「外語大ですか?」と聞かれて
すっかりご無沙汰してしまった。
文章を書くと、大学の友人が稀に褒めてくれるが、動機がそれしかないのでめっきり書かなくなってしまった。
書きたいことがあれば書けばいいが、それは連載などにとっておきたい気持ちもある。
さらに、中身のないことを書いても仕方がないという考えも持っている。
そうするとなかなか書けない。
さて、今日はワインの試飲会に参加した。
松尾研究室のMACCという起業コミニュティで知り合った農学部6年生と仲良く参加した。
20種類くらいのワインをサーブしてもらう。
フランスワインのエチケット(ボトルのラベル)にフランス語が書かれていて、ソムリエが名前の読み方に苦労していた。
ぼくは「○○ですね」と伝えた。
そこから、一緒に行った友人に選択している言語を聞いた。
彼はイタリア語だった。
これはかなり珍しい。
なにせ、ぼくはイタリア語選択者に初めて会った。
簡単なイタリア語を教えてもらって、和気藹々とした雰囲気を醸成していると、ソムリエのお姉さんが言った。
「外語大ですか?」
ぼくは、「あー、外語大じゃないんです」と答えた。
ここで「東大なんです」と欲張らない。
そんなことをしても、「え!すごい」と言われるだけで、その後に良いことが待っているわけじゃない。
だから、欲張ってはいけない。
「え、じゃあ、何大ですか?」と聞かれて答えないのは意地悪なので言うべきだが、そうでなければ言わないのが紳士としての振る舞いだ。
実は5分くらい前に文化祭の話をしていて、「駒場と本郷でイタリア語選択がピザ屋やってるよね」とキャンパスを口に出した。
そこまで言ったら十分だ。
それを聞いたうえで、「外語大?」と聞くならば、おそらくソムリエのおねえさんは東大に興味がない。
この素晴らしいワインの前では、常に異国の生産者たちに敬意を表したい。
低俗かつ悪趣味な方法で大学名を言うなんてできない。