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YENTOWN「不幸中の幸い」


YENTOWNとは

YENTOWNは、Chaki Zuluを中心とて2015年から活動を開始したヒップホップ・クルー。
クルーの全容が公式にアナウンスされているわけではないので、ここでは「不幸中の幸い」にかかわった面々について知っていることをまとめたい

「不幸中の幸い」PVより

「YENTOWN」という名前は、映画「スワロウテイル」(1996年、監督・脚本 岩井俊二)からとられたのでしょう。

「円」が世界で一番強かった時代。一攫千金を求めて日本にやってきた外国人達は、街を「円都(イェン・タウン)」と呼び、日本人達は住み着いた違法労働者達を「円盗(イェン・タウン)」と呼んだ。

Wikipediaより

【Chaki Zulu(チャキズール)】
かつては、THE LOWBROWS(CHAKIとEmiで活動していたエレクトロニック・ミュージック・デュオ)在籍時はDJ。YENTOWN開始後は、トラックメーカー専業となり、ほとんど表舞台に出ていない。

【U-Lee(DJ ユーリー)】
AwichのバックDJを務めている。

【MonyHorse(モニホ)】
2022年2月にチキンバーガー専門店「MONICHIKI HOUSE」を開店。JNKMN、PETZとMONYPETZJNKMNというユニットを組んでいる。『MONIBUM』(2022)などソロとしての活動や客演参加も活発。
おすすめは、DJ TATSUKIの「TOKYO KIDS」と「City of Dreams」。

【Awich(エーウィッチ)】
説明不要でしょう。Mステの常連にもなり、ヒップホップ界隈にとどまらず、日本の音楽シーンの中心のひとり。

【JNKMN(ジャンメン)】
Chaki ZuluとともにYENTOWNを立ち上げる。おすすめは、A-THUGに招かれ、tofubeatsのトラックに乗る “HIGHWAY feat. JNKMN”。

【PETZ(ペッズ)】
2024年6月にソロアルバム『AIRERA』をリリースしたばかりのラッパー。

【kZm(ケーズィーエム)】
Awichと並ぶYENTOWNの両翼。おすすめは「TEENAGE VIBE feat. Tohji」であるが、アルバム3部作「DESTRUCTION」(2024)、「DISTORTION」(2020)、「DIMENSION」(2018)は3枚とも必修盤。

「不幸中の幸い」がリリースされるまで

2024年3月6日、音楽フェス「KOBE MELLOW CRUISE 2024」の2日目(5月26日)のヘッドライナーをYENTOWNが飾ることが発表される。

2024年4月24日、YouTube「レッドブルマイク」チャンネルのシリーズ「RASEN」にて、「YENTOWN feat.kZm / PETZ / JNKMN / Awich / Monyhorse / U-Lee / Prod.Chaki Zulu」が公開。

2024年5月15日、RASENで公開された楽曲の最後にkZmのバースを追加し、「不幸中の幸い」というタイトルで配信される。


引用されているフレーズ

歌詞に載りませんが、U-Leeのスクラッチ部分で挿入されるフレーズは各メンバーの楽曲からの引用です。

たまろう スタジオとか店の前

「TAMAROU」JNKMN & DJ JAM

バカばっかだ全く

「洗脳 ft.DOGMA & 鎮座DOPENESS」Awich

水曜なんかダラダラ

「Seven Sinners」jeLLy,MonyHorse,KEPHA,PETZ,JB,diZZy,Junkman

土砂降りのような YEN won dollers

「DOSHABURI feat.JUMADIBA」kZm

「たまろう スタジオや店の前」という一節は、Awichのバース「みんな集合モニチキに行こう/Ya ついでに奥のスタジオ」と呼応しています。
(モニチキ=Monyhorseの経営するハンバーガーショップ「MONICHIKI HOUSE」)

「バカばっかだ全く」は、2020年リリースのアルバム「孔雀」の収録曲。
Mステの常連になりアリーナクラスが似合う2024年のAwichには出てこない、AwichがYENTOWNモードに入るためのフレーズと推定します。

プロレスラー、オカダ・カズチカはリングに金(かね)の雨を降らせるレインメーカーを名乗っています。「土砂降りのような YEN won dollers」も同じ意味なのでしょう。円とウォンとドル。
そして、YENはYENTOWNのYENでもあります。

YENTOWNの「YEN」

「ついにYENTOWN Gang 輪っかになって」kZm

「今集合 YENTOWNなる輪っか」PETZ

「広げるのはこの輪っか/お金じゃない YENのサークル」kZm

「不幸中の幸い」

つまり、YENTOWNの「YEN」とは「日本円」ではなく「円環」の「円」であり、「縁」。

最初からコレクティブとして活動していく選択肢もあったはず。
しかし、各々がそれぞれ自分の名前で活動し、それぞれが独り立ちしたからこそ、コレクティブとしての曲を発表する機運になったのでしょう。
余談ですが、2023年のベストトラックはCreative Drug Store「Taste Test」だったわけですが、CDSも2023年になり初めての作品を発表しました。

「不幸中の幸い」はYENTOWNとしての1曲目にふさわしく、自己紹介の曲となっています。

2024年に各地で披露された「不幸中の幸い」

5月18日(土)POP YOURS
 ※事前告知なしのゲリラ出演
5月26日(日)KOBE MELLOW CRUISE
7月26日(金)FUJI ROCK FESTIVAL
 ※Awich出演時にゲストで4人が参加
8月23日(金)PETZ ワンマン
 ※ゲストで4人が参加
9月6日(金)kZm ワンマン
 ※ゲストで4人が参加

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