「いちばん好き」という気持ちを諦めないで
振り返ってみれば、自分を殺して生きてきた。いちばん好きなものを好きと言えなかった。
どうしてかは、うまく言えない。ただ、周りの温かい大人たちが、わたしが本当に好きなものを言った途端、目つきの恐ろしい、悪魔に変わる。そしてわたし自身もまた、わたし自身ではいられなくなる…そんなふうな感覚があった。
2番目3番目に好きなものは、いくらでも言えた。いくらでも好意を示せたしいくらでもメリットを説明できた。これまたなぜなのかはわからないが、とにかく、いちばん好きなものを他人に言うことは