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音楽家がこの秋読むべき作品3選
文学
私が常々驚くのは、世界に誇る日本の文学を読んだことがない音楽家が多いところです。これほどダイレクトに自分の音楽感性を育て上げる近道があるのになぜ使わないのでしょう・・・彼らの文学にある文章を一つだけ読んで考えるだけでも、西洋の音楽家を出し抜くことができます。無論、競争ではありませんけどね。
いくつか紹介します。
川端康成「雪国」
いきなり昭和です。一文ずつ一瞬でその世界にタイムスリップさせてくれます。聖書のように開いていいと思います。日本人でよかった、イマジネーションがあってよかった、本があってよかった、生きててよかった・・・と、思いますよ。
「気持ちが見える」魔法というのはこのことです。
浮気、売春、嫉妬、死・・の流れはオペラの歴史を集約しています。
樋口一葉「たけくらべ」
明治時代に飛びます。
「ああ、こっちの人はこう思ってるのに・・・なんで気付いてあげないの」「ああ、お互いそう思ってるんだったらさぁ・・・」というもどかしさもあり、「わかるわかる」「しょうがない」という悲しさもあり、環境に染まる生き物であることもわかり・・・なんということでしょう。
24歳で逝去した女性の文章とは思えないエロとピーターパンとメロドラマ、日本の古典文学の要素、世界の名作がなぜこんなに凝縮できたのでしょう。
7つ下の滝廉太郎が同じ時期にあれだけ世界を回ってる時に下町で脳内だけでこの世界観を出せるのは奇跡だと思います。
しかし明治の言葉では流石に読めませんので、現代語訳がいいと思います。
正岡子規の俳句や短歌
この人が紙幣になってないのはおかしいと思います。夏目漱石の次の千円札は親友の正岡子規だと思っていました。野口英世の次こそ・・・と思っていました。でも、横顔があまりに有名だからダメなんでしょうね。
俳句、短歌・・・これは音楽です。制限の中で右脳を使った発想に、左脳を使った添削を加えて、宇宙観を表せたのは正岡子規だと思います。
良い育ち裕福、高学歴、世界的経験・・・右脳と左脳の使い分けができ、苦手な小節をロスカットした人生は、ジャズ・ミュージシャンそのものです。
秋にこの3人
このお三方の作品は古典にルーツがあるのです。私達音楽家が中世・ルネサンス・バロック・古典・ロマン・・・を勉強する手がかりになれば嬉しいです。
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津本幸司
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