』としてエントリー。結果として惨敗でした。
因みに、同チェーンには『屋台の味』や『こっさり』といった微妙なラーメンメニューもあるのですが、他のサイドメニューをフィーチャーしたかった為か、『従業員お薦め10品』としてエントリーすることすらなく…
一方で合格したのは『従業員お薦め第4位』の『こってりMAX』と、同1位の『こってりラーメン』。どちらも審査員満場一致での合格です。
1位の『こってり』に関しては、地域を問わずラーメン好きにインタビューすれば必ず一家言あろうかというくらいに有名なラーメンであり、私自身も18歳頃から40年に亘って食べ続けていますので幾らでも語れますが、今回初めて新メニュー『こってりMAX』を試す機会がありました。
今日はその『こってりMAX』についてつらつら書こうとしたのですが、折角なので、私が印象に残っている『こってり=濃厚系』ラーメンについても列挙してみます。
●『天下一品・こってりMAX』
6月の発売前のニュースリリースからずっと興味を持っていましたが、ようやく食することができました。
過去、一部店舗で限定発売された『絶品MAX』を全国展開としたもので、期間限定かと思いきや定番商品となるようです。
丼もこの商品専用のものを投入し、『天下一品史上最強こってり』の文字がプリントされています。
売価は(並)1,210円・(大)1,400円(店舗により変動)。
天下一品のラーメンは、他チェーンと較べてチャーシュー等の具材のパンチが弱い(一蘭よりは具材感ありますが)ので、かなり強気な価格設定となります。
味は?といえば、食べ慣れた通常の『こってり』の正常進化、もとい正常濃縮版ですね。
MAXと煽るほどの劇的な濃度もなく、ちゃんと食べやすいところで留めてあります。
店内には『もはやスープは飲むものではなく食べるもの!』と書いてありますが、『食べるレベル』のスープは下に紹介するように各地に数多ありそうです。
けっしてマズくはないし、失望することもない。
ただ先ほど『強気な価格設定』と申しましたが、通常のこってりの270円増し、正直そこまでのプレミアは感じません。
もう一歩、劇的・暴力的なくらい『こってり』してくれたらよかったのに…と物足りなく感じております。
●『極鶏』(京都市北区)
天下一品といえば京都、京都といえば一乗寺、一乗寺といえば…
『極鶏』は『高安』等と並んで、平成になって全国区の有名ラーメンタウンとなった京都・一乗寺エリアの超有名店ですね。
インスタ等で『ラーメン鉢に蓮華が立つ』という絵面が話題になったのも、この店辺りからと記憶しています。
天下一品が鶏ガラと野菜を煮込んだ濃厚スープなら、こちらは鶏ガラをひたすら煮詰めた濃厚白湯、同店では『超濃厚肉濁鶏白湯』と呼んでいます。
吉野家の『つゆだく・肉だく』は『つゆだくさん・肉だくさん』の『だく』ですが、こちらの店では『鶏スープが濁っている』ので『鶏濁』と呼ばれています。天下一品の『こってりMAX』よりも先に『食べるスープ』の異名を…
メニューとしては、レギュラーの『鶏だく』に加えて『赤だく(唐辛子)』・『黒だく(マー油)』・『海老だく』とリピーターを飽きさせない工夫もあり。
天下一品と違ってチェーン展開していない為、一乗寺の店は常に大行列必至。
7月は大阪に出店しているようですが、1日15食限定といいますからまず無理そうですね。
●『超豚骨濃度8』(大阪市中央区)
この春、30年振りに関西に帰還して、以前とはラーメン事情もすっかり様変わりしていましたもので、目新しい店に手当たり次第に飛び込む中で見つけた濃厚系ラーメン店です。
福岡市に8年ほど住んでいたこともあり、とんこつラーメンに関しては『一蘭』のように洗練されたタイプから、店の外までゲンコツ臭が漂っていそうな白濁系タイプまで食べ慣れてはいます。
(余談ですが、白濁系とんこつラーメンは久留米から長浜に伝わったもので、博多の源流は『三馬路(現・うま馬)』等に代表される透明系とんこつスープです…)
そこへ来て、『超豚骨』しかも『濃度8』という看板に目を引かれました。
加えてメニューには『濃度27』の文字が…
その8とか27が何を意味するか分かりませんが、取り敢えず試すしかありません。
結論としては、流行りのエスプーマ仕立てということもあって超クリーミー。しつこくもなく嫌味のない、上品かつ芳醇な豚骨スープでした。
日本橋駅を東へ5分ほど。近隣にもラーメン店は幾つかありますが、濃厚系という括りでここをご紹介しておきます。
●『大岩亭』(愛知県安城市)
転勤族でいろいろな地方に行っては当地の有名ラーメン店を食べ歩いてきましたので、印象深いお店は幾つか記憶しています。
名古屋市に8年間在住していましたので愛知・岐阜県内あちこち試していますが、濃厚混濁系といえば三河安城の『大岩亭』さんになりますね。
その着丼のビジュアルと、加えて店主のパフォーマンスが話題になり過ぎました。
マツコと村上君の番組『月曜から夜更かし』にも、『湯切りの時に奇声を発する名物店主』として再三登場しています。店外まで響く、『ア~イヤ~ッ!』という叫び声…
割り箸どころか蓮華が直立する超濃度。
いわゆる魚介系ですが、魚粉どころか魚肉も魚骨もそのままミキサーで粉砕して液状化している感じです。実際、舌触りが若干ザラつきますので、好き嫌いはあるかもしれません。
三河方面にお運びの折には、話のネタに是非…
●『東横』(新潟市)
30代を過ごした新潟市も、『万人家』さんなど美味しいラーメン有名店がたくさんありましたが、こと濃厚系と言えば『東横』さん。
(ビジネスホテルの東横インとはなんら関係ありません…)
当時は1店舗と思っていましたが、今や県内に数店舗を展開されている模様。
何年か前には、京都駅の『拉麺小路』にも期間限定で出店されていて、単身赴任の帰省時に何度か立ち寄って、懐かしんでおりました。
あまりにスープの濃度が高い為、卓上のポットだったかに『割りスープ』が提供されていたと思います。『割りスープ』と言えば、今では『つけ麺』のスープを飲み干す時に店員に声を掛けるイメージですが、当時はまだ関東圏以外でつけ麺が流行していたわけでもなく、ましてや『ラーメンのスープを好みの濃さに薄める』という発想は、今でも斬新だと思います。
とはいえ、私を含めてそのままの濃度で飲み干す人も多いわけですが…
上記のほか、転勤や出張で全国各地のラーメンを楽しんでいますが、こと『濃厚系』というジャンルで想い出深い店を並べてみました。
ご参考いただければ幸いです。