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今期のコンサドーレと、来期の展望
先日、Jリーグの全日程が全て終了した。
今年1年もあっという間だったと実感するこの時期、皆さんは素敵なJリーグライフを過ごせただろうか?
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昨年から続く厳しい状況は今年も続いた。声出し禁止、スタジアムの収容人数制限、陽性反応による試合中止。なにより昨シーズンのしわ寄せで降格が4チームとなったのは大きかった。
かく言う僕も、結局スタジアムにはほとんど足を運ぶことなくシーズンを終えた。画面の前で1人歯がゆい思いをしながら試合を見ることも多く、それゆえの寂しさも感じた。
①今期の振り返り
・ざっくりと
クラブが掲げていた順位、ACL出場という目標には程遠く、昨シーズンに引き続き2桁順位となった(2020年は12位)。
良くも悪くも、来期に向けての修正がはっきりしていると思う。
新加入選手や大卒ルーキー組の活躍の裏で、得意だったはずのセットプレー得点率の減少、決定力の低下、というよりシュートをなぜか躊躇う選手たち、「マンツーマンディフェンス」(笑)なプレー。
勝てたはずの試合を沢山落としている、というのが今期に1番抱いた感想である。
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また、同じような負け方を繰り返していたのも気になった。
試合の入りいい感じ!→決定機が決められない!→結局相手が先制→終戦
盛ってるだろ!という人はぜひ試合を見直してみてほしい。嘘のように同じなので。
・いやいや、良かったところも…
正直に言えば、「こんなにストレスが溜まる試合をいくつも見せられて、本当に応援している意味があるのか」と真剣に考えた。これは初めてのことだ。
ただ、悪いところばかり見ていても仕方ない。なにより一番苦しんでいたのはチームであり選手であって、僕があれこれ言っても仕方ない。
ということで、明るい話題を(?)。
まずは大卒ルーキー小柏剛選手。
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小柄だが抜群のスピードを生かし、裏への抜け出しやゴール前への推進力、守備のチェイシングと走り回っていた。今期は7得点とチームトップだったが、決定力を修正すれば来期はさらに得点が見込めるだろう。
※追記…日本代表選出おめでとう!!
彼の1年先輩にあたる大卒トリオも、存在感が抜群だった。
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金子拓郎選手は今期4得点。素早いドリブルと切れ味のあるシュートで敵陣のゴールを脅かした。高嶺朋樹選手、田中駿太選手は守備への貢献度の高さと視野の広いプレーがチームを助けた。
青木亮太選手の活躍も忘れてはいけない。
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加入当初からスタメンではなく途中投入が多かったが、サイドやトップ下で攻撃センスを見せ、徐々に存在感が増した。強烈なミドルシュートは見ていて気持ちが良かった。
②来期に向けて
3点。
・決定力のあるストライカーを補強すること
・守備陣の改善
・温情ではなく、チームのための決断を
・ストライカー補強
とかくコンサドーレには攻撃的な選手が多い。トップ下、サイド辺りはポジション争いが激しい。が、肝心の1トップに関しては正直どうなのだろう、と思ってしまう。
シーズン途中でのアンデルソン・ロペス選手の離脱は痛かった。
札幌FWアンデルソン・ロペス、武漢へ完全移籍「感謝の言葉しかありません」(超WORLDサッカー!) - Yahoo!ニュース
泥臭く、足でも頭でも、とにかくゴールを狙いに行く存在が不可欠だった。その存在を欠いたせいか、ゴール数も減り、勝ちきれない試合も増えた。
やっと補強したミラン・トゥチッチ選手は、どちらかというとロペス選手とか、かつての鈴木武蔵選手、都倉賢選手とは違うタイプに思えた。
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別に彼が不必要というわけではない。来日してすぐにチームにフィットするのは難しいし、技術に関しても申し分ない。あとイケメン(?)
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の掲げる「超攻撃的サッカー」には「とにかくどんな状況でも点をもぎ取れる存在」が不可欠であって、それだけにロペス選手、あるいは昨シーズンにベルギーへ移籍した鈴木武蔵選手が恋しいと思ったシーズンだった。
・守備陣の改善
はっきり言う。マンツーマンディフェンスという戦略は向いているか?
90分走り続けられない選手たちにこれを求めるのはいかがなものか。
キャプテン宮澤裕樹選手の離脱が、チームにとっての大誤算だったと言える。
宮澤裕樹選手 負傷のお知らせ | 北海道コンサドーレ札幌オフィシャルサイト (consadole-sapporo.jp)
期間的にはたった1ヶ月程度だったが、改めて彼の存在の大きさを実感した。
基本的にコンサドーレの選手たちは、試合の中で流動的にポジションを変えながらプレーを行う。だからこそ、最後列でドンと構えることのできる存在が必要なのではないか。
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現在3バックの真ん中を務めることが多いのはキャプテン宮澤選手だが、実はMF登録。元々はFWの選手だったのだが、気づけばどんどん後退している。次はキーパーか!?
…ではなくて、確かに守備意識が高い選手で頼れるのだが、ボール回しが見ていて非常に巧みで、視野も広いので個人的にはボランチで見たいなぁ…というところ。
3バックの1人福森晃斗選手はJリーグ屈指のキッカーとして名高いが、どちらかというと守備が得意…には見えない(それでも以前よりは確実にスキルアップしていると思うが)。
田中選手は対人も空中戦も強いが、前線まで遠征することも多い。ミドルシュートが得意なことも大きな武器だ。前線にフィードも出来るが、パスミスが少し気になった。
となると、純粋な壁の選手がいたらなぁ…と密かに思っている(もう密かではないけど)。今年新加入の岡村大八選手のスタメンはないのか?とはシーズン中から思っていたので考えていただきたい。
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(個人的には福岡の奈良竜樹選手、大分のエンリケ・トレヴィザン選手、仙台の吉野恭平選手とか…という妄想)
・「チームのため」
はっきり言って、コンサドーレは資金力のあるクラブではない。
だからこそ、既存戦力の維持に全力を尽くしてほしい、と思う。
現時点では、神戸から注目と噂のあった金子選手、C大阪から注目と噂のあった菅大輝選手は残留を宣言した。両選手とも若手のホープであり、主戦力である。
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今シーズンは特に若い選手の活躍が目立った。注目を浴びるのは嬉しいが、引き抜かれたら…という不安があるのも否めない。プロの世界ではよくあることだし。
逆に、プロチームであるからこそ、結果にこだわってほしい。
ACL出場という目標は、掲げるだけでは着いてこない。勝つために何が必要なのか。今年1年は総じて、良い試合と悪い試合がはっきりしていたように見えた。どの選手を起用すべきかはっきりしたと思う。
残すべき選手、そうでない選手、そこには温情は必要ない(あくまでも個人的に)。
ただチームは人が集まってできている組織だから、難しさは当然ある。
色々と大変な点が多いだろうが、目標は高く、そのためにチーム力も高く、というのが来シーズンへの期待だ。
おわりに
ついつい長々と書いてしまった。
時間がある時にでも読んでいただければ…と思う。あと、これに対して意見があるとか、そういうのもぜひぜひお待ちしておりますゆえ。
ありがとうございました。Vamos!