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2024年によく聴いた音楽・その3

その2はコチラ

ということで早速、2024年によく聴いた音楽・その3を無い語彙力でゆっるゆるで紹介していきます。


KLIM / Simplicity

KLIM / Simplicity

ウクライナ・キーウのビートメイカー"KLIM"による2024年リリースのビートテープLP。ジャケから分かる通りSP-1200をメインにビートメイクしていて、特有のジャリつきとドラムの質感が最高。KLIMのビートメイクのスピードが速いのか毎週ビートが上がっている気がする。有難いけど少し末恐ろしいぜ。
おすすめは、T8"Euphoria"。シンプルだけどちゃんとツボを押さえたベースラインがまた良い。


Jaden Evans / Evans on Evans

Jaden Evans / Evans on Evans

ニューヨークのピアニスト"Jaden Evans"によるBill EvansへのトリビュートLP。Jadenの祖父はあのBill Evans。しかも若干16歳。少々荒削りとは言え十分その才能を感じさせる。ベースは"Vicente Archer"、ドラムは"Marcus Gilmore"とどちらもグラミーアーティストという完璧な下支えになっている。ちゃんと後進を育てようというジャズ界の意志が感じられて良い作品。
おすすめは、T8"Waltz for Debby"。この曲はBill Evansが27歳の時に2歳の姪のために送ったもの。それを孫がこうやって引き継いでるんだから面白い。


Chris-n-Teeb / Really Pushin' P

Chris-n-Teeb / Really Pushin' P

ニュージャージー・アトランティックシティのクロスオーバーデュオ"Chris-n-Teeb"による2024年リリースのLP。ソウル、ジャズ、R&B、ゴスペル、ヒップホップなどの良いところを集めて凝縮した、そんな感じ。収録中の雰囲気がとにかく良さそうな事だけはちゃんと伝わる作品。まぁカッコ良い。DJ Jazzy Jeff主催のThe PLAYlistsみたいな感じの雰囲気。つまり最高って事。
おすすめは、T2"Pneuma"。フリーセッションみたいな感じが良いよね。特にドラムソロのところとか合いの手とかも含めて最高だよね。


i///u / Play For Someone You Love

i///u / Play For Someone You Love

ワシントン・シアトルのネオソウルバンド"i///u"による2024年リリースの新譜LP。ワシントン大学の同門を中心に結成されたバンドで、ネオソウルを軸にジャズの要素加えた感じがとても心地良いグルーヴを生み出してる。ボーカルのKatyrose Jordanの声も歌い方もまた良い。メンバーの中にはデザイナー、写真家、映像作家など多彩なクリエイターが参加しているらしく、もはやネオソウルバンドという括りでは無いのかも。
おすすめは、T8"Seatle Heat"。このバンド、Wakaiのラップとも合うんだよなぁ。底知れないよ。


Nefertitti Avani, Misha, Evil Needle / Odyssey

Nefertitti Avani, Misha, Evil Needle / Odyssey

オハイオ・クリーブランドのR&Bシンガー"Nefertitti Avani"、フィンランド・ヘルシンキのプロデューサー"Misha"、フランス・オーランのトラックメイカー"Evil Needle"の3人名義による2024年リリースのEP。Evil Needleの壮大な世界観の曲が個人的に好きだから、Nefertitti Avaniのような歌姫的な歌い手だったり、Mishaのような奥行きのある曲の作り方してくれる人と組んで貰えると相乗効果マシマシでめちゃくちゃ助かる。
おすすめは、T7"Make Believe"。Nefertitti Avaniの妖艶さとこのトラックとの親和性がもうね。


Kubla / Sounds from Deep Down

Kubla / Sounds from Deep Down

カナダ・トロントのSSW/プロデューサー"Kubla"による2024年リリースのLP。しっとりとしたR&Bを軸にソウル、ジャズの要素を加えた雰囲気。どの曲もむちゃくちゃオシャレ。Tom MischやJordan Lakeiが好きな人にはハマると思う。
おすすめは、T6"The Art of Chess/The Game of Love"。このオシャレ感、たまらないよね。


