役に立たない妖精
目が覚めてすぐ枕もとにあるメガネをかけると妖精が飛び回っていた。
「おっはよー、今日も朝早いねー。今日の予定はなにかある?」
目を少しそらして宙に浮いたボードの予定を読み上げてやった。
「なるほど、君もなかなかに忙しいんだねぇ」
目覚めの一杯を飲むためにコーヒーミルを動かすと、12月生まれの妖精はコーヒーを挽くふりをしながらこんなことをつぶやく
「ラッキー、今日の私の射手座の運勢は1位だって。なにかいいことあるかなぁ」
朝の支度を終えて家を出て電車にのる。その間も妖精はついてくる。電車のドアが閉じて走り出すと、妖精は飛んでいるので電車においていかれそうになってしまい、加速する電車に追いつこうと必死にあとを翼をはためかせる。
ふと周りに目を向けるとメガネをかけた人たちが私と同じ用に電車の後ろの方を見ているのが目に入った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?