LGBTQ+ & レアすぎる再会(;^ω^)
以前はLGBTだったのですけれど、最近はLGBTQ+とかLGBTQIAと呼ばれているのは、性的マイノリティの方たちです。つぎつぎと呼称が変わるので追いつけない……。正しい呼び方をご存じの方は教えてください。
数年前、週末になると京都のある場所へ出かけていました。そこには性的マイノリティの方たちが集まって、泊りがけで酒盛りをしていました☆
なぜわたしがそこへ行くようになったのか? わたしはいわゆるノンケとかストレートと呼ばれる異性愛者です。性的マイノリティには属さない性的マジョリティです。たぶん。
当時は相談員のお仕事をしていました。その中で性的マイノリティの方々の相談にのることがありました。お役には立ちたいが、なんせ知識が足りない! どうしたものかと悩んでいると、土肥いつきさんの講演会を聞きにいく幸運に恵まれました。土肥いつきさんは数学教師で、身体は男性で心は女性のとても可愛らしい方です♡ 見た目は可愛いのですけれど、バリバリの理論派で研究論文や本などをたくさんお書きになっています。そして可愛い♡
いつきさんとお話していると、とある飲み会のことを教えてもらいました。週末になると京都の集会所で性的マイノリティの方が集まって泊りがけで酒盛りをしているらしい。聞けばオープン(当事者でなくても参加可能)な集まりで、性的マジョリティでも参加できるらしい。これは行きたい! 行って皆さんのお話を聴かせていただきたい!!
知らない場所で知らない方々とお酒を飲んで、眠くなったら雑魚寝をする……。大丈夫だろうか? 正直に言いますと、身の危険を感じないわけではなかったです。しかも皆さんの性的な嗜好がわからないので、誰に気を付けたらいいかわからない……。昔からレズビアンの方に異常にモテるので、そちらも注意しなければ……。でも相談に来てくださる方たちのお役に立ちたい!! 行くぜ! オレは突撃するぜ!!
ドキドキしながら参加して、お酒を飲んで一夜を過ごしました。参加者は10人くらいでした。身体が男性で男性が好きな方、男性の身体で女性の心を持っている方、身体が男性で心も男性で男性が好きな方?? 書いているうちにややこしくなってわからなくなってきましたけれど、その日の参加者は全員「身体は男性」という共通点がありました(わたし除く)。でも心の性別や、好きになる方の性別は千差万別! そして心が女性で女性の服装をしている方や、心は男性で女性の服装をしている方など、さらにややこしい!! 男性にも女性にも見える中性的な方もいるし、ふだんは男性として生活しているけれど、ここでは女性として本当の自分になっている方もいらっしゃいます。
わたしはにこやかに仲間に入れてもらって、笑顔で別れを告げて帰宅しましたけれど、内心はずっとパニックでした(苦笑)。皆さんちゃんとご自身の身体の性別、心の性別、好きになる相手のことを自覚しているのに、わたしは何にも考えてなかった! 生理があるから身体は女性だけど、心の性別も好きになる相手の性別が何かも考えたことなかった!! そもそもわたしの心の性別は女なのか? 心の性別が男で同性愛者だったら、好きになる相手は男性だぞ? それって一見ノンケに見えるけど、根っこはぜんぜん違うぞ! オレ、どうなんだ!? 自分のことを知らなかった!! そして世の中には、いろいろな方がいた!!
初めて出会う方たちにショックを受けて、翌週行くかずいぶん悩みました。知らなくていい世界もあるんじゃないか? 知らないフリをして生きてゆくほうが楽だぞ? だって今まで単純に「男か女か」で分けていたのに、実際はたくさん種類があるのですよ! そしてうっかり言った言葉で相手を傷付ける可能性もある! それなら気づかないフリをして、男か女かだけで分ければいいじゃん!?
そう考えながら次の週末もトボトボと集会所へ出かけてゆきました……。わたしは知らないほうが楽だけど、わたしが知ることで誰かを傷付けることが防げるかもしれない。少なくとも相談に来てくださる方を傷付ける可能性を減らすことはできる……。それなら色々と教えてもらったほうが良いと思う……。
お酒を飲みながら繰り広げられるお話は、多岐に渡りました。それぞれのお仕事のこと、テレビやネットのこと、お天気のこと、なんでも話した。けれども性別について話すことは、ほとんどありませんでした。わかる人は聞かなくてもわかるし、わからない人は聞いてもわからない話題だからでしょうか?? わたしも質問するのは失礼かと思って、そういう話題に触れることはありませんでした。
ある時、みんなでパソコンの話をしていました。話題の中心にいたのは中性的な方です。お名前も見た目も中性的で、どちらかわからない。でも話が白熱して議論になったとき、わたしは思わず「姐さん、すごい!」と言ってしまいました。言った途端に後悔した! だって姐さんって100%女性への呼びかけです! もしこの方が男性に見られたいと思っていたら、傷付けてしまう!!
