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ALUMNI STORY TMI総合法律事務所 藤井 康太(法学部卒) さん

東北大学の出身者や関係者でスタートアップ界隈で活躍されている方、そして官公庁や大手企業などにいるこれから東北大発のスタートアップに関わっていきたいと思われているOBOGの方々をご紹介する「東北大学スタートアップアルムナイ100人カイギ」このイベントで収録された東北大学OBOGの講演内容を「ALUMNI STORY」として記事化してお送り致します。
※東北大学スタートアップアルムナイの詳細についてはコチラをご覧下さい。


自己紹介:現在はTMI総合法律事務所で弁護士を務める

※こちらの収録は2023年2月に行われたものです
ご紹介に預かりました藤井康太と申します。どうぞ、よろしくお願いします。
1988年に岩手県で生まれ、今年でもうすぐ35歳になります。高校時代まで岩手県で生活して、東北大学入学を機に仙台に引っ越してきました。そのまま法学部を卒業して、一橋大学の法科大学院を出て、その後、弁護士になっているという感じです。基本的には、大学入学以降は、弁護士になるための勉強をしてきたというところが、時間的には長かったのかなと思います。

大学卒業後は法曹の道へ、現在はTMI総合法律事務所で弁護士を務める

弁護士になった後に、TMI総合法律事務所という、日本の大手法律事務所の1つに就職して、3年ほど務めた後、総合商社の法務部に出向する機会がありました。その後、アメリカのシカゴ大学ロースクールへの留学と、ニューヨークのメイヤー・ブラウンという法律事務所での勤務を経て、昨年の夏から、またTMI総合法律事務所に復帰しております。

米国で、ニューヨーク州の弁護士資格とカリフォルニア州の弁護士資格をとって、今でもシリコンバレー関係の案件は多く担当しております。

大学入学前:のんびりとした高校時代、受験期の追い上げで東北大へ

高校時代まではサッカーにのめり込んだ一方で、勉強の方は、あまり目的意識が持てずに、受験期までは何となく宿題とかをこなしていった感じでした。ただ、当時のサッカー部にはめちゃくちゃ成績優秀な先輩や同期が多くて、そういう人たちが、当時の司法試験の合格率とか、新しくできる法科大学院制度のこととかを話していて、きちんと将来のことを考えて勉強に取り組んでるのを間近で見て、漠然とした焦りのようなものは感じていました。サッカー部の同期十数人の中で、私含めて少なくとも3人は弁護士になってると思いますよ。サッカーに限らず、そういういい刺激を与えてくれる同期や先輩に恵まれたなと思います。

ただ、そういう環境にいてじゃあ自分も弁護士目指そうとなったかというと、当時は全然そんなことはなくて、将来やりたい仕事とかははっきりしないままでした。それに比例して成績もぱっとしなかったのですが、受験期になって模試が多くなったあたりからようやく火がついて、何とか東北大学法学部に受かったという感じでした。地方のあるあるだと思うのですが、東京都内のように受験予備校が充実しているわけでもなく、高校の授業と自習だけの、手探りの状態で準備しなければならないので、その中で何とか結果が出たのは一つ大きな自信になって、自分の中でも、初めての大きな成功体験というのが、東北大学から与えられたものだったなと、いま振り返ってみると思いますね。

大学入学後:ようやく勉強が楽しいという感覚に!大学の無料法律相談所で経験を積む

高校時代までは、サッカーを除けば何かにのめり込むようなことがあまりなかったのですが、東北大学に入ってからは、法律の勉強それ自体がどんどん面白くなっていって、色々な教授のゼミに入ってアカデミックな論点も突き詰めて、司法試験の勉強もどんどんやっていってという生活でした。
これは、法学部志望の人とか、法曹を目指す人とかにしか関係ないと思いますが、私が東北大学法学部に入っていた頃、サークルのような自主ゼミがいくつもあって、私は東北大学無料法律相談所というところに所属していました。東北大学無料法律相談所は、他のサークルと若干違いがあって、実際に法律に関する相談をしたい外部の方をお招きして、教授や現役弁護士のバックアップのもとで、実際にその法律相談へのアドバイスをしよう、という活動をしていました。

そこに来る相談としては、離婚に関するものや、行政と揉めているので助けてほしいといったものが多くて、私が今担当している企業法務の案件とは全然異なる分野のものが中心でした。ただ、当時相談にいらした方にしても、今のクライアントにしても、どのようにコミュニケーションをとって、どのように納得感のある解決策を提供するかというのが、非常に重要になってきます。そういった意味で、大学在学中から、外部の、真剣に相談したい人からしっかり話を聞いて、法律知識を共有するだけでなくて、どういうふうに解決すればいいのかというソリューションを提供する経験が早いうちからできたのは、私の弁護士としての基礎に少なからず良い影響を与えているのかなと思っています。

