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ってか、日向坂の曲について考えてみた。

日向坂46の6枚目シングル、そのタイトルとMVが発表されてあっという間に1週間が経った。

その名も「ってか」

以前記事でも書いた通り、金村美玖さんが初センターを務めるこの楽曲。曲の発表前から「かっこいいダンス曲が来そう」とオタクの間で話題になっていたが、蓋を開けてみればまさにそう。

曲調はそれまでのシングルとはガラリと雰囲気が変わり、MVも戦闘シーンや激しいパフォーマンスが印象的だった。細かいシーンやカットに早くも考察や憶測が飛び交っており、今後の展開も楽しみな所だ。

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やっぱり金村美玖はセンターだった…(なんの確認?)

が、同時にこう思った。

「なんなんだ、このタイトルは」


「ってか」というタイトル自体は、例の青い鳥がブログで匂わせていたり

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(上記ブログより)

突如駅構内にポスターが出現したり

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ここまで露骨な匂わせがあっただろうか、というレベルだった。

Twitter等の反応を見る限り「変わったタイトル」「ださい」という意見が多かった気もするが、正式に発表された後は嘘のように「ってか~」構文がTLにあふれるようになった。

てかてか騒いでいて、見ている分には面白い。白熱電球といい勝負だ。

単刀直入に言おう。こんなタイトルではせっかくの良曲がもったいない。くそだせぇ。

1.過去の曲を振り返る

日向坂の表題曲には変わったタイトルが多い。「キュン」から始まり「ドレミソラシド」と片仮名2連。これらはポップで親しみやすいと個人的には思う。

次が「こんなに好きになっちゃっていいの?」。前2作とは雰囲気も変わりオーケストラサウンドが印象的で、どこか物悲しい。ライブでは一体いつ披露されるのだろうか…

そして「ソンナコトナイヨ」。MCの最中にメンバーが「私なんかが…」みたいな話をすると、客席のどこからともなく「そんなことないよーー!」と聞こえてくる、というのを乃木坂のライブで何度も経験したことがある。関連性があるのかはわからないが。

日向坂初のアルバム、そのリード曲は「アザトカワイイ」。「あざとい」と「可愛い」を掛け合わせた言葉で、この期間はSNS等のコンテンツの盛り上がりがすごかった。

それを経て、待望の5thシングルが「君しか勝たん」。この「~しか勝たん」という構文も、古の時代よりオタクの界隈ではよく耳にしてきたものだ。

よく言えば「世間での流行を取り入れている」「小難しくなくとっつきやすいので印象に残る」ものが多い。

悪く言えば「奇をてらいすぎ」だと思う。

今回の「ってか」もそうだが、表題曲として世間の目に触れやすい、という意味では確かに「普通過ぎる」よりは「変わっている」もののほうが人々の記憶には残りやすい。オタクもどんどん発信するので広まりも早い。

が、それは「良い曲、聞きたくなる曲として」世間に印象付けられるわけではない。「変わったタイトルだな」という印象が付く。

実際に聴けば評価は変わるだろうが、題名という関門が邪魔をしていることに他ならない。

2.姉妹グループを見てみよう

まずは坂道と言えば乃木坂46

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今年で10年目となり、シングルは最新までで28枚、アルバムが4枚。

「おいでシャンプー」「ガールズルール」「裸足でSummer」など、先輩グループであるAKB48と通じるようなタイトルが多い。

17th「インフルエンサー」、20th「シンクロニシティ」はレコード大賞を受賞。

ちなみに最新シングルは「君に叱られた」。系統は「君しか勝たん」に似ている気がするが。

続いて欅坂46、もとい櫻坂46

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「不協和音」「ガラスを割れ!」「黒い羊」は、初めて聞いた時は衝撃的だった。曲調もタイトルにそぐわず主張が強め。

改名後は「Nobody's fault」「BAN」「流れ弾」。え、なんかかっこよくない?

3.タイトルの重要性

3つの坂道グループと比較してみても、日向坂だけ手抜き感を感じざるを得ない。

どんなに短い言葉だとしても、それ自体には色々な意味を込められるはずだ。それによって、曲の内容に深みが出たり、全体として1つの「作品」が完成するといえる。

Mr.Childrenの「くるみ」という曲がある。

くるみ、と言えばあの殻の固い植物か、あるいは女性の名前が思い浮かぶだろう。

しかし実は、曲の内容からこれは「未来」=「来る未」という意味を持つことがわかる。

※以前こちらの記事にちらっと書かせてもらいました

あるいは、曲のタイトルから「これが一体どういう曲か」とわかりやすいもの、これもまた良い。

失恋ソングを数多く世に送り出しているbacknumber、個人的に最たるものは「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」だと思う。

長ぇ~~~~~~~。でもめっちゃわかりやすい~~~~~~~~。

これくらいはっきりしたタイトルであればかなりとっつきやすい。覚悟(?)を持って、曲の世界に飛び込むことができる。

4.これらを踏まえて思うこと

日向坂はれっきとした王道アイドルであり、変わった路線を進むグループや駆け出しバンドなどではない。

「いかに世間に向けてアイドルっぽいコンテンツを提供するか」というところに重きを置くべきである。

「日向坂で会いましょう」があまりにも大喜利番組すぎるとか、外番組のバラエティでも大活躍とか、そういったイメージがあるのはもはや否定はできない。

だからこそ、彼女たちが歌う曲だけは「アイドルらしい」ものであってほしいと思うばかりだ。なにが「アイドルらしい」かは人それぞれだが、ともかく「曲のタイトル」もその要素の1つであるべきだと思う。

特に、「日向坂46」として走り出したばかりのタイミング。出だしでこれからのイメージが決まる、と言っても過言ではない。

他の坂道グループとの比較で、僕は一層その思いが強くなった。

「ってか」じゃなくて「By the way」とかどうですか?秋元先生…。


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