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なぜSTEMだけではダメなのか?世界が注目するSTEAM教育の潮流〜〜なぜ今STEAMが必須なのか④
今回は、アメリカにおけるSTEM教育からSTEAM教育への変遷を辿りながら、STEAM教育が世界に広がった背景を見ていきましょう。
21世紀初頭、アメリカでは国際学力調査の結果を受け、科学技術教育の強化が急務となりました。そこで注目されたのがSTEM教育です。科学・技術・工学・数学の能力を重視することで、国民の科学技術リテラシーの底上げを目指しました。
しかし、STEM教育が進むにつれ、教育関係者たちは、人間性や創造性、デザイン思考の重要性に気づき始めます。そこで生まれたのが「STEAM」という概念です。「STEMからSTEAMへ」というムーブメントは、教育の偏りを危惧する関係者たちを中心に、大きなうねりとなっていきました。
「steam」という言葉には、「蒸気」「湯気」という意味の他に、「勢いがある」「力強い」という意味もあります。まさに、これからの社会を力強く牽引していく人材を育成するという意味が込められていると言えるでしょう。
音楽教育と数学的能力、アート領域のトレーニングと記憶力や学習能力との関係性など、様々な研究からも、アートが人間の能力を高める効果が示されています。
OECD(経済協力開発機構)のレポートでも、アート領域のトレーニングが生徒の集中力を高めたり、知識を系統立てて学ぶ力を底上げしたりする効果が示されています。
このような背景から、STEAM教育はアメリカだけでなく、ヨーロッパ、アジア、アフリカなど世界各国で教育政策の主軸として定着しています。
このシリーズ最終回となる次回は、これまでの内容をまとめ、日本のITを活性化するために、私たちができることを考えていきます。