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音楽家断念のしくじり3名(実話)

失敗例3つ

今までに多くの成功音楽家を見てきましたが、同時に失敗音楽家も見てきました。私が人生で経験した日本人音楽家の最悪な例を三つ紹介します。

一人目

奥様がご病気になった40代半ばの音楽家でした。「今別居中だけど、病気になったので一緒に居てやりたいから、音楽なんかやってる場合じゃなくなった」というのが最後の言葉でした。現在は介護ストレスでご本人が精神科通いになってしまいました。

二人目

30代半ばの音楽家で、SNSでFXの成功者を見付けたそうです。「元手が必要だから音楽なんかにお金を使ってる場合じゃなくなった」というのが最後の言葉でした。1年後に自己破産したそうです。

三人目

上場企業勤務のストレス解消に格闘技のレッスンに通っていた40前後のサラリーマン音楽家です。「怪我が付きものだから音楽なんかをやる自分の体に気遣ってられない」というのが最後の言葉でした。顔面と手足を骨折し、格闘技はもちろん仕事もやめたそうです。

共通点

共通点はお分かりでしょうか「音楽なんか」という言葉です。このような言葉は人生の岐路に立った時にはじめて本能的に口から出るのです。「音楽なんか」という言葉は、音楽を人生の「トッピング」程度に考えていたということです。つまり音楽を、何かが起こると最初に犠牲にする「お遊び」程度に考えていたのです。これでは音楽家として資産形成することは到底無理です。

幸福度調査

ここで幸福度の有名な調査結果を紹介しましょう。世界最大の世論調査会社ギャラップ社が50年かけて150カ国の幸福度を高めるために必要な要素として導き出した五分野は、人間関係、身体関係、金銭関係、仕事関係、社会貢献です。どれか一分野だけであれば66%の人が満足していますが、全ての分野に満足できるのはたったの7%です。93%の人が全ての分野に満足することなく人生を終えるのです。

音楽家として生きるるということは、人間関係、身体関係、金銭関係、仕事関係、社会貢献の五分野において、仕事関係と社会貢献の二つを合体させて「音楽関係」と考えることです。私が全てのセミナーにおいて、人間関係、身体関係、音楽関係、金銭関係の四分野を満たすことに集中しているのはそのためです。

しくじりの理由

上記三人の失敗例では、一人目は人間関係に比重を置き過ぎたのです。二人目は金銭関係に比重を置き過ぎたのです。三人目は仕事関係と身体関係に比重を置き過ぎたのです。崩れたバランスを元に戻すのは、崩すよりもパワーが要ることです。それが難しくて音楽人生はもちろん、人生まで崩壊してしまったのです。そして、何よりも「音楽家としての生き方を軽んじていた」のが最大の原因です。言い換えれば「ミュージシャンシップの欠如」が原因なのです。

音楽家として生きることの大切さ、つまりミュージシャンシップを培えば資産になります。大切なことなので言葉を変えてもう一度言います。ミュージックがお金になるのではなくて、ミュージシャンシップがお金になるのです。ダメ押しでもう一回言葉を日本語にして言います。「音楽が資産になる」のではなく、「音楽家としての生き様が資産になる」のです。これが多くの音楽家が知らないことです。

ミュージシャンシップ

お金の存在は、時間を増やし、選択肢を増やし、不安をなくし、精神的安定を与え、社会に貢献できます。その土台を形成するのが音楽であると考えることができるのであればミュージシャンシップは形成されています。それはどんどん資産に変換されることでしょう。

このミュージシャンシップが形成されていないのであれば、これから人間関係、身体関係、金銭関係で何かが起こった時に「音楽家としてどのように対処すべきか」を考えるようにしてください。私は2008年以降「ミュージック」そのものは販売していません。読者の方も発売音源などの津本幸司のミュージックに費やしたお金よりも、津本幸司のミュージシャンシップに費
やしたお金の方が多いと思います。教則メソッド、音楽家専用セミナー、音楽家コーチングなど現状のすべては、私のミュージシャンシップを資産に変換させた形です。

ご自身のミュージシャンシップをどのような資産に変換すべきかを考えてください。逆に、資産に変換するにはどのようなミュージシャンシップを形成すべきかも考えてください。

まとめ

音楽が人生のトッピングになっていないかを確認し、音楽家として音楽を土台に人間関係、身体関係、金銭関係のバランスをとり、どのように資産に変換するかを考えてください。

上記は『音楽家の資産形成術』の50章のうち第37章を簡略化しました。

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最後までお読み頂きありがとうございます。

津本幸司

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津本幸司
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