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演奏中に身体のこと…考える?


音楽家にとって秋は繁忙期!
皆さまお疲れ様です…

個人的には、9月に入ってから10月末までで独奏・アンサンブル含めて16回のステージがあります。


 4スタンス理論をもとにした音楽のレッスンを泉谷地春先生から学んで、立て続く演奏機会の中でどう身体と向き合っているか、

「演奏中の身体のこと」についてお話ししたいと思います。



「本番」の疲労が起こすもの


 まず、演奏という行為(とあまり言葉を使いたくはないですが)は、

身体を駆使し、耳や神経を研ぎ澄ませ、練習して来たことを集中力によってどれだけ発揮できるかと緊張がはたらき、

 決して肉体的・精神的にまったくニュートラルな状態で終えるのは難しいことなのではないかと感じています。



 その物理的な「身体の疲れ」だけで終えられればリポーズ(身体をゆるめ、体幹を整える体操)大いにカバーできますが、

 演奏に対する心配な点、それによる精神的な困窮、次々いただいている演奏機会によるプレッシャーなど、「精神的な疲れ」も伴うものであろうと思います。


 そうした様々な「疲れ」が、私たちが生きていく上で大切なものを蝕むということは、こちらの記事で以前書きました。





4スタンス理論を取り入れてしている「疲れとの向き合い方」


 私は2019年に泉谷地春先生に出会い、毎月ピアノのレッスンとリポーズに通っています。

 ピアノという楽器を生業にしていると、1人で弾くこともどなたかとの共演もどちらもありますが、

 4スタンス理論による泉谷先生のレッスンにより、必要以上にどちらの場合も演奏の疲れを翌日に持ち越すことはほぼありません。


 体力がある?? 若いから??
(といっても今33歳ですが笑)

どれも違います!



①4スタンス的「正しいセッティング」は体力の消費が圧倒的に少ない


 以前から何度も記事にしている、4スタンス理論における「正しい立ち方・座り方」というのがあります。

 これは、身体のどこか一部だけに負担がかかったりすることのない、「全身が連動する」「脳が安定する」セッティングです。



 自分の骨格のタイプに合った身体の使い方が自ずと導き出されるセッティングなので、

 演奏家としては音色が良くなる・楽器が鳴ることもさることながら、
動物として「最も自然に多くの息ができる」セッティングでもあります。



 このセッティングで演奏していると、練習や演奏は「どんどん疲れが溜まる」ことではなく、「どんどん身体がゆるんでいくもの」ものへと変化していきます。

 「今日も弾いたぞ…」
 「身体が疲れたな…」
という感覚はご無沙汰です(笑)



②演奏中に身体が「違うよ」と教えてくれる


 上述の脳が安定するセッティングで練習や本番演奏をしていると、直感が助けてくれます。

「疲れてきたな」

「集中が切れてきたな」

「身体が歪んできたかも」

「身体に合わない弾き方してるかも」

  etc.

 その感覚がこのセッティングによって引き出されると、

必要以上に疲れを溜める練習や身体の使い方をしなくなり、ダラダラと長時間楽器を弾くこともなくなり、
あくまで頭が冴えたまま(集中を保って)演奏を続けることができます。





③日頃のリポーズで自分の身体を知り、仲良くなる



 リポーズは、汗をかいたり息が切れるような動作は一切ないゆったりとした体操です。


 最も重要ですべての要となる「正しい立ち方・座り方」もリポーズであり、

 他の動作も、現代人の日常生活の中では考えられないほど、ゆっくりと呼吸し、頭が無になり、身体の感覚に自然と寄り添えます。

(どのタイプでも同一の動作もあれば、
Aタイプ⇄Bタイプ、クロスタイプ⇄パラレルタイプ、1タイプ⇄2タイプで微妙に違うものもあります。)


 少し記事のタイトルに戻ると、皆さんは演奏中(特に本番中)に身体のことを考える暇や隙があるでしょうか?

私はありません。

というか、身体のことと音楽のことを頭で同時に考えるって無理なのではないか?とまで思っていますし、泉谷地春先生からもいつも導いていただいていることです。



 リポーズは、数ヶ月、数年と長いスパンでやり方を覚えて自分の身体を整えていく積み重ねがあると、

「現在の自分の身体の状態」が手に取るように分かり、また疲れの取れたニュートラルな状態に戻すことができるのです。

「いつもより左右差があるな」

「昨日より肩に力みがあるな」

「あぁ、私は◯タイプなのに稼働したい関節が動きにくくなっているな」

 etc.


 これらの向き合いは、いわゆる「お疲れ様」を自分に毎日していることになります。
 精神的な疲れも自分で見つけて、手放せる。(*^^*)


④リポーズで得た感覚を、いつの間にか本番でも生かしている


 では、本番中にセッティングだけでなく「リポーズ」が何故助けになるか。

 リポーズは家や楽屋でするもの、本番はコンサート会場でするものですよね。

 身体と向き合いゆるめることが、演奏に役立つということがピンと来ない方も多いと思います。

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