Rob Araujo / Twitch Tape 002

Rob Araujo / Twitch Tape 002

LAのピアニスト/ビートメイカー"Rob Araujo"による2024年リリースのビートテープ。Lo-Fi、Boom Bapを軸に自身が演奏するピアノを乗せていくスタイルのビート。ビートとしてはシンプルながらもパーカスやノイズなどの小ネタの加え方と構成と展開の組み立て方が天才的で、なんとも言えないグルーヴを醸し出してくれる。この雰囲気、もう大好物ですよ。もちろん2024年のベスト9入り。
おすすめは、T2"Flo"。上音やピアノの展開が神がかり的。こんなん好きになるに決まってんじゃん。


takoda, daniel hayn / Together Tomorrow

takoda, daniel hayn / Together Tomorrow

LAのトークボックス使い"takoda"と同じくLAのマルチ奏者"daniel hayn"のダブルネームによる2024年リリースのLP。二人の演奏のスキルの高さは然ることながら、驚くべきはその客演の豪華さ。Kiefer、CARRTOONS、Luke Titus、Miguel At-Wood Ferguson、Vooo、Telemakus、Jon L. Smithなど、とんでもない顔ぶれ。交友関係どうなっているんだ。
おすすめは、T9"Wanna Know"。Kiefer、CARRTOONS、Luke Titus参加とか現代のネオジャズアヴェンジャーズかよ。


Gareth Donkin / Suite Escape

Gareth Donkin / Suite Escape

イギリス・ロンドンのSSW/プロデューサー"Gareth Donkin"による2024年リリースの新譜EP。70年代中〜後期のMichael Jacksonを彷彿とさせる雰囲気がたまらない。あの時代のMichael好きならハマる事間違いない。最近、インスタでルーパーを使った即興トラックメイキング動画をアップしてて、それが中々にカッコ良い。いつもめちゃくちゃ楽しそうに歌うよなぁ。
おすすめは、T7"Nobody's Perfect"。ベースラインのブリブリ感が最高。


Ezra Collective / Dance, No One's Watching

Ezra Collective / Dance, No One's Watching

イギリス・ロンドンの現代のUKジャズシーンをリードする5人組ジャズ集団"Ezra Collective"による2024年リリースの新譜LP。題名を見たら分かる通り踊るのにもってこいな一枚。今回は全体的にややAfro Beat寄り。Fela KutiとかTony Allenとかが好きな人はこれ聴いとけば間違いない。
おすすめは、T5"God Gave Me Feet For Dancing"。この題名、最高だよね。MVの雰囲気、最高。


Tanhai Collective / In Lane

Tanhai Collective / In Lane

イギリス・ロンドンの6人組ジャズグループ"Tanhai Collective"による2024年リリースのEP。新時代UKジャズシーンにおいて着々と頭角を表し始めている正統派哀愁系ジャズ。70年代前〜中期のJazz Funkの良いところを受け継いで、そこに新しい音を上手く調和させてあるのが凄い。
おすすめは、T3"Ode Two"。やっている事は物凄くシンプルなんだけど、古臭くならないのが良い。そしてちゃんとカッコ良い。


Braxton Cook / My Everything

Braxton Cook / My Everything

ニューヨークのSSW/サックス奏者"Braxton Cook"による2024年リリースの新譜EP。サックスのスキルはもちろん、シンガーやプロデューサーとしても十分過ぎるほど高いスキルを持っていて、この作品でもその多才さを感じさせてくれる。ちょくちょくTiny DeskにTom MischやPhony Pplのサポートメンバーとしても参加している。
おすすめは、T3"My Sun"。Elijah Foxのピアノとの相性が抜群すぎる。


Glimlip / Shades of Purple

Glimlip / Shades of Purple

オランダ・アムステルダムのビートメイカー/マルチ奏者"Glimlip"による2024年リリースのLP。彼を中心に様々なアーティストとの共演作をまとめた作品。ドラムの質感の良さだったりベースラインの渋さだったり小ネタの使い方が上手かったりと自分が好きなツボを結構な頻度で押してくる。KieferだったりRob Araujoに近いタイプかな。
おすすめは、T13"Lavish Box"。このハネる感じとRhodesのコリコリ感がたまらないよね。


