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『ウイダー』じゃないのに『ウイダー』と呼び、『明治』でもなく『健栄製薬』なのに『イソジン』と呼び続ける件

土曜日はノンジャンルの日。

昨日、4回目の新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませてきました。
幸いにも現時点で大きな副反応はありませんので、もう大丈夫かな。

接種したクリニックの待合室で、ママ友と思しき女性陣がお喋りしているのが聴こえてきたのですが(耳ダンボですが…)、『雑学オタク』の私はツッコミたくて仕方ありません。

『前回もさぁ、副反応で熱出てウイダーのお世話になったから、今回もウイダー買い溜めしてるわ』
『そうそう、しんどくて食欲ない時の水分補給と栄養補給はウイダーインゼリーよねぇ』

言いたいことは分かりますが…
彼女たちの頭の中にあるのは、おそらくコレ

で、彼女らが実際に買い溜めしている商品はこちら。

実は、かつてキムタクがCM出演していた『ウイダーinゼリー』という商品は既になく、現在は MORINAGA『inゼリー』という名称なのです。
パッケージは2018年春から変更され、『ウイダー』の文字とロゴが外され、森永製菓のエンゼルマークに切り替わっています。

『ウイダーinゼリー』は、1994年以降、米ウイダー社との提携にて森永製菓が製造販売してきましたが、ボディビルダー等アスリート向けブランド特化していきたいウイダー社に対して、広く一般消費者の栄養補助食品として育てたい明治製菓の思惑があって、明治製菓は2014年頃からウイダーを外した『inゼリー』という呼び方を始めて、ウイダー色を薄めていきました。
両社の提携は2030年まで有効ではありますが、提携が切れた後、スムーズに自社ブランド『inゼリー』として販売継続できるように、周到に準備されているという算段です。

ウイダーを前面に押し出した頃の旧パッケージ

一方で、コロナウイルスだけでなくインフルエンザ対策としても重要な『うがい』に欠かせないのが、家庭用のうがい薬。
中でも昭和の時代から有名な商品が、『カバくん』でお馴染みの『イソジンうがい薬』でしょう。

こちらの商品も、2015年、カバくんイラストのパッケージはそのままに『イソジンうがい薬』から『明治うがい薬』という名称に変更されました。

『イソジン』は英ムンディファーマ社のブランドであり、消毒薬ポビドンヨードの消費名でもあります。
1961年に明治製菓社と提携し、昭和の時代に『カバくんのイソジンうがい薬』として消費者に定着させてきました。
ところが2015年に両社の提携が切れると、明治製菓側は『イソジン』の名称が使えない代わりに『カバくん』の商標を押さえて、『明治カバくんのうがい薬』として販売を継続。
一方、ムンディファーマ社は永らく育ててきた『カバ』をパクられてしまって明治製菓を訴えますが、日本国内では明治製菓が先に『カバくん』を登録していますので、本家『イソジン』はやむなく『イヌくん』のイラストに変更を余儀なくされました。

どちらがパクりか分からない両社のパッケージ

第三者としては面白い攻防ですが、当事者にしてみれば死闘ですね…

これ、ここで終わりではなくて、今年10月からさかんにTVCMで流れているのが『健栄けんえいうがい薬』。
ジャニーズタレントを起用してかなり大々的にアピールしていますが、あれ?パッケージは『カバくん』です。

今さかんに放映されている健栄うがい薬のTVCM

実は健栄製薬はもともと『明治うがい薬』の製造元でしたが、今回、明治社から販売権を譲り受け、製造から販売までを自社で手掛けることに。
それで、商品名は『健栄うがい薬』としながらも、『カバくん』という財産は引き継いだということになります。
ホント、ややこしい…

ここまで書くと、『ナビスコ』と訣別した『ヤマザキ』の話しもしたいのですが、時間が掛かりそうですので、またの機会に(笑)

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