できる音楽家が自分を疑う理由
結論
無知な音楽家が自分に自信を持ちすぎる一方で、本当にできる音楽家は自分を疑うんです。これはラッセルの考えですが同意します。
ダニング・クルーガー効果
ダニング・クルーガー効果というのは、何かが苦手な人ほど自分は得意だと思い込み、何かが得意な人ほど自分が下手だと思い込む心理効果です。
世界中の音楽大学で教えてきましたが、どの国のどの世代のどのスタイルのどの楽器のどのレベルの音楽家を見ても顕著に表れている効果です。
なぜこんなコトになる?
4つの象限で考えましょう。
①既知の既知
既知の既知とは、知っていることを知っているという意味です。楽器の操作方法を知っているということを知っているみたいなものです。
②既知の未知
既知の未知とは、知らないということを知っているという意味です。ピアニストが室内音響学の吸音計算ができないと自覚しているみたいなものです。
③未知の既知
未知の既知とは、自分で知ってるということを忘れたりしているけど実は知っているという意味です。子供の頃歌った曲が流れたら一緒に歌えますよね? これです。
④未知の未知
未知の未知とは、自分が知らないことすら知らない状態です。ハーバードの学生達はバークリーの学生よりも音楽的に優れている人が多いのはご存知でしたか? そんな世界知るよしもありませんよね? つまり自分の意識の外にある知識ですので、気付くことができないんです。これがあることを知ると音楽人生変わります。
変換してゆく
最初にピアノを触ったときに右手でドレミを押さえたでしょう。親指で白い鍵盤が並んでいる場所をドと覚えて・・・とやりました。①既知の既知で音階を弾いています。この状態は世の中にどれだけのピアノの技術があるか知るよしもありません。④未知の未知が多すぎるのです。練習して行くうちに②既知の未知が増えて行くのです。そして時間が経過すると音階を弾くことなんて無意識でできるようになります。つまり、③未知の既知に変わっているのです。
怖いのは
怖いのは自分が向上すればするほど、②既知の未知が増大して行くのです。
だからできる音楽家ほど自分を疑うのです。
演奏時に横柄な一流音楽家なんて見たことないでしょ? 一流音楽家なん②既知の未知が多すぎて、自分がイジメに遭ってるような気分なんです。いつか一流になってそのような気分を味わってみたいですね。
おしまい♫
津本幸司
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