JOHN COLTRANE AND JOHNNY HARTMAN
ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズをお読みになったことはありますか。元プロボクサーの私立探偵:スペンサーが、ボストンの街を舞台に依頼人から持ち込まれる難事件の解決に挑む小説です。主人公のスペンサーは、当然のことながら強く、勇気があり、ユーモアのセンスに富み、鼻につくほどの教養を備え、ハーバードの学位を持つ美人精神科医の恋人がいて、料理が得意なレッドソックスの大ファン。私にないものばかり。
そして、軽妙な会話、恋人との絶妙な距離感、チンピラを蹴散らす爽快感、殺し屋と対峙したときの緊張感、時として依頼人の希望に沿わない解決策を選ぶ意外性、人との付き合い方のかっこ良さ等々、気に入っている点を挙げればきりがありません。これまた私には縁のないものばかりです。
唯一、共通の要素があるとすれば、ジョニー・ハートマンのボーカルをこよなく愛することぐらいでしょうか。
というわけで、今夜はコルトレーン&ハートマンのご紹介です。
ジョニー・ハートマンの声は、渋く、低く、甘く、切なく…シャウトすることなく、ウィスパーでもない、ゆっくり語りかけるような歌声です。ジャズだけでなく、カントリーからポピュラー・ソングまで幅広いレパートリーを持っていましたが、やはりこのアルバムが決定版でしょう。コルトレーンのサックスとの相性も抜群。前衛的な演奏が多いコルトレーンですが、以前ご紹介したコルトレーンのアルバム「バラード」と同様、とても親しみやすい大人のバラード曲集に仕上がっています。
さて、私立探偵スペンサーが活躍する舞台はマサチューセッツ州ボストン。あの有名なバークレー音楽大学の本部がある都市です。この街には、日本ではあまり知られていませんが世界最先端を行くロボットメーカー、ボストン・ダイナミクス社があります。ここで開発した倉庫ロボットが凄いんです。私はこの映像を見て、度肝を抜かれました。まるで恐竜が倉庫でバイトしている感じ。皆さんも是非ご覧になって腰を抜かしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=5iV_hB08Uns
近い将来、我が社にもバイトしに来てくれるかもしれません。
今回ご紹介したアルバムは、恋人と二人きりの時、あるいはいつまでたっても仲睦まじいご夫婦とワインでも飲みながら語らう時のBGMに相応しいかもしれません。
これも私には、まったくもって無縁です。