いのちの星屑

目を覚ますと、窓ガラスにかかる服の隙間から陽射しが差し込んでいた。が、そんな柔らかな光線とは裏腹に、心は気持ちの晴れない曇り空が広がっていた。いつものように重い体を引きずるように共同便所で尿をたしながら蜘蛛の巣に目を留める。今にも息絶えようとしている一匹の蠅がもがいていたが、肝心の蜘蛛を見つけることができなかった。そんな悶え苦しんでいる蠅を見ていると昨日までのつらい日々の記憶が脳裏に蘇ってきた。
つづく


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