2024年の10冊
小説5作品
「水車小屋のネネ」津村記久子
「テスカトリポカ」佐藤究
「悪逆」黒川博行
「永遠と横道世之介」吉田修一
「希望荘」などの杉村三郎シリーズ 宮部みゆき
小説以外5作品
「日記から」坪内祐三
「青木世界観」青木宣親、尾崎世界観
「生きのびるための事務」坂口恭平、道草晴子
「死なれちゃったあとで」前田隆弘
「起業の天才! 江副浩正8兆円起業リクルートを作った男」大西康之
以上が私の選ぶ2024年の10冊。小説5作と小説以外5作。
2024年に読んだ冊数は38冊なので決して多くはないが、そのなかの10冊。宮部みゆきの杉村三郎シリーズは6冊あるので、正確には10作品。
「水車小屋のネネ」と「テスカトリポカ」は刊行時に買ってあったけれど2024年に読んだ作品で、「悪逆」や「永遠と横道世之介」は刊行時に気になったけれど2024年になって図書館で借りてようやく読めた作品。
小説5作についていえば、5作とも私が掘り出したわけでなく、年間ベストに選ばれたり賞を受賞したり、シリーズものだったりと説明不要の5作。
心が動く作品と、ずっと読んでいたい作品に分けるとした場合、挙げた5作はいずれも「ずっと読んでいたい作品」。
殺人が起きる作品もあるから決して穏やかな内容ばかりではないけれど、いずれも残り半分を超えたら読み終わることが惜しくなる作品であった。
「日記から」と「青木世界観」は2024年の収穫。
「日記から」は連載の途中から連載していることを知って、日曜日に毎日新聞を買いに通ったことを鮮明に思い出す。
2006年4月の連載終了後から坪内祐三さんの亡くなる2020年までに単行本化の打診はあったろうが、約20年越しで単行本化されたことが素晴らしい。
大手出版社での連載なら新書にするという手もあったのかもしれないが、毎日新聞で単行本にするには分量が少ないという想いから単行本化されなかったのかな、と推測する。
坪内さんの原稿を生かした装丁も素晴らしい趣向。「考える人」に通じるが、坪内祐三さんの筆跡は、識別性とデザイン性の融合した筆跡であると思う。
「尾崎世界観」の刊行が2024年9月10日で、引退発表が9月13日。
刊行直後に買って読みはじめたら引退が発表されて驚いたので2024年の10作からは外せない。
プロ野球選手はセンスでやっている印象だけれど、努力や研究に裏打ちされていることを知った。
青木宣親選手の名前は知っていたけれど、そこまで追っていなかったので、リアルタイムでプレーを見ることができなくて残念になった一冊。
話は逸れるが、横浜の筒香嘉智選手もそうだけど、メジャーに出て元の所属チームに戻ってくる義理堅い選手は信頼できるなと思った。
それに引き換え、日ハムからメジャー行って1年2年で戻ってきたと思ったらソフトバンクに吸い込まれた有原と上沢は、、、。
2024年は「嫌われた監督」(鈴木忠平)の文庫を買って再読し、「巨人軍VS落合博満」(中溝康隆)も読んだから野球本の年でもあった。
2025年は50冊を目標にしたい。
とはいえ、1月22日現在でまだ2冊目。前途多難。