仕事を持つ
今日もまたMナビ転職フェアのCMを見ました。きっと、かなりの集客があるのでしょう。来場者には、1,500円のクオカードがプレゼントされるんですよ。凄いですねぇ!
2023年、新卒社員の転職サイト登録者数が過去最多を記録したそうです。また、新卒1年目の転職率も過去最高。もちろんこの転職の殆どは、会社都合ではなく自己都合。背景にあるのは、転職支援サービスの充実だと思います。
政府は成長分野への円滑な労働移動をめざす方針(2022年10月、岸田首相が所信表明演説でリスキリングなど人的投資に5年間で1兆円を投入する意向を表明)を打ち出しましたが、ここで想定されている転職者はスキルや経験を積んだ労働者であって、経験に乏しい若者ではないはずです。入社してはみたもののブラック企業だった、という場合は除いて「売手市場だ」「イヤなら辞める」「他にもっとラクな仕事が…」などと社会を甘く見て、いとも簡単に退職してしまう若者たちの行動には驚きます。それだけでなく、経験やビジネススキルなどこれから身に付け、磨いていかなければならない若者たちを煽って転職へと誘導する転職エージェントにも問題を感じます。
人材を採用したい企業と就職希望者の間に立って様々なサービスを提供している人材サービス業界は、本当によくできたビジネスを展開しているものだと常々感心。
ある企業は採用について相談したMナビのようなエージェントの企画にのって就職・転職イベントに出店。広告もやって大金を使い、ようやく採用できたと思ったら、自社の社員が同じエージェントを利用して転職、などということを延々繰り返しているわけです。同じ人に太るクスリと痩せるクスリを交互に売りつけるような商売の手法は実に賢い。
加えて、就職希望者に適性検査と称する星占いのようなアンケートを書かせてお金を取り、企業からは広告料やイベント出展料など様々な名目で料金を徴収。有名な就職支援サイトを運営している企業は、新卒採用、中途採用、転職支援サービスに加えて、今では水面下に潜って忍者行動していますが、従業員解雇や退職勧奨のコンサルティングまでやっているわけです。
人材を採用したい企業は、このような実態を認識した上でエージェントとの付き合い方を考え直すべきだと思いますし、就職や転職を希望する若者たちには、自分自身のキャリア形成の過程において、現在地がどのあたりなのかをよく見極めて活動してほしいと思います。
最後に、未来ある若者のために…