Seafood Sam / Standing on Giant Shoulders

Seafood Sam / Standing on Giant Shoulders

カリフォルニア・ロングビーチのラッパー/シンガー"Seafood Sam"による2024年リリースのLP。淡々と語る落ち着いたフロウのラップがどことなくSnoop DoggやMF Doomなんかの雰囲気を感じる。バックトラックもクールでオシャレなのも良い。ラップアルバムだけど、R&Bのような感覚で気軽に聴けるのが良いよね。
おすすめは、T13"Lagonda"。このスムースな感じが聴いてて気持ちが良い。


Little Simz / Drop 7

Little Simz / Drop 7

イギリス・ロンドンのラッパー"Little Simz"による2024年リリースの新譜EP。今回はメインプロデューサーをJakwobに迎え、テクノ、Dub Step、UKガレージといったクラブミュージックを意識した作品になっている。音数の少なさやミニマルな構成の割には耳残りの良いキャッチーな曲の仕上がりになっているのは流石といったところ。
おすすめは、T7"Far Away"。7曲目でこういう曲持ってきた時により高揚感が増す仕組みになってるのホント面白いよなぁ。


Kaelin Ellis / You Are Here, Start.

Kaelin Ellis / You Are Here, Start.

ブルックリンのマルチ奏者"Kaelin Ellis"による2024年リリースの新譜LP。ここ数年で色々なアーティストとコラボし様々なグルーヴを吸収しさらに進化。唯一無二のセンスがさらに磨きがかかり、もはや手が付けられない状態。今回はSaba、Iman Europe、Moody Bank$などのアーティストが参加。ホント毎回むちゃくちゃカッコ良いグルーヴの曲作るよなぁ。
おすすめは、T4"Heart"。Sabaともバッチリ合っちゃうもんなぁ。ズルい。


Terrace Martin / Nintindo Soul

Terrace Martin / Nintindo Soul

LAのマルチ奏者/プロデューサー"Terrace Martin"による2024年リリースのLP。今回はジャケだったり題名にもある通り、某任天堂を意識した作品になっているみたい。いや待て、蓋開けてみたらただの超良質なR&Bなだけだよ。どういうこと?任天堂どこに行ったの?でも、カッコ良いからそういうのは気にしない。
おすすめは、T7"Confusional"。めっちゃヨレたドラムと歪んだピアノネタが良い感じ。


Silas Short / ILIKEU

Silas Short / ILIKEU

シカゴのSSW/プロデューサー"Silas Short"による2024年リリースのシングル曲。プロデューサーはあの恐ろしく曲を出すスピードが速いので有名なRyan James Carr。こういう雰囲気、大好物だから、今後、EPとかLPとかの規模で出して欲しいね。


Cordae / The Crossroads

Cordae / The Crossroads

メリーランド・シュートランド出身のラッパー"Cordae"による2024年リリースの新譜LP。内容、全体の流れ、曲のバリエーション、聴きやすさ、どれを取ってもめちゃくちゃ良くて、リリースしたのが11月中旬だったけど十分すぎるほど聴きまくった。12月はほとんどこれを垂れ流してた記憶しかない。Joey Bada$$、Lil Wayne、Kanye West、Ty Dolla $igh、Anderson .Paakといった豪華な顔ぶれも魅力。
おすすめは、T12"No Bad News"。T5もそうだけどKanye愛がだだ漏れなのが良いよね。YeのコーラスがAIで作られたんじゃないかと疑惑が上がったんだけど、Cordae自身が「iPhoneの録音から引用した」ってコメントしてちゃんと否定したっていうのがあったんだよね。


Kendrick Lamar / Not Like Us

Kendrick Lamar / Not Like Us

皆さんご存知カリフォルニア・コンプトン出身のラッパー"Kendrick Lamar"によるDrakeへのアンサーディスラップ曲。ホント色んなところで流れてて嫌が応でも聴いてたから、流石にこれは紹介せざるを得ないだろうと念のためリストイン。言葉選びや引用元のセンスはもちろん、Mustardのこのビートも最高だよね。ただ、やっぱり経緯と内容が内容だけに、そんなに頻繁に所構わず掛けていい曲なのかとちょっと考えちゃうよね。ちょっと複雑。


2024年のベスト9

といった感じでしょうか。ふう、長かった。計60枚、なんとか書き切れました。ホントはもっと厳選に厳選を重ねてもっとコンパクトにしたかったけど、紹介したい曲が多過ぎてこんな事になってしまった。

さてはともあれ、2025年もどんな良い音楽に会えるか楽しみだ。

ではでは。


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