現在の仕事内容:アメリカ長期滞在で、アメリカ経済の力強さを実感

ご存知の通り、M&Aとか投資案件とかはデッドラインがしっかり決まっているので、それに絶対間に合わせなきゃいけないという、常に時間に追われてるような、プレッシャーを受け続けながら生活しているという感じです。
そういった苦しさはある一方で、一個のディールをやっていく中で、入り組んだ法的な問題点なんかを解きほぐしてやっていくということが、すごく面白いなと思っています。

留学までは、目の前の仕事をやること自体がかなり楽しいという感じでやってきたところですが、アメリカへの留学を通じてちょっと意識が変わりました。私としても、初めての長期間の海外滞在で、今1番の経済大国アメリカに(今は中国もすごい勢いになっていますが、)住んでいるビジネスマンや弁護士から見たときに、日本や日本企業はどういうふうに見られているのかなっていう視点を、ちょっとだけ理解できたということが大きかったです。

日本は、グローバルな経済の世界でいうと、少なくとも1990年代、2000年代前半ぐらいまで、非常に存在感があって、自動車産業は今もトップだと思いますが、その他の産業分野においても、トップの国だと認識されていました。だから、当時はアメリカの法律事務所の弁護士は、どうやって日本の会社をクライアントにするかということを考えていて、留学した日本人弁護士は日本企業とのつながりを作るきっかけとして、丁重に扱われていたと聞いています。ただ、今は日本の様々な企業、もちろんすごい企業も、スタートアップの中でもたくさんありますが、それがグローバルな世界で通用しているかというと、必ずしもそうじゃないところも出てきていて、アメリカや中国をはじめとして、日本を凌ぐような経済大国から、新しいイノベーションが生まれたり、あるいはそれらの国の大企業はさらに力をつけるというパワーバランスになってきていると思っています。
ロースクールの授業でも、日本の法制度や日本企業のガバナンスに言及されるのは、90年代・2000年代頃の話が多くて、現状との対比で色々と考えさせられました。大まかな話ですが、日本の位置付けみたいなものを、肌感として知れたことが、まず良かったのかなと思います。

今後貢献していきたいこと:もっと日本企業の存在感を高めるために!弁護士としてサポートしていきたい

そんなアメリカでの経験を通じて、いま日本に戻ってきて色々な仕事をやっておりますが、今までは、仕事自体が面白いという内在的なモチベーションが主だったところに、もっと日本を、経済的にも文化的にも盛り上げるために何かできないかなというモチベーションが加わりました。

私はいま、弁護士9年目に入りましたが、いまは外在的なモチベーションが強く出てきていて、「日本のスタートアップをどうやって世界水準のスケールに成長させていくか?」「イノベーションが次々に生まれる環境をどのように築いていくか?」「アメリカのマーケットに、どうやって食い込んで勝ち上がっていくか?」という目標に向って、自分がサポートできればいいなと思っています。

その具体的な表れとして、例えば、インバージョンと言われるスキームを用いて、日本にあるエンティティをアメリカのエンティティに鞍替えして、アメリカの投資家から出資を引き受けて、アメリカのNASDAQやNYSEに上場するためのサポートを行うといった案件があります。もちろん、こういった案件では米国の法律事務所との協働は不可欠になりますが、日本のマーケットに留まらず、米国や世界のマーケットで勝ち上がることを目標とするクライアントを、どこまでもサポートできる弁護士になるというのが、私のキャリアの次の数年間の目標です。

だから、私にとっての仕事は、もう単純にパズルを自分だけで解いていくというものじゃなくて、もっと日本のために、あるいは世界に出ようとする起業家のためにやっていきたいという思いがあります。

[東北大学スタートアップアルムナイ-コミュニティについて]

「東北大学スタートアップアルムナイ」コミュニティは、ハッカズーク社提供の「https://official-alumni.com/」を活用し、有志が運営しております。

現在本コミュニティへの登録は、招待/承認制とさせていただいております。東北大OBOG(および関係者)であったかなどの在籍確認や、本コミュニティへの貢献意思、スタートアップ業界でのご活躍状況などを登録の際に確認させて頂いております。その為、ご登録までにお時間がかかる場合がございますので、その旨あらかじめご了承ください。

https://app.official-alumni.com/register/tohoku-u


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