Into Eternity / 日野皓正
高校に入学した私は、迷うことなく陸上競技部に所属。偉大なスプリンターになるつもりだったのですが、股関節の故障により僅か6ヶ月で引退。もうちょっと雰囲気のある部位のケガあってほしかったのですが、よりによって股関節とは…ああ、悲しい。
そこから、私のジャズ喫茶通いが始まりました。「通う」といっても高校生のお小遣いですから週に1回、学校帰りの寄り道です。もちろん、制服は上下まっ黒の詰襟。その格好で、Mal(国分町・味よしの上)、Down Beat(中央何丁目だったか?!)、 Count(三越の近所、今も健在!)、 Avan(丸光の裏)、 Swing(住所は一応国分町)、Now(青葉通り・藤崎の近く)など、今ではほとんど姿を消してしまったジャズ喫茶にさっそうと出かけるわけです。お店は、その日の気分でChoice! 一杯のコーヒーで、居座りつづけること最低3時間でした。青春の思い出です。
その時代、衝撃を受けたアルバムが、Terumasa Hino / Into Eternity です。
このアルバムは、1974年の録音。ご存知!日野皓正(tp)、日野元彦(皓正さんの弟トコちゃんds)、益田幹夫(p)、宮田英夫(ts)、岡田勉(b)というメンバーで、本当に大興奮の演奏を聴かせてくれます。当時の彼らは、ほとんど毎晩のようにライブに出演し、自分のステージが終わると他の店に乱入、飛び入り参加でセッションをやってのけます。そして、夜が明ける頃、新聞配達や牛乳配達など早朝から働く人々と挨拶を交わしながら始発電車に乗っておんぼろアパートに帰る…そんな暮らしをしていたようです。当時、彼らもまた青春まっただ中だったのですね。
ユーミン、サザンなどの曲に自身の青春の日々を重ね合わせる人がいます。私の場合は、このアルバム。Horizon、Eastern Eggなどノリノリの曲がはじまると、股関節を痛めたほろ苦い思い出、学生服とジャズ喫茶、宮城学院女子高等学校の制服など、様々なシーンが蘇ってまいります。
これからはじまるシェアオフィス STUDIO 080には、どんな青春が、どんな才能が集まってくるのでしょうか。