ローカルの日本料理屋にあった日本的なるもの
近所の日本食屋に行ってみた。『丼勝つ』という店らしいが、まだグーグルマップにも載っていない店だ。
店内で一際目立つのがレコードプレーヤーであった。昔の古い洋楽のレコードが棚に飾ってあった。流れていたのはビートルズの曲であった。
キムチ牛丼と味噌汁を頼んだ。意外と味はまともであった。もう少し量が多い方が良いのだが、これとミネラルウォーターで99バーツ(379円)であるから冷房付きレストランにしては安いと思う。さすがはオンヌットのローカル店というところだろう。
オーナーはタイ人らしい。店内のインテリアはお世辞にも調和が取れているとは言いがたいが、全体的にオーナーの日本への愛着が感じられる。
帰り際に若いオーナーに、レジのところに貼ってあるシールはどこで買ったのか?と聞いたら、ショッピーで買ったとのことであった。
うーむ、やはりというか何というか、日本的なキッチュなモノというのを好む外国人というのは一定数いるのだと思う。
レジのところに貼ってあるシールだが、
県庁通り
日本が好きです
カルピス
京急東神奈川
薬 マツモトキヨシ
サンドラック
などなどがある。
これらのキーワードというか、表象に惹きつけられる感覚は外国人ならではのものだよなと思う。確かに強烈なキッチュさだ。
この辺りの日本的な文化の魅力が外国人にとって描き出された例というのは、ロラン・バルトの『表徴の帝国』ぐらいしか私は知らないのだが、こういう悪趣味な日本というのを外から眺めた時に、悪趣味という価値が逆転して、一気に異質な魅力を放つんだろうなと思う。
この醜悪さの強烈な魅力を見逃すべきでは無いだろう。