こうなることはわかっていました (日常英語表現5)
sign up for …
文字通りに取れば「…のために署名をする」ということですが、広く「…に申し込む」という意味で使われます。例えば、「5キロのマラソン大会に申し込んだ」であれば "I signed up for a 5k" となります。
さらに、この表現は文字通りの「申し込み」の文脈を離れて比喩的に使われる場合も多くあります。最近では、雑誌『ニューヨーカー』のポッドキャスト番組 "Radio Hour" の中で行われたインタビューで、デラウェア州選出民主党連邦下院議員のサラ・マクブライド (Sarah McBride) が口にしました。
マクブライドは11月4日に大統領選と同時に行われた連邦下院選で初当選し、トランスジェンダーであることを公表する史上最初の連邦議員になりました。すると、選挙直後にサウスカロライナ州選出共和党下院議員ナンシー・メイス (Nancy Mace) が、連邦政府が所有する施設で「生物学的な男性が女性用施設を使うことを禁止する」法案を提出することを発表します。この法案がマクブライドを狙い撃ちにしたものであることは明らかであり、論争を起こしました。
ポッドキャスト番組では、インタビュアーにメイスの法案提出を受けてどのように感じたかを問われたマクブライドが次のように答えます。
ここで "what I was signing up for" という表現で表されているのは、「選挙に立候補する」ということよりも、「連邦議員になることによって直面せざるを得なくなる様々な困難」です。このように、「何かをするにあたって当然予期されること」という意味で "what <人> sign up for" が使われることは非常によくあります。
関連表現
「でもそれがあなたが選んだことです」: "But that is what you signed up for" 大学院でのセミナーで課題文献の多さについ愚痴をこぼしたクラスメイトに先生が放った一言。
「こんなの聞いてない!」: "This is not what I signed up for!" 安請け合いした仕事が思いのほか大変だった時に使えるフレーズです。すでに定番の表現になっているので、このように現実にsign up (署名、申し込み) をしそうにない場面で使われることも少なくありません。