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「パンツ」の変遷をチコちゃんが教えてくれた件

昭和世代を揶揄する衣料用語としてよく登場するもの…
 ・バンド ⇒ ベルト
 ・ズック ⇒ スニーカー
 ・トレーナー ⇒スウェット
 ・オーバー ⇒ コート
 ・ランニング ⇒ タンクトップ/ノースリーブ
 ・とっくり ⇒ タートルネック/ハイネック(高さが微妙に違う)
 ・コール天 ⇒ コーデュロイ
 ・衣紋掛け ⇒ ハンガー
 ・ジーパン ⇒ デニム(デニムは生地を指すので正しくはデニムパンツ)
 ・チャック ⇒ ファスナー/ジッパー(チャックという和製英語は「巾着」から)
 ・チョッキ ⇒ ベスト/ジレ
 ・スパッツ ⇒ レギンス
 ・タック ⇒ プリーツ
 ・ズボン ⇒ パンツ
・・・
※「スニーカー」と「トレーナー」は VAN創業者・石津謙介氏の和製英語

最後の「ズボン」は今の若い世代でも普通に使いますよね。
昭和世代は、「パンツ」と聞くとまずは下着の「パンツ」を想起します。「パンツ」の中に、トランクスがありブリーフがあり、女性用のパンティも含まれる。イントネーションは「最初のパ」が一番強くて「ンツ」にかけて尻すぼみに発音しますね。
若い世代が「パンツ」と言う場合には、敢えて「最後のツ」にアクセントを置いて、下着との区別を図っているようです。
これには関西だの関東だのという地域性はないと思います。

スーツ量販店などで、1着のジャケットに対してスラックスが2本ついてくる場合などは「ツーパンツ・セール」と呼ばれていますので、ミドル・シニアのオジサンでも徐々に「パンツ」に慣れつつあるこの頃です。

ところでその「パンツ」ですが、
下着とズボンが同じ言葉で呼ばれることについて、自称・ファッション愛好家としてはかねがね疑問に思っておりました。
先日、大好きなTV番組「チコちゃんに叱られる」でそのことを解説していましたので、ここでご紹介したい次第です。

因みに同番組は NHK総合テレビで2018年春からですので、もうすぐ丸7年を迎えます。私は毎週土曜日朝の再放送(本放送は金曜日夜)を楽しみにしており、同じく土曜日昼の「吉本新喜劇」と並んで私の大切な「2大コーピングタイム」となっています。
同番組では1回の放送で3つ、年間では約150個の「ネタ」を扱いますが、「雑学大好き」な私としましては、その中でザックリ3割が既知、3割が知っていたのと異なる見解、そして4割が知らなかったお話しという感じ。
その「知らなかった3割」に出逢えた時には、えも言えぬ満たされ感を覚えるのです。そんな幸福な瞬間が、先日(2025/2/1(日))の「なぜ下着もズボンもパンツという?」のお話しでした。

ということで、完全な受け売りになりますが、「なぜ下着もズボンもパンツという?」の解答です。
(解説者は、戦史・服飾史・軍装史研究家の辻本よしふみ先生)

① 正解は「イギリスのパンツとアメリカのパンツだから」
イギリスではズボンのことを「トラウザーズ」と呼び、下着を「パンツ」と表現する。
アメリカでは「パンツ」はズボンの意味になり、下着は「アンダーパンツ」・「アンダーウェア」と区別されている。
最近の日本では、「パンツ」はこの両方の意味を持つ言葉として定着してきた。

② フランス革命とイギリス
17世紀のフランスには、貴族が履いていた半ズボン=「キュロット」と、一般市民が履いていた長ズボン=「パンタロン」の2種類の「ズボン」が存在。
18世紀末のフランス革命により貴族文化が衰退し、市民が履いていた「パンタロン」が主流に。
その「パンタロン」がイギリスに伝わると、ピチッとしたものが「パンツ(パンタロン)」、ゆったりしたものが「トラウザーズ」と区分された。

③ アメリカでの変化
18世紀末、イギリスからアメリカに「パンツ」と「トラウザーズ」が伝わる。
アメリカでは「トラウザーズ」は長くて言いづらく、どちらも「パンツ」と呼んで「ズボン」の意味で定着。
下着については、「アンダーパンツ」や「ブリーフ」という呼び方が生まれた。

④ 日本への伝播
明治時代、アメリカからは下着の「パンツ」、フランスからはペチコートを指す「ジュポン」が伝わり、「ジュポン」が訛って「ズボン」に。
1980年代、「アメカジ」や「DCブランド」ブームが興ると、ファッション雑誌の影響で「ズボン」よりも「パンツ」という言葉が使われるようになった。
その結果、従来の「パンツ=下着」と「パンツ=ズボン」の両方が定着し、今に至る。

いかがでしたでしょうか?
めちゃくちゃ、知的好奇心とお洒落探求心をくすぐりますね。
NHKさん、今後もこの手のお話し、もっともっと楽しみにしております!

※年初から文字数削減(1,800文字以内)を目指しておりますが、今回もなんとか 1,800文字ちょうどで収まりました。
※タイトルのサムネは MEN'S NON HEN 2017/6/8よりお借りしました。

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