やはり、世間の事柄には興味が湧かない

世の中全般のことが恐ろしくどうでも良いことに思えてきてしまう。まあ、こういう自分の気質は昔からのものであった。何に対しても特に猛烈な興味が湧かなかった。器用にこなすことにはある程度、長けていたのかもしれないが、そういう状態では何かに卓越するということは無いに違いあるまい。

興味が無いということで特にひどいのがニュースについてであった。ジャーナリスティックな話であろうと、マスコミであろうと、そういう世間の人が関心を持ちそうなテーマについて、どうしても興味が湧いてこないのだ。

歳をとればこういう傾向に少しは変化が見られるかと思ったが、どうもそういうわけではなさそうである。老成もしないし、社会化もされないみたいだ。

ただ、何にも興味が湧かないということを表明することは勇気のあることだと思う。誰かに自分の話を聞いてもらいたかったら、誰かに対しても興味を持たなければならないからである。中にはそういう世間一般的なギブアンドテイクの関係性を気にしない、気楽な人もいるわけだが、おそらくそういう人は少数派であろう。世の中のことに興味津々であるような人間の方が好ましく思われるらしい。

フリーランスになってよかったのは、もう無理をして、外の世界のありとあらゆる時事的な問題に対して「興味のあるフリ」をしなくて済むようになったことである。徹底的に自己の狭いタコツボに籠りながら、すぐには役に立たない無目的な読書に耽るというのが無上の喜びになっている。

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