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いのちの星屑

部屋に戻るとウシオ先輩が、呑気にスーパーファミコンをやりながら訊ねてきた。
「ヘマしたのどっちだ?」
 俯きながら、黙っているとヒロシの方から「自分っ」と顎を突き出していた。マジか?! ヒロシって、そういう奴だったっけ?……そう思っていると、負けた! という思いが込み上げてきた。ヒロシが自分より少し大人に見えた瞬間だった。その一件があってから、僕はヒロシとつるんでよく遊ぶようになった。すでに卒園していたウシオ先輩は、たびたび施設に電話を掛けてきては僕とヒロシは呼び出された。そういう意味では、先輩は僕たちのことををかわいがってくれていたのだろう、と思う。
つづく

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