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将棋の漫画から勇気をもらった

こちらの記事は、東京大学教養学部Aセメスター「将棋で磨く 知性と感性」の選考のために提出した作文を校正したものです。
自分の将棋への想いを認(したた)めています。作文中で紹介する『リボーンの棋士』が自分と同じ境遇の人たちに届き、その人たちが勇気を得ることを願っています。


自分は2020年の3月から受験勉強を始め、3回目の受験で東大に合格しました。

一人暮らしのため人ともほとんど会わず、唯一の生き抜きは漫画でした。たくさんの漫画を読む中で、自分に大きな影響を与えたのが『リボーンの棋士』という漫画でした。

『リボーンの棋士』では、奨励会を年齢制限で退会した主人公が、3年ほど経ってから将棋を再開し、アマチュアの大会で活躍します。

主人公のひたすらに前向きな姿勢と表情、努力が身を結んでいく様子、一度諦めた世界で光明が見えるストーリーに心を揺さぶられました。

孤独に包まれながら、結果が出ずに沈んで行く自分と主人公を勝手に重ねて勇気をもらいました。

主人公の友人も奨励会出身で、同じくアマチュアの大会で少しづつ結果を出していきます。
主人公と異なり卑屈な性格ですが、主人公に影響されて心を開き変わっていく様子も魅力的です。

ダメなときは柔軟に自分自身のやり方を変えていかなければいけないと思いました。

この漫画を読み始めたのは、受験勉強が3年目になってからでした。
この出会いがなかったら、受験を乗り切れなかったかもしれません。
作者の方に感謝の気持ちを抱きつつ、東大に入ったら将棋に触れたいと思っていました。
しかし、素人であるため将棋部に入ることは現実的でないと考え諦めました。
ところが、シラバスを読んだら将棋の授業が開講される。しかも初心者向けでした。

この機会を逃せば
自分が将棋に触れる機会はかなり限られてしまいます。

人生で将棋を覚える機会は何度かありました。
その中で最も将棋への渇望と感謝に溢れているのが今このタイミングです。
どうか素晴らしい先生方から将棋を教わり、きっと乾いたスポンジのように知識を吸収して棋力を伸ばす他の学生と切磋琢磨する機会を与えていただきたいです。


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さんきゅう倉田
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