そしたら姐さんが唇の端でちょっと笑ったんです! この笑顔は後に何度も見るようになるのですけれど「パスした」時の笑顔です。「パスした」というのは男性の身体で心は女性の方が、女性に見られたいと思って女性の服装をして、知らない人から女性として扱われた時などに使われます。一言で言うと「上手くできた!」でしょうか?? 男性の身体で女性の服を着ても、骨格が違うから男性に見えてしまうことがあります。そういうのを上手にアレコレするのは意外と難しいようです。ですから希望通り女性に見られると、「パスした!」という笑顔が出るらしい。
週末ごとに通っていたのは半年くらいかなぁ? 最後のほうは顔馴染みになっていたなぁ(^▽^) ずっと通って信頼してもらって、集会所を開ける係とかさせてもらっていたなぁ♪♪
最初はビクビクしていたのに楽しく通うようになって、いろいろな方とお話できました♪♪ 皆さんマイノリティの悩みをたくさんお持ちですけれど、そういうグチや泣き言はほとんど聞かなかった。ただただ楽しく愉快な時間を過ごさせてもらいました(涙)。
ずいぶんと顔馴染みになった時、ある質問を投げかけてみました。「わたしの性的嗜好はなんだと思いますか?」 その時も10人くらいいたのですけれど全員が「マチは(レズ)ビアン」と断言(!!)しました!! わたし、レズビアンらしいですよ!! 知らんかったさ!! 自分ではノンケと思っていたのに、ちがうらしい!!
ソウ:…………(絶句)。わたし一応、人妻なんです。今まで男性としかお付き合いをしたことはないので、レズビアンではないと思います……。
一同:えええええええっっっっ!? マチがビアンじゃないなんて!!
……その驚きは、なんなんですか?? ビアンの〇〇さんがガッカリするのはわかりますけれど男性のゲイの方たちは、わたしがノンケだろうがレズビアンだろうが関係ありませんよね?(男性のゲイは男性を好きになるので、女性は対象外)なのになんでそんなにビックリしているのですか??
そんなこんなで楽しく過ごしていたのですけれど、ある日を境にパッタリと行かなくなりました。正確に言うと「行けなく」なりました。離婚して車を手放したので、交通手段がなくなったのです。それに社長夫人からビンボーなフリーターになってしまったので、遊びに行く金銭的な余裕もなくなった。
皆さんに会いたいなぁ、でももう会えないだろうなぁ。その時の思い出は、ときどき懐かしく思い出す大事な宝物になりました☆
そして昨日、テレテレ道を歩いていると、前を歩いていた方がハンカチを落とした。教えてあげないと!!
ソウ:あの……!
その方は気づかずどんどん歩いてゆきます。
ソウ:奥さん! ハンカチを落としましたよ!
普段は奥さんなんて失礼な呼びかけはしません。奥さんじゃない方だっているし、奥さんと呼ばれるのをイヤがる方もいる。でもその時はあわてていたので、つい奥さんと呼んでしまった。だって奥さんという呼び方が一番しっくりくると思ったんだもん!
女性はスカートを翻して振り向くと、落ちていたハンカチを拾いました。そして小さくわたしに頭を下げた。その時に、見慣れた笑顔がチラリと浮かんだのです。そうです。「パスした」時の笑顔が!! これ知ってる!!
歩き去る女性の後姿をガン見しました。穴があきそうなほど見つめた。足首が太い、そして手が大きい! この方、スカートをはいた男性だ!! ぜんぜんわからなかった! お見事です!! 見事にパスしてます!!
そして角を曲がる女性の横顔を見ると、なんと〇〇さんだった!! 毎週いっしょにお酒を飲んでいた、わたしが「姐さん」と呼んでいたパソコン強者の〇〇さんだ!! こんなに近所にいたんだ!! 知らなかった!!
あちらは私に気付きませんでした。当時のわたしは長い巻髪で最先端のフェミニンなお洒落をして、美人モデルみたいでした(苦笑)。いまは短髪で男か女かわからない服装をして、短い髪の毛を振り乱して必死で生活しています(苦笑)。当時のわたしを知っている人が見ても、気づかないくらい変わってしまった(苦笑)。でも、いいの! これが本当のわたし!!
…………(考えている)………………何度も会っていたのに再会して気づかれなかったということは、これはわたしが「パスした」ことになりますか?? わたしは姐さんのことがわかったのに、姐さんはわたしと気づかなかったということは、わたしの勝ちですか?? わたし、勝ちましたか??
…………ニヤリ( ̄ー ̄)(←パスした笑顔)。勝った☆(←いや、お前が変わりすぎだって)
マイノリティの方が暮らしやすい世の中になりますように! そのために世間のアホみたいな偏見がなくなりますように!! 誰でも本当の自分で生きられる時代が来ますように!! そしてまた姐さんに会えますように☆
サポートも嬉しいですけれど、拙書「姫さまですよねっ!?」をぜひご笑覧くださいませ(^▽^)/ 愉快で楽しい本です♪♪