かつおさんの写真展に行ってきた
写真家のかつおさんこと、仁科勝介さんの写真展に行ってきた。彼が自費出版している写真集『どこで暮らしても』の刊行に合わせて今回の写真展は行われた。
表参道駅の青山の出口を出てすぐ、交差点を渡った先に山陽堂書店(会場)はあった。
この日はご本人も在廊されている。それを事前に知っていたので展示会場に入る前からソワソワしていた。一回落ち着こうと思って、近くにあったファミマでおにぎりを2つ買って座って食べた。
お腹が満たされたので、山陽堂書店に向かう。
山陽堂書店は一階が書店で、階段を上ると二階がギャラリーになっている。「上にはかつおさんがいるんだ。階段を登っていくご夫婦はこれからかつおさんに会うのか。そっか」と心の中でつぶやく。意を決して、階段を一歩一歩登っていく。
よし着いた。かつおさんは別の場所に行っているのか、声はするがいない。
写真を見ている横目にかつおさんが映ったが、すぐに顔を見れなかった。「まじか。本当に実在しているんだ」。瞬きが多くなり、オドオドしている私を見て、隙を伺うようにかつおさんも私を見ていた。
「こんにちは〜」
「山陽堂書店さんによく来るんですか〜?」
「いえ、かつおさんのファンで」
かつおさんが一歩引いて「ありがとうございます」と腰を低くして言った。
かつおさんは、びっくりするほど謙虚な方だった。「かつおさんの写真と文章が好きなんです」と言ったら、また一歩引いて「いや〜とんでもないです、ありがとうございます」と恐れ多いという感じで、彼は答えた。
「え〜、何で知ってくれたんですか?」
「ほぼびの神田の連載で知りました」と答えた。
「あっ、ほぼにちさんの〜」
私は「ほぼ日」さんを「ほぼび」だとずっと思い込んでいた。しまった……盛大にやらかした。穴があったら入りたい(笑)。
そんな感じでお話をしていたら、お客さんが上がって来たので、かつおさんはそちらの方に行った。
全力でコミュ障を発揮してしまった……。
他の方と話しているかつおさんを横目に写真を見ていく。
かつおさんが撮った写真は、どれも東京とは思えないものだった。キラキラした街並みではなく、ありふれた日常がそこには写っていた。愛おしく、そして尊い日常。語彙力がなくて申し訳ないが、やっぱり素敵だった。
その場で買った写真集にサインまでしていただいた。
「素敵なご縁をありがとうございます!!」。と書いて下さった。
この方は愛されるべくして、たくさんの人に愛されているんだろうな。そんな気がした。またお会いできる機会があったら、もう少しお話できるといいな。
後日写真集をじっくり見ていた。写真で伝えるってこういうことかとうなずいた。ありふれた日常の中にも神秘的な部分もあった。瞬間を逃さない。人とどうしたらさその距離感で撮れるんだろう?
光の色が綺麗。デジタルで見るのと写真集にしてみるのとでまた違う。
最後のあとがき。もしかしたら、人によっては分かっていたことかもしれない。でも彼はちゃんと自分の目で確かめた。そこ発せられる言葉には重みがのる。言葉の1つ1つが確かに重く伝わってきた。かっこよくてまぶしい。
素敵な写真と文章をいつもありがとうございます。